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祭りでの出会い
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その佐一郎とおいちが出会ったきっかけは、年に一度行われる三つの村合同の祭りだった。
その祭りは昔から行われてきた祭りで、この三つの村が元々一つだった時に作られた祭りだと言われている。五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全を願いながら火がついた櫓の周りを二日間夜通し踊る。最初に踊るのは男達。男達は、顔にひょっとこの面をつけて踊る。二日目に踊るのは女達。女達は顔におかめの面をつけて踊る。一風変わった祭りだ。もっと変わっているのはこの祭りの二日間は絶対に話をしてはいけないという事だ。踊っている者は勿論の事、祭りに出す食事を準備している者も一切話してはいけない。もし話してしまったら、村が滅びると伝えられていた。
そして、村が一つから三つになった今でも村人達はその教えを守り静かで奇妙な祭りを年一回行っているのだ。
その年、おいちは祭りの踊りに参加できるという事で張り切っていた。この祭りは十八歳になれば参加する事が出来る。田舎の村の事、ろくに娯楽もなくひたすら働くだけの日々の中、静かで奇妙な祭りだとしても、村民達にとっては唯一の楽しみだったのだ。
祭りの日には、ご馳走や普段着た事のない少しばかりのいい着物を着ることが出来た。おかめの面を被るので化粧は必要ないのだが、おいちの隣に住んでいるお姉さんが内緒で紅をひいてくれた。おいちは嬉しくてたまらなかった。鏡などないので、近くの川に行き川に映る自分を見る。紅をひいた自分の顔は別人のように感じた。
そして夕方。櫓に火が放たれる。
ごうごうと音をたてて燃える櫓の周りに続々とひょっとこの面をつけ、着物の裾を端折った男達が集まって来る。
祭りの音楽は太鼓ただ一つ。
どぉん。どぉんと規則正しくならされる太鼓。この太鼓の音に合わせて、男達は踊り出す。しかし規則正しく輪になり踊る事はない。皆バラバラになって踊るのだ。要は櫓の周りを周ればいいらしい。一見無秩序で、太鼓一つの音で踊るというのは寂しく聞こえるかもしれないが、意外にそうでもない。腰を落とし、手足を力強く動かして踊る様は男らしく荒々しくも見える。こういっては何だが、普段冴えない男もこの祭りではいい男に見えてしまったりする。
祭り一日目、おいちは食事の準備などを手伝わなくてはいけないのだが、男達の踊りを見たくてコッソリ抜け出してきた。
ごうごうと燃え盛る櫓の周りを何十人と言う人が、ひょっとこの面をつけて踊る光景は異様だったが、その反面猛々しくも荒々しい踊りに目が釘付けになってしまった。
その内辺りは暗くなってきた。
櫓の炎の灯りが辺りをグラグラと照らす。離れて見ているおいちの顔にもその熱気が伝わってきそうだった。
その時、突然肩を叩かれた。
驚いたおいちは叩かれた方を見ると、おいちに紅をひいてくれた隣のお姉さんが立っていた。お姉さんは、にっこり笑うと女達が食事の準備をしている方を指さして、おいちを促した。まだ男達の踊りを見たかったおいちは、咄嗟に「まだ見ていたい」と言おうとしたが、慌ててとどまる。この祭りが始まったら一切話してはいけない決まりなのだ。
おいちは仕方なく、お姉さんに手を取られながら帰る事にした。
そして祭り二日目。
遂に、おいちが踊る日である。おいちは昨日から興奮して眠ることも出来なかった。周りの大人達や子供達と一緒に着替え、おかめの面をつける。初めてつけるおかめの面は冷たく、顔に吸い付くようにピッタリと合った。
(ついに私も大人達と同じなんだ)
