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骨壺
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俺は体を起こして時計を見た。
大分寝たようだ。もう夜の7時を回っている。
「夕飯どうすっかな」
暗い部屋でぼうっとしていたが、先程簡単にすました昼飯では俺の腹は納得しなかったようで、ぐぅぅっぅと盛大に鳴った。
「コンビニ行くか」
電気をつけ服を身に着けると、近くのコンビニに歩いて行った。
出来るだけ安く済ませようとしたが、腹が減っている時の買い物は余計な買い物をしてしまう。かご半分ぐらいまでの食品を買い込み家路につく。家に着き、靴を脱いで中に入ろうとした時、何かが足にこつんと当たった。
「いて」
横着して玄関の電気をつけなかったので、何にあたったのか分からなかった。
「まあいいや」
面倒くさがりの俺は特に気にすることもなく茶の間に行き、買ってきたコンビニの弁当を広げ食べ始めた。ようやく、腹が満たされる。
「はぁ~あ。風呂に入って寝るか・・・・・・あっそうだ。あれ見とかなきゃな」
葬式のために仕事を休む事になったので、家で出来そうな仕事を持ち帰ってきてたのを思い出したのだ。俺は、自分の部屋に戻りカバンから資料を取り出し見始めた。
しかし、内容が頭に入ってこない。ため息をつきながら資料を机にポンと放り出すとベッドに横になる。
「なんだかなぁ」
やはり、お袋が死んだのは俺にとってはショックな事なのか。自分ではそう思っていないが気持ちの奥底の方で悲しんでいるのか。だから、仕事に支障が出るのか。
「いや。そんなことないだろう。あのお袋がいなくなったって別に何ともない。うるさいのがいなくなっただけ」
自分の気持ちに蹴りをつけるかのように独り言を言うと、起き上がりまた資料に目を通し始めた。今度は、先程のように活字を目で追っているだけではなく頭に内容が入ってくる。
大丈夫だなと思っていた時、下の階で何か音がしたような気がした。
「なんだ?」
俺は、資料を置くと部屋から出て階段を降り始めた。
茶の間の電気はつけっぱなしなので、明かりがこちらに届いている。真っ直ぐ茶の間の方へ向かおうとした時、後ろからズズズと何かを引きずるような音がした。音がした方を振り向いたが後ろは玄関しかない。玄関近くまで歩いていき明かりを付ける。しかし、何も異常はない。一応鍵がかかっているかを確認して、電気を消し茶の間に向かった。
茶の間も異常なし。
「気のせいか」
俺は仕事の続きをするため、二階に上ろうと足を階段の一段目に乗せた時、また音がした。
今度は気のせいではなくハッキリと聞こえた。
ズズズ
玄関の方だ。さっき聞いた音と同じで何かを引きづるような音。何となく、固いものを引きづるような音だ。気味が悪くなりこのまま二階に行こうかと思ったが、分からないものをそのままにしておくのも余計気持ちが悪い。
また、玄関の方に行き電気をつける。やはり異常はない・・・・・・ん?
足元にあるお袋の骨壺が最初置いた場所から少し移動しているような気がする。帰った時に無造作に置いたのではっきりとした位置は覚えていないが、今、自分の足元にある骨壺は明らかに家の中の方にある。
「あれ?こっちに置いたかな?」
俺は骨壺を足で元の位置に戻した。一応他の場所や玄関を開け外も確認したが異常なし。気持ち悪いが、この辺りは野良猫も多く見かけるので、音の正体を無理やり猫のせいにすると二階の自分の部屋に戻った。仕事の続きをしようと机の資料を手に取りベッドに座る。
その途端、右足のふくらはぎの部分にチクンと痛みが走った。
「いて。なんだ?」
ズボンをめくり見て見るが何ともなっていない。不思議だったが、構わず仕事を続けた。
大分寝たようだ。もう夜の7時を回っている。
「夕飯どうすっかな」
暗い部屋でぼうっとしていたが、先程簡単にすました昼飯では俺の腹は納得しなかったようで、ぐぅぅっぅと盛大に鳴った。
「コンビニ行くか」
電気をつけ服を身に着けると、近くのコンビニに歩いて行った。
出来るだけ安く済ませようとしたが、腹が減っている時の買い物は余計な買い物をしてしまう。かご半分ぐらいまでの食品を買い込み家路につく。家に着き、靴を脱いで中に入ろうとした時、何かが足にこつんと当たった。
「いて」
横着して玄関の電気をつけなかったので、何にあたったのか分からなかった。
「まあいいや」
面倒くさがりの俺は特に気にすることもなく茶の間に行き、買ってきたコンビニの弁当を広げ食べ始めた。ようやく、腹が満たされる。
「はぁ~あ。風呂に入って寝るか・・・・・・あっそうだ。あれ見とかなきゃな」
葬式のために仕事を休む事になったので、家で出来そうな仕事を持ち帰ってきてたのを思い出したのだ。俺は、自分の部屋に戻りカバンから資料を取り出し見始めた。
しかし、内容が頭に入ってこない。ため息をつきながら資料を机にポンと放り出すとベッドに横になる。
「なんだかなぁ」
やはり、お袋が死んだのは俺にとってはショックな事なのか。自分ではそう思っていないが気持ちの奥底の方で悲しんでいるのか。だから、仕事に支障が出るのか。
「いや。そんなことないだろう。あのお袋がいなくなったって別に何ともない。うるさいのがいなくなっただけ」
自分の気持ちに蹴りをつけるかのように独り言を言うと、起き上がりまた資料に目を通し始めた。今度は、先程のように活字を目で追っているだけではなく頭に内容が入ってくる。
大丈夫だなと思っていた時、下の階で何か音がしたような気がした。
「なんだ?」
俺は、資料を置くと部屋から出て階段を降り始めた。
茶の間の電気はつけっぱなしなので、明かりがこちらに届いている。真っ直ぐ茶の間の方へ向かおうとした時、後ろからズズズと何かを引きずるような音がした。音がした方を振り向いたが後ろは玄関しかない。玄関近くまで歩いていき明かりを付ける。しかし、何も異常はない。一応鍵がかかっているかを確認して、電気を消し茶の間に向かった。
茶の間も異常なし。
「気のせいか」
俺は仕事の続きをするため、二階に上ろうと足を階段の一段目に乗せた時、また音がした。
今度は気のせいではなくハッキリと聞こえた。
ズズズ
玄関の方だ。さっき聞いた音と同じで何かを引きづるような音。何となく、固いものを引きづるような音だ。気味が悪くなりこのまま二階に行こうかと思ったが、分からないものをそのままにしておくのも余計気持ちが悪い。
また、玄関の方に行き電気をつける。やはり異常はない・・・・・・ん?
足元にあるお袋の骨壺が最初置いた場所から少し移動しているような気がする。帰った時に無造作に置いたのではっきりとした位置は覚えていないが、今、自分の足元にある骨壺は明らかに家の中の方にある。
「あれ?こっちに置いたかな?」
俺は骨壺を足で元の位置に戻した。一応他の場所や玄関を開け外も確認したが異常なし。気持ち悪いが、この辺りは野良猫も多く見かけるので、音の正体を無理やり猫のせいにすると二階の自分の部屋に戻った。仕事の続きをしようと机の資料を手に取りベッドに座る。
その途端、右足のふくらはぎの部分にチクンと痛みが走った。
「いて。なんだ?」
ズボンをめくり見て見るが何ともなっていない。不思議だったが、構わず仕事を続けた。
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