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災い
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(え?何でそこにいるの?箪笥の上に置いといたはず)
咄嗟に箪笥の方をライトで照らす。
ある。
箪笥の上に、私が置いた通りに座って前を向いている。では・・・テーブルの上にいるのは・・・
もう一度テーブルを照らす。
「あれ?」
いない。
何かを見間違えたのだろうか。何となく気味の悪さを感じたので、布団から出ると電気をつけた。
「ひっ!」
フランス人形は、私の枕元に座っていた。
「え?え?え?」
私は箪笥の上にある人形と、枕元にある人形を何度も見比べる。両方とも同じ人形。瓜二つだ。
「何で二つあるの?」
そのまま部屋を飛び出し友達の家へ避難・・・・なんてそう都合よくはいかない。
私の友達はみんな実家住まい。両親がいる家に深夜に行くなんてことは流石にできない。
私は枕元にあるフランス人形の近くへそっと寄っていく。
すると、その人形は突然私の方を向き顔の表情をゆっくりと変化させた。眉を吊り上げ、眼を見開き口も大きく開かれた。まるで、金剛力士の阿形像の顔みたいだ。
余りの事に金縛りにあったかのように声も出せず固まってしまった。
「お主と一緒にいる人間は災いをもたらす。即刻離れた方が良し」
フランス人形らしからぬ野太い声で話し出した。
「え?」
声が出た。
「お主と一緒にいる人間は災いをもたらす、即刻離れた方が良し」
「一緒にって・・・彼の事?」
人形が話しただけでも恐ろしかったが、幸せ絶頂期の私に彼と離れろなんて聞き捨てならない。
「どうして?優しくてとてもいい人なのに」
「優しく接してくる輩は、最も注意すべき人間である。人の心の闇は深い」
「そ、そんな・・そんな事言ったら誰とも付き合えないじゃない。誰だって闇ぐらい持ってるわよ」
この人形が何を伝えたいのか分からなかったが、彼の事を言っていると思った私は反論した。
「一刻も早く離れた方が良い」
なんて事を言う人形だ。
突然出てきて、阿形の表情をしながら古臭い言い回しでとんでもないことを言う。私は頭に来た。
「あのね!私が誰と付き合おうと勝手でしょ?何であなたにそんなこと言われなくちゃいけないのよ。一体あんたは何なの?」
「わしは又兵衛である」
「は?またべえ?」
声だけでなく、名前までもがフランス人形らしくない。
「わしの事等お主が知らなくてもいい事だ。助言は守った方が良し」
又兵衛はそう言うとふわりと浮き上がり、箪笥の上にあるフランス人形の中に吸い込まれていった。
「・・・・・なにあれ」
呆然としながら、箪笥の上にある動かないフランス人形を見ていた。
咄嗟に箪笥の方をライトで照らす。
ある。
箪笥の上に、私が置いた通りに座って前を向いている。では・・・テーブルの上にいるのは・・・
もう一度テーブルを照らす。
「あれ?」
いない。
何かを見間違えたのだろうか。何となく気味の悪さを感じたので、布団から出ると電気をつけた。
「ひっ!」
フランス人形は、私の枕元に座っていた。
「え?え?え?」
私は箪笥の上にある人形と、枕元にある人形を何度も見比べる。両方とも同じ人形。瓜二つだ。
「何で二つあるの?」
そのまま部屋を飛び出し友達の家へ避難・・・・なんてそう都合よくはいかない。
私の友達はみんな実家住まい。両親がいる家に深夜に行くなんてことは流石にできない。
私は枕元にあるフランス人形の近くへそっと寄っていく。
すると、その人形は突然私の方を向き顔の表情をゆっくりと変化させた。眉を吊り上げ、眼を見開き口も大きく開かれた。まるで、金剛力士の阿形像の顔みたいだ。
余りの事に金縛りにあったかのように声も出せず固まってしまった。
「お主と一緒にいる人間は災いをもたらす。即刻離れた方が良し」
フランス人形らしからぬ野太い声で話し出した。
「え?」
声が出た。
「お主と一緒にいる人間は災いをもたらす、即刻離れた方が良し」
「一緒にって・・・彼の事?」
人形が話しただけでも恐ろしかったが、幸せ絶頂期の私に彼と離れろなんて聞き捨てならない。
「どうして?優しくてとてもいい人なのに」
「優しく接してくる輩は、最も注意すべき人間である。人の心の闇は深い」
「そ、そんな・・そんな事言ったら誰とも付き合えないじゃない。誰だって闇ぐらい持ってるわよ」
この人形が何を伝えたいのか分からなかったが、彼の事を言っていると思った私は反論した。
「一刻も早く離れた方が良い」
なんて事を言う人形だ。
突然出てきて、阿形の表情をしながら古臭い言い回しでとんでもないことを言う。私は頭に来た。
「あのね!私が誰と付き合おうと勝手でしょ?何であなたにそんなこと言われなくちゃいけないのよ。一体あんたは何なの?」
「わしは又兵衛である」
「は?またべえ?」
声だけでなく、名前までもがフランス人形らしくない。
「わしの事等お主が知らなくてもいい事だ。助言は守った方が良し」
又兵衛はそう言うとふわりと浮き上がり、箪笥の上にあるフランス人形の中に吸い込まれていった。
「・・・・・なにあれ」
呆然としながら、箪笥の上にある動かないフランス人形を見ていた。
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