卒業生とエッチ 教員の堕落・恍惚・性『再会と支配』エロ官能

ロクシタン

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第一章 影の訪れ 第二章 食卓の陰翳

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◆ 第一章 影の訪れ

 冬の風が、薄い刃物の裏側のように街路を撫でていた。
 湿った夜気が頬を掠めるたび、
 胸の内側に沈んでいた七年分の澱が、ゆっくりと浮上してくるようだった。

 待ち合わせの時間を十七分すぎたころ、
 人波の向こうに、黒い影が揺れた。
 街灯の薄い黄金色の光が、彼女の輪郭をゆっくりと切り出す。

 白ではなく、灰でもない。
 照明に照らされるたび、淡い陰が波紋のように表情を変えていく。


「……遅れました」

 その声音は冷たく、しかし妙に柔らかい。
 刺すのではなく、氷の表面で指を滑らせるような冷たさ。


「いや……来てくれて嬉しいよ」

 その言葉を口にした瞬間、
 七年前の教室の影が、
 闇絵のように胸裏へ蘇った。

 彼女は僕の言葉を受け流すように視線を外し、
 淡々と言った。


「その嬉しいってやつ……なんだか、薄気味悪いですね」

 刺す言葉なのに、
 なぜか、息が温かくなる。

 彼女の“冷たさ”には、どこか手触りのある陰の柔らかさがあった。
教え子である彼女はいわゆる不真面目な学生であった。
 出席数もギリギリで個別の指導が必要であったため、幾度もマンツーマンで指導した。


 社交辞令や敬語を使わず、反抗的な態度が女性教員には大変不評であり、学科会議では幾度も名前があがった。

 ただ、僕にとっては影があり美しい彼女はそれだけで価値があった。
 大学教員ともなると、同僚とも敬語であり、否定されるようなコミュニケーションは少ない。
学内では論理的な議論が多く、感情が前に出るような会話は皆無だ。 

 そんななか、彼女の剥き出しの感情でずけずけとものをいう姿勢が心地よかった。



◆ 第二章 食卓の陰翳

個人経営のビストロ。
自由が丘でありながら新すぎない雰囲気を持っている。

 照明の弱さが逆に料理の輪郭を引き延ばし、ワインの赤は、暗い池の底に沈む夕陽のように深かった。

 向かい合う彼女の横顔は、
 光と闇の薄い境界線の上に置かれているようだった。


「昔の先生、もっと厳しかったですよね。
 疲れてます……?」

 皮肉を含むようでいて、その声は面白がっているようにも聞こえた。


「弱くなったのかもしれない。
 あの頃……君の反抗的なところが、懐かしくて」

 彼女は少しだけ目を伏せ、
 ワイングラスを傾けて液面に揺れる赤い影を見つめた。


「キモ……そういうのを、いま言うのが気持ち悪いんですよ」

 だが、言葉の最後が微かに震え、
 その震えこそ、僕には赦しの音に聞こえた。


「でも——」
 彼女は壁の影へ目を遣る。


「言わずに抱えたままの人よりは、まだまし。
 気持ち悪くても、ちゃんと口に出せるなら……ね」

 その“ね”の一音が、
 闇の中で火を灯すようだった。

 
 不真面目だった彼女は、27歳で美容系の人材派遣の会社を立ち上げている。

独自の感性と上に媚びない姿勢がニーズを掘り起こし、数人を雇用しているそうだ。

話を聞くと僕世代の年上も雇っている。
大学で学んだ内容とは全くの別業態であるし、彼女の努力を尊敬する。

社会的にも同等なポジションで話せている感覚であることが、嬉しい。

成長し輝く彼女に対して、歳を理由に成長を止めた僕。

その関係性も情けなく嬉しい。

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