69 / 74
アルトとマリーナ 2通の手紙と永遠の愛
13 アルト視点⑨
しおりを挟む家令が客間に通し、マリーナが会いに行った。
そして。興奮したマリーナが戻ってきた。
「アルト。リリーが来たのよ。覚えてない?お姉様の侍女のリリーよ。」
「ローズの側に、ずっといた侍女のリリーかい?まさか。ローズに、なにかあったのか?」
「リリーが教えてくれたの。お姉様が病に倒れて、あと少しの命だそうよ。(涙)一部の人間しか知らないそうよ。アルト。あなたと同じ時期に倒れたみたいよ。そして余命も同じ。それを聞いた時。リリーと2人はやはり運命なのねと。笑ってしまったわ(涙)」
「ローズ…。」
「それとね。お菓子の箱を、2人っきりの時に開けてほしいと言われたわ。」
マリーナが箱を開けると。
私達が好きなお菓子と、2通の手紙が入っていた。
差出人は~ローズマリー。
なかなか封を切らずにいると、マリーナに読むように言われた。
久しぶりに見る。ローズの字。
乱れていたが、愛おしかった。
そして~手紙を胸に抱きしめて泣いた。マリーナも泣いていた。
それから私は、幸せな気持ちで残り少ない時を過した。
いつもこの手紙を持ちながら。
とうとう。その日がやってきた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
72
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる