Balcony  ~バルコニーから見てたお隣さんと住むことになりました~

みちまさ

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丸く収めちゃいけないこと

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「部屋に行けそう?大丈夫?」
「はい……何とか」
ミルクティーを飲み終わってすぐ、僕らは彼女の部屋へ向かった。震えている森丘さんの肩を支えて、玄関に入る。
「お邪魔します」
「どうぞ、荒れてますけど入って下さい……このまま土足で」
「え?どうして?」
「足ケガしちゃいますから……」
室内は割れた食器が散乱していて、男が散々暴れたことを物語っていた。これは確かに靴で上がることしかできない。一緒に荷物の準備をした。
「もう戻ってこなくていいつもりで運び出そう。ここには住まない方がいい」
きっと男が戻ってきたら、荷物が無くなっているのを見て、残りの荷物に何をするかもわからない。
「でもそれは申し訳ないです」
「僕の部屋が一つ余ってるからそこに入れとけばいいよ」
僕の部屋は彼女の部屋よりも一つ部屋が多いようで、その余った部屋は物置にしていた。
「今夜はあいつは帰ってこないから、安心して。一気に運ぼう」
きゃ……!と奥の部屋から聞こえた。
行ってみると、布団が切り裂かれコーヒーが撒き散らされている。カーテンは無残にカーテンレールから引き破られていた。
信じられない光景だ。
「これでよく生きてたな……」
好きな女の子に暴力をふるう人間の思考回路はマジで理解できない。二人で寝たはずのベッドだろ。そう思うと、胸がチクッとした。僕はあの男に少しだけ嫉妬している。
「大丈夫。布団は……買いに行こう」
後ろから森丘さんの肩を支えた。
「文房具とかは置いといて。俺んちにいっぱいあるから」
持って出られるものはほぼ持ち出した。
「あ、包丁……!」
「包丁?」
「私左利きだから、癖がついちゃうんです。あと母譲りの大事なものだから」
「そうなんだ。料理好きなの?」
「普通です。でも毎晩作るかな…」
どちらにせよここに危険なものを置いておかない方がいいのは確かだ。

物置にしていた部屋がそこそこ埋まった。
「アオイさん、」
「何?」
「キキョウって、呼んでください。同い年だし」
荷物を運び終わった後の彼女は笑顔で、少しテンションが高かった。すっきりしているのかもしれないけれど、無理をしてる可能性もある。
少し考えた。名前で呼んでしまったら、距離が近くなりすぎるような気がして。だけど、そもそも助けるためとはいえ、一緒に住むこと自体がもう距離なんてないのと同じじゃないか。
「わかった。じゃあそう呼ばせてもらうね、キキョウさん」
まだ夜が明けるには早いけれど、深夜もいい所だ。
「お疲れ様。寝よう。明日会社はどうする?」
「……昨日休んじゃったから、行かないと」
「相手は同じ会社じゃないよね?」
キキョウは僕と目を合わせると、苦笑いをした。
「まさか同じ会社?マジかよ……」
「……直接ではないけれど、上司なんです。休んだ方がいいですかね」
「僕なら警察に被害届と病院に行って診断書もらうね。あちこち痛いだろ?目の周り青くして会社行くの?」
意外そうな顔をして僕を見る。
「あのさ、丸く収めていい事と悪い事があるんだよ。今回の君の被害は収めたらいけないことだと思うけど」
「……明日の朝決めます」
「そうしようか」
寝支度を済ませた彼女を寝室に連れて行った。
「あの、アオイさん、私がソファで寝ます」
「僕はまだ仕事があるから、大丈夫」
あと一時間分の仕事があった。その後はそのままイスで寝てもいいし、ソファに寝てもいい。イスで寝落ちするのもいつものことだ。
「さあ早く寝て。疲れただろ?シーツは替えてあるから」
僕はキキョウを無理矢理ベッドに入れて、寝室の電気を消した。



翌朝。結局ウトウトして、セットしていた6時半に目覚ましが鳴った。キキョウは今日仕事に行くつもりだろうか。そっと寝室を覗いてみると、規則的な呼吸が繰り返されていて、ぐっすりと寝ているのがわかる。あと15分して起きなかったら起こそう。
眠気覚ましのコーヒーを淹れながら、お湯を沸かした。インスタントのカップスープと冷凍のパンを焼き直す。朝食が無いよりはましだろう。ジャムが切れている事に気付いた。今日買わなくちゃな。
時計を見ると6時45分を回った。会社に行くにしろ、休みの連絡をするにしろ、少しは考える時間が必要だろう。眠いだろうけど。僕はキキョウを起こしに行った。