大人と同じように踊る事が出来る嬉しさを感じながらも、上手く踊れるだろうかと言う不安もあった。この日の為に、隣のお姉さんに毎日踊りを教えてもらったが、女の踊りは男の踊り方と違う。身体をしなやかに動かし全体に流れるような踊りになる。おいちは何とか踊れるようになってはいたが、興奮と緊張で押しつぶされそうになっていた。
「パンパン」
誰かが手を叩く。
見ると、ふくよかに太った女が自分に注目するように手を叩いたようだ。顔にはおかめの面をつけているので、誰だかわからない。
その女はもう一度
「パンパン」
と手を叩く。
ソレが合図なのだろう。周りの大人達がぞろぞろと櫓の方へ歩いて行く。おいちは慌てて皆について行った。
櫓は、追加の木が組まれごうごうと燃え盛っている。
おいちは何とか櫓の近くに来たが、この後どうするのかと周りをキョロキョロと見ていると、いきなり太鼓の音が鳴り始めた。
始まりだ。
女達は、櫓の周りをゆっくりと踊りながら回る。おいちもぎこちなく覚えたての踊りを一生懸命踊る。初めは規則正しく打たれる太鼓の音に、自分の踊りを合わせるのが難しかったが、徐々に自分の踊りに太鼓が合わせてくれているような感じになる。
(これなら大丈夫かもしれない)
おいちはホッとしながら踊った。
どのくらい踊っていたのか、今まで鳴っていた太鼓が突然やんだ。食事の時間である。女達が踊る日は男達が食事の準備をする。大勢の食事は簡単におにぎりだけ。祭りの日の持ち番になる家に入り、おにぎりを貰うと、皆次の躍りまで自由に過ごすのだ。おいちは、それほどお腹が空いていたわけではなかったがこれからの事も考え食べる事にした。
おにぎりを持ち、櫓の近くで食べようとそちらへ向かう。
腰を下ろし、面を外すと手にしたおにぎりを食べながらごうごうと燃え盛る櫓を見る。
(凄い火・・・何でも燃やせちゃうみたい・・・)
そんな事を考えていたおいちは、櫓の火から目をそらせなくなっていた。
その時、おいちの頭をくしゃりと誰かが触る。
見上げると、知らない男が微笑みながら立っていた。
おいちと同い年位の優しい顔立ちをした男だった。
(誰?)
男はおいちの隣に座ると、おにぎりを一つ差し出した。
(え?私持ってる・・)
どう言う事か解らないおいちに、男は笑顔でおにぎりをおいちの方へ突き出してくる。この男、よく見るととても綺麗な目をしていた。
(もっと食べろって事?でも・・・)
興奮と緊張がまだ冷めていないおいちは、今それ程食欲がない。持ってきてくれたのに断るのも悪い気がしたが、貰っておいて残す方がもっと申し訳ないと思ったおいちは、両手をお腹の所へ持っていくと満腹だと言うジェスチャーで、ソレを断った。
すると
「ハハハ」
その男は笑った。
この祭りでは、話をしてはいけない。つまり、声を出してはいけないのだ。それなのに男は笑ったのだ。驚いているおいちをよそに、男は
「あんた、名前は?」
と聞いてきた。
「・・・・」
「俺、佐一郎。狭山村に住んでるんだ。あんたは?」
「・・・・・」
「狭山村じゃないよね?」
おいちは頷く。
「じゃあ・・武井村?」
おいちは首を振る。
「ふ~ん。富木村か」
おいちは頷く。
「俺が話してるの驚いた?」
おいちは頷く。
「そうだよね。この祭りの決まり事だからね。でも、そんな決まり事なんていいかなって思う事があったんだ」
おいちは黙って聞いている。
「昨日、あんたの事見かけてね。絶対今日話そうって決めたんだ」
「なんで?」
しまった!と思ったが、もう遅かった。男の話に合わせて、ついおいちも話してしまった。
「あ、話しちゃったね。ハハハ。話をすると村が滅びるんだっけ?それでもいいや。こうやってあんたと話が出来たんだからね」
佐一郎は、櫓の火の灯りを顔に受け笑いながら言った。いつの間にか、さっきおいちに渡そうとしたおにぎりを食べている。
「・・・・何で私と話が?」
「・・・今度、うちにおいでよ。狭山村の西の方にある家なんだ。西側には俺の家しかないからすぐに分かるよ」
