転移先では望みのままに〜神族を助け異世界へ 従魔と歩む異世界生活〜 

荘助

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第36話 セリナの報酬

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「タカヤ。お前さん何者だ?」

 無事デメティール様に会えたのだろうか。それとも言葉を聞いたのだろうか。
 コックスさんの瞳から、涙が溢れている。

「さっきここに参拝に来た時、デメティール様の声を聞きました。僕の近くにデメティール様に関係の深い者がいないかと。僕の近くで、作物や料理に関係が深い人を僕は、コックスさんしか知りません」

 少し事実は曲げて誤魔化したが、これで伝わるだろうか。

「すまん。決して何か疑ったわけじゃないんだ。タカヤ……。俺、豊穣神デメティール様から加護が貰えたよ。いや実は元々持ってはいたんだ。だが今回加護が、より強まったんだ。タカヤのお陰だ。それに教会に来なかった事も許して貰えたんだ。ありがとうタカヤ」

 どうやらあの白い空間に行ったみたいで、そこでデメティール様に会ったらしい。

 そこである出来事の説明をした後、加護が更新されたという事だった。

【Name】 コックス
【age】 48歳
【職業】 1.料理人

【スキル】
 ノーマルスキル
 料理<Lv8>  宮廷作法<Lv4> 

【加護】
 豊穣神の加護(原点回帰『鮮』・料理道・医食同源)

 原点回帰『鮮』
 ※扱う食材の鮮度を採取された直後に戻す

 料理道
 ※料理スキル経験値増加・大

 医食同源
 ※調理した料理に状態異常回復を付加する

 ここにもチートの権化がいる。
 ここの神様は自重を知らないんだろうか。この人ラノベの主人公なら料理で異世界救ってそうだ。

「良かったですね。これでまたコックスさんのパワーアップした御飯が食べれるんですね。楽しみです」

 だがここは祝いの場だ。
 とにかく明るくコックスさんを祝う。コックスさんもやっと落ち着きを取り戻し、笑顔になっていた。

「よし帰るか!タカヤはそういえば用事があって外出たんだろ?大丈夫か?」

「はい。ギルドに出向きます。昨日の事で色々手続きあるみたいで…」

「そうか。なら全部終わらせてこい。またもし嫌な事があっても、俺の料理で吹き飛ばしてやる!」

 ドンっと背中を押され、少しむせるが背中の手形に広がる痛みは真っ直ぐ僕を後押ししてくれた。

「はい!」

 2人でギルド近くまで行き、そこでお互い別れた。

 コックスさんは別れ際にもありがとうと言ってくれた。

 さて。整理を付けに行くかな

 ギルドへの扉を開ける。
 相変わらず騒がしい受付に、目を向ける。

 すると、すぐに僕に気付いたようで、受付の男性の1人が会釈してギルドマスターを呼びに行った。

 しばらくして、8畳程の部屋に案内される。
 テーブルを挟み、向かい合わせのソファーが置いてある応接間のような部屋だ。

「タカヤさん!」
 ソファーの横に立っていると、急に扉が開き誰かに後ろから呼ばれ、振り返る。

「のわっ」

 突然視界が遮られ、頭全体を極上の柔らかさで包み込まれる。

「タカヤさん、タカヤさん、タカヤさん。ご無事でなによりです」

 ふにょんふにょんと柔らかくて、大きなものが顔を撫でる。
 まったくもって顔は見えないが、この声そして頭を包み込んでいる柔らかな感触の大きさは!

「セリナさん?!」

 慌てて胸から体を離そうとするも逆に引き戻され、より内部へ埋まる。
 極上の柔らかさが、頭全体を包み込む。

「はい。この度の顛末全てお聞きしました。ゴーバの事も含め、こちらのフォローが足りず、タカヤ様を危険な目に合わせてしまいました。
 なによりも、私の名前が出てきたと伺っております。私に危険が及ぶのを心配して頂き、ゴーバ達に手が出なかったと。
 痛い思いをさせてしまったと。苦しい思いにさせてしまったと。
 申し訳ありません。タカヤ様にご迷惑をお掛けしてしまいました」

 セリナさんは只々謝罪の言葉をなげ僕の首元を涙で濡らした。


「申し訳ありません」

 そう頭を下げるのは、先程とは違い、いつものギルド職員としてのセリナさんだった。

「大丈夫ですよ。セリナさん心配して頂いて有難うございます。この通り傷も残ってないですし、いつも通りです」

「タカヤさんにあんな醜態を……」
 顔を真っ赤にして下を向くセリナさん。うん可愛い人だ。

「いえ。まぁ僕も無理に離そうと思えば離せたと思いますし……」

 すけべ心が完全に勝ってました。とは言えないがあの感触はおそらく忘れない。いや絶対忘れない。最高の報酬頂きました!

(マスター……)

うん。姿を消してるポシルから呆れたような意思が伝わるが気にしない。

「そっそれよりギルドマスターに、昨日の件をどうすれば良いか聞きにきました」

「はい。その件でしたら承っています。そろそろギルドマスターが来られる頃かと」

 バンッ
 勢いよく扉が開き、セリナの言葉を遮る。

「おう。遅くなった!ん?何だ二人ともそんな所に突っ立って。早く座れ。セリナはちと飲みもんでも持ってきてくれ」

 スイデンからの注文を受け、軽くお辞儀をしセリナは退室していく。
 対面に座ったところでスイデンが話し始めた。

「今回の件、ご苦労だった。まずタカヤお前が何をやったか整理しよう」

 現状ごちゃごちゃになっている事の整理と、その後について、スイデンは説明を始めた。
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