キキョウの寝顔が、思ったよりも穏やかで安心した。一度寝る前に見に行った時は眉をしかめて苦しそうな表情で寝ていたから。
「キキョウさん、朝だよ」
驚かさないようにゆっくりと声を掛けた。男の声だと思って怖がったらいけない。
「キキョウさん」
軽く肩を叩く。
可愛らしい顔で寝続けられるとそろそろ僕が困るんだけどな。呑気にそんなことを考えていたら、彼女が声を上げた。
「いや……やめて……」
もう手は離している。
「あ、ゴメン!」
「ヤダ……やめて、お願い……!」
うなされているのか。触れて起こそうとした事を後悔した。
「キキョウさん、アオイです。大丈夫だよ。安心して」
「イヤぁ……」
キキョウは身体を強張らせて一粒涙を流した。なのに少し甘い声。まさかとは思うが、彼女は殴られていただけじゃなくて……。普通にあり得る話だ。早く起こさないと、いつまでも彼女はこの夢を見てしまう。
「ゴメンな」
僕は布団を剥いで彼女の上半身を抱き起こし背中を軽くぽんぽんと叩いた。
「キキョウさん、朝だよ。起きて」
「ん……え……?」
温度差と身体が動いた事で目が覚めたみたいだ。そのままリビングへ誘導した。まだぼんやりしたキキョウをソファに座らせる。
「うなされてたから、無理矢理起こしてゴメン。嫌な夢見てただろ?」
「うん……ありがとう……」
彼女の目に溜まった涙を指で拭う。僕を怖がらなくて良かったと思った。
「あいつは来ないよ。大丈夫だから、安心して」
「夢だったよね……?」
「うん、さっきのは夢だよ」
ホッとした表情で溜息をついたキキョウは、少し青ざめていた。
「今日は会社より病院だね。顔色が良くないよ。連れて行くから」

彼女を近くの病院に受診させた。僕は付き添いの従兄弟いとこという事にして。
医師は診断書に”全治一カ月、完治まで就労不可、休養を要する”と書いた。
「暴力被害ですので、被害届を出されてもいいと思います。目も鼻も、骨折しなかったのが奇跡ですよ」
医師がじっとキキョウの目を見た。彼女はまだ決められない、というように目を泳がせている。
「……決断しずらいと思いますが、相手に釘を刺しておかないと、あなたが危険ですよ。お話しくださったことはカルテに記録しておきます。年明け最初の診療日にまたお越しください。怪我の快復の様子を見ます」
その後、お大事に、と一言告げられて受診は終わった。
僕たちは病院を出た。
「……とりあえずは、会社に休みの連絡ができるな」
「うん。助かったかも……」
シップと痛み止めを処方された後、キキョウは会社にすぐに電話をし、診断書のコピーをコンビニからFAXした。
口の中が痛くないなら、何か美味しいものでも食べよう、と何がいいか話している時に、キキョウの電話が鳴った。110の数字が入っている電話番号。警察からだった。
「事情聴取をするから、診断書持って警察に来いって言われちゃった」
警察に話をするかどうか悩んでいたが、向こうから連絡が来た。おそらく昨日連れて行かれたキキョウの交際相手が電話番号などを話したのだろう。
「ご飯食べてから行こうか。多分長くなるから」
僕は以前友人のDV被害の事で警察から事情聴取を受けていたので、信じられないぐらい長い時間がかかることは既に知っていた。
「美味しいもん食べとこう。あと、痛いとこには湿布貼って。多分時間が凄くかかる」
結局近場の気軽な店で日替わり定食を食べながら、作戦会議を開いた。
「ちゃんと診断書出して、医者にも警察に被害届け出すように言われたって言って。で、どうやって逃げたか聞かれたら、隣の人の家に助けを求めたって言うんだよ」
「わかった」
「でも、足挫いて前会ったことあるとか言わないでいいから」
「どうして?」
「前から知ってたら、僕が男だから、ややこしくなる」
「え、そんなこと疑ってくるかな」
「疑うのが彼らの仕事でもあるからさ。君が浮気したからって話にされたらどうするんだよ」
「それは嫌」
「だろ?あくまであの日に駆け込んできて、それで初めて僕を知った」
「めんどくさいねえ」
キキョウは溜息をついた。
「で、そうなるときっと僕にも多分声が掛かる。だから連絡先を交換しておこう」
スマホで連絡先の交換をした。そして食事を終えて、店を出た。
「あれ?アオイさんどこ行くの?」
「ん?鍵屋サン」
「え⁇」
僕はアーケードの通りにある合鍵とよろず修理の店に入り、自分の部屋の合鍵を作ってキキョウに渡した。
「はい。これで僕が遅くなったりいなくても入れるから」
「あ、ありがとう……」
僕たちはやっと警察署へ向かっていった。


