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ジーク 出会いと永遠の別れ
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しおりを挟む主治医からは「申し訳ございません。ローズマリー(名前で呼んで欲しいと言われている。)様の病は、私どもでは治せません。ケガや風邪などは治せますが、心の病は元を取り除かない限りは回復できません。しかし。ローズマリー様は、見る限りでは長年徐々に積み重なっていたようですな。心と体を蝕んでいったんでしょう。主治医として失格です。申し訳ございません。もって半年だと。治す薬はありませんが、不安をなくし心穏やかに過ごすのが一日でも長く生きる事ができると。ロイ様に相談をしながら、安定剤や痛みなどを取り除く薬を用意いたしましょう。左足の痛みもあるみたいなので。」
ジークは目の前が、真っ暗になった。
長年ローズに仕えている侍女リリーも、その場に泣き崩れた。
ローズは、日々衰弱していった。薬をもらい飲んでいるが(実際は飲んでいなかった。)効果はなかったようだ。
(余命宣告されてから)5ヶ月経った。
とうとう。一日中ベッドにいるようになってしまった。眠っている時間も増えてきた。一日の半分は眠っている。
ジークはローズから離れずにいた。
周りも心配で仕方がなかった。
他国に嫁いだ娘達も、何度もお見舞いに来ていた。
ある日。ローズは起き上がれる時に、侍女のリリー以外部屋から出した。
ジークは抵抗したが、ローズの必死の頼みに娘達が「お父様。久しぶりに庭園を散歩いたしましょう。」とジークを無理矢理連れて部屋を出た。
2時間後。侍女リリーがみんなを呼びに来た。
侍女リリーは、用事があると伝えて出かけて行った。
(余命宣告されてから)6か月経った。
ジークが恐れていた事態がおこった。
ローズが昏睡状態になったのだ。
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