おにぎりを食べ終わった佐一郎は立ち上がり、持ち場に戻って行った。
これが、おいちと佐一郎の最初の出会いである。
その祭りは昔から行われてきた祭りで、この三つの村が元々一つだった時に作られた祭りだと言われている。五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全を願いながら火がついた櫓の周りを二日間夜通し踊る。最初に踊るのは男達。男達は、顔にひょっとこの面をつけて踊る。二日目に踊るのは女達。女達は顔におかめの面をつけて踊る。一風変わった祭りだ。もっと変わっているのはこの祭りの二日間は絶対に話をしてはいけないという事だ。踊っている者は勿論の事、祭りに出す食事を準備している者も一切話してはいけない。もし話してしまったら、村が滅びると伝えられていた。
そして、村が一つから三つになった今でも村人達はその教えを守り静かで奇妙な祭りを年一回行っているのだ。
その年、おいちは祭りの踊りに参加できるという事で張り切っていた。この祭りは十八歳になれば参加する事が出来る。田舎の村の事、ろくに娯楽もなくひたすら働くだけの日々の中、静かで奇妙な祭りだとしても、村民達にとっては唯一の楽しみだったのだ。
祭りの日には、ご馳走や普段着た事のない少しばかりのいい着物を着ることが出来た。おかめの面を被るので化粧は必要ないのだが、おいちの隣に住んでいるお姉さんが内緒で紅をひいてくれた。おいちは嬉しくてたまらなかった。鏡などないので、近くの川に行き川に映る自分を見る。紅をひいた自分の顔は別人のように感じた。
そして夕方。櫓に火が放たれる。
ごうごうと音をたてて燃える櫓の周りに続々とひょっとこの面をつけ、着物の裾を端折った男達が集まって来る。
祭りの音楽は太鼓ただ一つ。
どぉん。どぉんと規則正しくならされる太鼓。この太鼓の音に合わせて、男達は踊り出す。しかし規則正しく輪になり踊る事はない。皆バラバラになって踊るのだ。要は櫓の周りを周ればいいらしい。一見無秩序で、太鼓一つの音で踊るというのは寂しく聞こえるかもしれないが、意外にそうでもない。腰を落とし、手足を力強く動かして踊る様は男らしく荒々しくも見える。こういっては何だが、普段冴えない男もこの祭りではいい男に見えてしまったりする。
祭り一日目、おいちは食事の準備などを手伝わなくてはいけないのだが、男達の踊りを見たくてコッソリ抜け出してきた。
ごうごうと燃え盛る櫓の周りを何十人と言う人が、ひょっとこの面をつけて踊る光景は異様だったが、その反面猛々しくも荒々しい踊りに目が釘付けになってしまった。
その内辺りは暗くなってきた。
櫓の炎の灯りが辺りをグラグラと照らす。離れて見ているおいちの顔にもその熱気が伝わってきそうだった。
その時、突然肩を叩かれた。
驚いたおいちは叩かれた方を見ると、おいちに紅をひいてくれた隣のお姉さんが立っていた。お姉さんは、にっこり笑うと女達が食事の準備をしている方を指さして、おいちを促した。まだ男達の踊りを見たかったおいちは、咄嗟に「まだ見ていたい」と言おうとしたが、慌ててとどまる。この祭りが始まったら一切話してはいけない決まりなのだ。
おいちは仕方なく、お姉さんに手を取られながら帰る事にした。
そして祭り二日目。
遂に、おいちが踊る日である。おいちは昨日から興奮して眠ることも出来なかった。周りの大人達や子供達と一緒に着替え、おかめの面をつける。初めてつけるおかめの面は冷たく、顔に吸い付くようにピッタリと合った。
(ついに私も大人達と同じなんだ)
大人と同じように踊る事が出来る嬉しさを感じながらも、上手く踊れるだろうかと言う不安もあった。この日の為に、隣のお姉さんに毎日踊りを教えてもらったが、女の踊りは男の踊り方と違う。身体をしなやかに動かし全体に流れるような踊りになる。おいちは何とか踊れるようになってはいたが、興奮と緊張で押しつぶされそうになっていた。