警察に行きキキョウがすぐに取り調べ室に連れて行かれたのはもちろんだったが、僕も同行者としてやはり事情聴取に捕まってしまった。
灰色の机のある部屋に通され、ガチャリと扉が開いて入ってきたのは、友達のDV被害の時に担当だった刑事の松岡さんだった。
「ああ!櫃木ひつきさんか!」
「あ、どうも松岡さん、お久しぶりです」
「またDVの人のお世話してるの?」
笑いながら松岡さんが訊いてくる。僕も苦笑いをするしかなかった。
「夜中に隣の人が飛び込んできたんです」
いつだったのか、物音を聞いたことがあったか、など詳しい内容を訊いてくる。
隣の部屋がバタバタしていたのは、数日前に聞いたことがあったのを伝えた。
「僕は夜中仕事をするので、その間は仕事部屋にいる為隣とは離れていてあまりわかりませんでした」
ふむふむ、と長所に松岡さんが書き込む。
「ドアを連打してきた?」
「来ました。でも隣の方は靴下で逃げてきて震えているし、何も反応せずにいました」
――こうしたやり取りを繰り返し、警察署を出たのは夕方に近い時間だった。
「また、何かあったら訊くかもしれないけど。ご協力ありがとうございました」
訊く方も大変だろう。松岡さんは笑顔でそういうと警察署の出入り口まで送ってくれた。
キキョウは、きっとまだ時間がかかるだろうな。
"事情聴取終わったので先に帰ります。ご飯作っとくから、終わったら連絡下さい"
僕は先に帰って夕食を作る事にした。


キキョウさん、まだかな、と思いつつ風呂の掃除をした。
ピンポン、と呼び鈴が鳴ったけれど手が濡れていてすぐに反応できない。慌てて手を洗うと、ガチャガチャッ、と鍵を開ける音がして、部屋のドアが開いた。
「……ただいま」
キキョウが帰ってきた。
「あ、お帰り。ゴメンすぐ出れなくて。電話くれたら迎えに行ったのに……」
手を拭いて玄関に行くと真っ青な顔でしゃがみ込んだ。
「おい!」
僕はキキョウを抱えると、すぐ隣の寝室へ運んだ。
「大丈夫か⁈こんなにしんどいなら迎えに行ったのに。メッセージ見なかった?」
ボロボロと涙を零しながら彼女は言った。
「……言われたの。アオイさんが心配してたような事。隣の男とデキてるから殴ったんだってあの人は言ってるって……」
悔しそうに話すキキョウの頭を撫でた。
「被害届は無事に出せた?」
「うん。何とか出せた。お医者さんにも連絡が行って、それからは話が早かったから」
「それなら良かった」
「悔しいよ。身体は痛いし、あんな人を好きだった自分も情けないし、殴られて助けを求めてこんな思いするなんて思わなかった……!」
辛い思いをしたけれど、キキョウの様子に今までにない強さが出ていたから、これから乗り越えていくにはこれで良かったのではと思った。
でも酷いな。最初から浮気者認定かよ。怪しいのは彼女じゃなくて、キキョウをずっと見てた僕のはずだけど。
「何か飲む?」
「……ミルクティー、ほしい」
「じゃあ、ちょっと待ってて」
お茶を淹れる間、キキョウの泣き声が聞こえた。泣き止んでから僕はドアをノックした。
「今夜こそは、マトモなもの食べよう」
ベッドサイドのテーブルにマグカップを置いた。
「うん」
「まあ、僕が作ったから美味しいかどうかわからないけど。ミルクティー置いとくから、好きなように飲んで」
背を向けて泣き顔を見られないようにしているキキョウは、ぐったりしていたけれど、悔しさに負けないように、これから出す力をぐっと溜め込んでいるようにも見えた。

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