転移先では望みのままに〜神族を助け異世界へ 従魔と歩む異世界生活〜 

荘助

文字の大きさ
8 / 58

第8話 準備も大切です

しおりを挟む
 6つ鐘の音とともに、目を覚ます。
 薄っすらと明るくなった空を窓越しに見ながら今日の予定を考える。

 今日の目標は、防具の購入と生活や冒険に使える道具の購入。
 時間があれば、ギルドの資料室で魔法の事を調べよう。

 朝一で行って薬草のクエストを確認してもいいな。薬草は手持ちのが、いっぱいあるし。

 食事を摂る為着替えを済ませ、食堂に向かう。
 そういえば昨日から他のお客さんとは会わないが、他のお客さんは居るのだろうか。

「おはようございます」
 2人に挨拶をし、ラーダに鍵を見せる。

「おはようタカヤ。よく眠れたかい?さぁ座んな」

「おっタカヤか。おはよう!いっぱい食ってけよ。冒険者は体が基本だからな!」

「はい。いただきます」

 朝から2人は元気のようだ。
 席に座るとすぐに朝食が用意された。今日の朝食はゆで卵にベーコンと葉物のサンドイッチとスープだ。
 他に、普通の丸パンはお代わり自由、2個迄持ち出しOKという事でお昼用に頂こうと考えながら、サンドイッチを頬張る。

「うまい」

 ふんわりとしたパン。
 そして中の野菜は、たった今収穫したかと思うほどみずみずしく、シャキッという葉音と濃厚な大地の香り。ベーコンはしっかり塩気が利き一口食べると、飲み込む前に次の一口を欲している。

 夕食に続きパンもスープもうまい。紹介してくれた門兵のギランさんに心の中でだか、お礼を言っておこう。

(有難うございます!)

 今日にでも、ちゃんと直接お礼にいかなくちゃな。

「たくさんお食べ!何と言ってもここは《幸腹亭》食べて幸せにするのが信条さ!」

 女将さんに言われ、遠慮なくパンとスープをお代わりする。

 そしてコックスさんに悪いと思いながら解析をかけた。
 普人種
【Name】 コックス
【age】 48歳
【職業】 1.料理人

【スキル】
 ノーマルスキル
 料理<Lv8>  宮廷作法<Lv4> 

【加護】
 豊穣神の好意(作物の鮮度維持・料理スキル経験値増加・中)

 天職や~。
 この世界は適材適所が普通なのだろうか。上級者の域を超えて達人級、いや英雄の域に達している。
 この人、元々お城かなんかで料理を作っていたんじゃなかろうか……宮廷作法もあるし。

 それよりも《豊穣神の好意》か。
 加護ではなく好意。これは加護を与える程ではないが、気にしてますよって事だろうか?と言うことは寵愛など加護の上位もあるのだろうか。

 やっぱりラノス様以外にも、ちゃんと神様はいるんだね。

「ご馳走様でした!」

 お腹もいっぱいになり満足したところで、パンを2個貰いギルドに行く事を伝える。

「これからギルドに行ってきます。18鐘迄には戻る予定ですが、今日は生活や冒険の道具を買おうと思ってます。何処かお勧めはありませんか?」

「そうだね。それなら、ここの3軒隣の道具屋がおすすめだね。生活使いの道具や冒険の必需品を取り揃えてるよ。名前は《狐屋》さね」

「ありがとうございます。行ってきます!」

 まずはギルドに向かおう。クエストの確認と、いい防具屋を聞きたいしね。

 ギルドの扉を開け、受付前のホールを見渡すと、昨日以上の冒険者で溢れていた。

 大体4~5人くらいのグループが多いだろうか、革鎧に身を包み剣を携えた人。金属鎧に身を包み大きな盾を背負っている人。軽量の装備に弓矢を肩にかけている人もいる。

 昨日は恐らくオフの時間帯だったのだろうか。これからクエストを受けて出て行く人々でごった返していた。

「これはあとで来た方がいいな」

 気を取直して道具屋に向かう。女将さんから紹介してもらった《狐屋》だ。

 名前的になんだか騙されそうで怖いが、まぁそんな店をラーダさんは紹介しないだろう、と考えながら店の暖簾をくぐる。

「いらっしゃーい」

 足を踏み入れた瞬間、正面に立った若い狐の獣人が挨拶をしてきた。

 どの獣人も顔自体は、THE動物顔。というわけではなく、どちらかというと人間に近い。

 獣人毎の特徴は耳の形、毛色、毛並み、そして尻尾の形が違う。この狐獣人さんも顔以外は普通の狐の特徴をしている。
 ただ眼は少し細く、狐独特の狡猾な雰囲気を感じさせる。

「あっあの。おはようございます。《幸腹亭》のラーダさんの紹介で、生活用品と冒険者用の道具を一通り見せて頂きたいのですが」

「あ~ラーダさんの紹介かい。それじゃ勉強しなきゃね。私はここの道具屋の店長でキリスといいます。よろしくお願いします」

 丁寧に自己紹介をし、深々とお辞儀をする。物腰の優しい対応だ。

「はい。よろしくお願いします。昨日冒険者登録したばかりのタカヤです。生活と冒険用の道具は、揃いますか?」

 キリスは一度頭をさげ、すぐに店の奥へと入って行った。

 さすがは品揃えが良いと言われる道具屋だ。
 様々の道具が綺麗に並び、その下に値札が付いている。用途を想像しながら見慣れぬ道具を手に取りながら、店内を回る。

 半分程周ったところで、キリスから声がかかる。
「タカヤさん。道具の準備が出来ましたよ」

 キリスは店の1階の空きスペースに、次々と道具を積んでいく。

「まずは生活の道具でございます。左からタオル、歯ブラシ、コップ、ナイフセット、下着類一式。そして野外活動での道具として、火打棒、外套、水袋、魔石入れ、小テント、解体ナイフ、携帯食料でございます。外套は、特に野営時の寝袋として昼間の日差しよけ、もちろん防寒具としても必ず1着はお持ちください」

 手際よく揃えられた道具は、どれも必要なものとなっており、野営道具はギルドで貰った小冊子で確認した道具一式と同じであった。

 水袋は持っているが、セットと考えればダブっても困る物じゃない。ここは全部セットでいいかな。

「ありがとうございます。全部でいくらでしょうか」

「全てお買い上げで12点で銀貨12枚。ですが、ラーダさんから紹介として銀貨9枚まで勉強させていただきます」

「分かりました。ありがとうございます」

 そう言って、銀貨9枚をキリスに渡す。

「はい丁度頂きます。まいどありがとうございます。 またのご来店をお待ちしております」

 一通りの道具を購入し、店を後にする。

 一式が一つの店で揃ったことに満足し、途中見えないように道具一式をBOXに収納し、身軽になったところで改めてギルドに向かった。
しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...