「パンパン」
誰かが手を叩く。
見ると、ふくよかに太った女が自分に注目するように手を叩いたようだ。顔にはおかめの面をつけているので、誰だかわからない。
その女はもう一度
「パンパン」
と手を叩く。
ソレが合図なのだろう。周りの大人達がぞろぞろと櫓の方へ歩いて行く。おいちは慌てて皆について行った。
櫓は、追加の木が組まれごうごうと燃え盛っている。
おいちは何とか櫓の近くに来たが、この後どうするのかと周りをキョロキョロと見ていると、いきなり太鼓の音が鳴り始めた。
始まりだ。
女達は、櫓の周りをゆっくりと踊りながら回る。おいちもぎこちなく覚えたての踊りを一生懸命踊る。初めは規則正しく打たれる太鼓の音に、自分の踊りを合わせるのが難しかったが、徐々に自分の踊りに太鼓が合わせてくれているような感じになる。
(これなら大丈夫かもしれない)
おいちはホッとしながら踊った。
どのくらい踊っていたのか、今まで鳴っていた太鼓が突然やんだ。食事の時間である。女達が踊る日は男達が食事の準備をする。大勢の食事は簡単におにぎりだけ。祭りの日の持ち番になる家に入り、おにぎりを貰うと、皆次の躍りまで自由に過ごすのだ。おいちは、それほどお腹が空いていたわけではなかったがこれからの事も考え食べる事にした。
おにぎりを持ち、櫓の近くで食べようとそちらへ向かう。
腰を下ろし、面を外すと手にしたおにぎりを食べながらごうごうと燃え盛る櫓を見る。
(凄い火・・・何でも燃やせちゃうみたい・・・)
そんな事を考えていたおいちは、櫓の火から目をそらせなくなっていた。
その時、おいちの頭をくしゃりと誰かが触る。
見上げると、知らない男が微笑みながら立っていた。
おいちと同い年位の優しい顔立ちをした男だった。
(誰?)
男はおいちの隣に座ると、おにぎりを一つ差し出した。
(え?私持ってる・・)
どう言う事か解らないおいちに、男は笑顔でおにぎりをおいちの方へ突き出してくる。この男、よく見るととても綺麗な目をしていた。
(もっと食べろって事?でも・・・)
興奮と緊張がまだ冷めていないおいちは、今それ程食欲がない。持ってきてくれたのに断るのも悪い気がしたが、貰っておいて残す方がもっと申し訳ないと思ったおいちは、両手をお腹の所へ持っていくと満腹だと言うジェスチャーで、ソレを断った。
すると
「ハハハ」
その男は笑った。
この祭りでは、話をしてはいけない。つまり、声を出してはいけないのだ。それなのに男は笑ったのだ。驚いているおいちをよそに、男は
「あんた、名前は?」
と聞いてきた。
「・・・・」
「俺、佐一郎。狭山村に住んでるんだ。あんたは?」
「・・・・・」
「狭山村じゃないよね?」
おいちは頷く。
「じゃあ・・武井村?」
おいちは首を振る。
「ふ~ん。富木村か」
おいちは頷く。
「俺が話してるの驚いた?」
おいちは頷く。
「そうだよね。この祭りの決まり事だからね。でも、そんな決まり事なんていいかなって思う事があったんだ」
おいちは黙って聞いている。
「昨日、あんたの事見かけてね。絶対今日話そうって決めたんだ」
「なんで?」
しまった!と思ったが、もう遅かった。男の話に合わせて、ついおいちも話してしまった。
「あ、話しちゃったね。ハハハ。話をすると村が滅びるんだっけ?それでもいいや。こうやってあんたと話が出来たんだからね」
佐一郎は、櫓の火の灯りを顔に受け笑いながら言った。いつの間にか、さっきおいちに渡そうとしたおにぎりを食べている。
「・・・・何で私と話が?」
「・・・今度、うちにおいでよ。狭山村の西の方にある家なんだ。西側には俺の家しかないからすぐに分かるよ」
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