20 / 31
3章
3-1
「おーい!こっちの土もどうにかしてくれ!でき次第木生やすから!」
外から慌ただしい声と作業音が聞こえ、ソフォラは目を覚ました。
「ん?起きたのか。おはよう、ソフォラ」
「あ……おはよう、ヘンリー」
“おはよう”と声をかけられるのは初めてで、少し間が空いたが、きちんと返すことができた。
ヘンリーは昨日と同じように、ベッドのそばに椅子を置き、ソフォラの左手を握りながら、もう片方の手で本を読んでいる。
「もしかして……ヘンリー、寝てないの?」
自分のせいで眠れていないのではと不安になり、ソフォラは握られている手に、そっと右手を添えた。
「大丈夫だ。ソフォラが寝てから、俺も寝た」
「ベッドで?」
「……ああ」
わずかに間があり、視線を逸らしながら笑顔で答える。
「……うそ」
じとっとした目で見つめ返す。
「いや、本当に。ソフォラが寝てから、ベッドで寝た」
「どこのベッドで?」
詰め寄られ、ヘンリーの笑顔に冷や汗が滲む。
「どこのベッドで寝たの?」
むっとして問い詰めると、観念したように口を開いた。
「ソフォラのベッドの端で、突っ伏して寝た。部屋は用意されてたけど……俺が断ったんだ」
困ったように眉を下げ、それでもどこか嬉しそうに続ける。
「ソフォラの傍から離れたくなくてな。俺が好きでやったことだから、許してくれ」
心配もあるが、それ以上に胸がくすぐったくなる。
「はは、顔真っ赤だぞ。かわいいな」
「っ!そ、そんなことない!」
恥ずかしさに俯きながらも、互いの手は離れなかった。
コンコン、と扉がノックされる。
「ヘンリー、ソフォラは起きたかい?」
廊下からエバの声。
「はい。支度が終わり次第、食堂へ向かいます」
「分かった」
足音が遠ざかっていく。
「さ、着替えて食堂に行こう。腹減っただろ?」
ヘンリーは手を離し、クローゼットから服を取り出した。
「ヘンリー、僕、自分でやるから」
「いいって。ほら、手伝ってやる」
にこやかに促されるが、
「は、恥ずかしいから……自分でする……」
「あっ……」
次は二人そろって顔を赤くする。
ヘンリーは服をベッドに置き、「外で待ってる」とだけ言って部屋を出た。
ーーー
着替えて廊下に出ると、壁に寄りかかり本を読んでいるヘンリーが待っていた。
「行こうぜ」
そう言って自然にソフォラの左手を取り、エスコートする。
階段を下りて食堂へ入ると、トネリコとブラインドリー公爵エバが待っていた。
「おはよう、ヘンリー。ソフォラ」
エバが手を振る。
「おはよう」
トネリコも穏やかに声をかける。
「……おはようございます、エバ様……お父様」
トネリコは笑みを深め、隣の椅子を引いた。
座って見上げると優しく見返してくれる――が、その直後、前に座るヘンリーへ真顔を向けた。
「……なぜ息子の手を握っていた」
「婚約者ですから。何か問題でも?」
二人とも無表情。
エバが慌てて間に入る。
「まぁまぁ……」
(なんでお父様そんな顔するんだろう……ヘンリーもだけど)
使用人たちが料理を運び、どこか和やかで少し緊張した朝食が始まった。
「ソフォラ、よく眠れたかい?」
エバが優しく問う。
「はい……あの、昨日はご迷惑をおかけして――」
「お前は悪くない」
謝る前にトネリコが遮る。
「そうだよソフォラ。悪いのは全部トネリコだ」
エバも頷く。
「ちゃんと“父親”してればこうはならなかったし、ティペスの助言も無視してたんだから。つまり全部トネリコが悪い!」
「言い過ぎだ」
そう言いながらも、エバの指を掴んで軽く捻る。
「痛い痛い!やめて!」
やり取りのあと、トネリコはソフォラに向き直り、静かに頭を下げた。
「ソフォラ、本当にすまなかった」
「お、お父様!頭を上げてください!」
動かない。
「情けない父で……すまない。これからは向き合う。逃げていた」
「お父様……」
頬に手を添え、顔を上げさせる。
「僕も……怖くて逃げて、ごめんなさい」
「お前は悪くない!」
言葉が詰まり、沈黙が落ちる。
「はい、ここまで!」
エバが手を叩いた。
「湿っぽいのは終わり!……あ、ちょうどオトンナが来る頃だ。トネリコ、ちゃんと謝りなよ。私は関係ないけど」
「関係ないとはどういうことですか、エバ?」
柔らかな声だった。しかし空気が一瞬で張り詰める。
庭へ続く扉から、ブラインドリー公爵夫人オトンナがゆっくりと入ってくる。花のように優雅な笑み――だが、その瞳はまったく笑っていない。
「おはようございます。エバ、トネリコ様」
「お、おはよう、オトンナ!いい朝だね」
「……おはよう」
エバは脂汗を滲ませ、トネリコは視線を逸らしたまま答える。
「おはようございます。ソフォラ様、ヘンリー」
「おはようございます、オトンナ様」
「おはようございます、母様」
オトンナは優雅に頷くと、静かに席へ腰を下ろした。
「さて……少し状況を伺っても?」
にこやかなまま、視線だけが二人の父親へ向く。
「森を燃やした件と、無断外泊。そして“助けて”の一言だけの手紙」
にっこりと微笑む。
「どこから説明なさいます?」
エバとトネリコの肩がびくりと揺れた。
「いやその、緊急事態で――」
「緊急事態でしたのね」
即座に被せる。
「だからといって、説明を省いて良い理由にはなりませんわよね?」
逃げ道を塞ぐように、穏やかな声で言葉を重ねる。
トネリコに視線が移る。
「トネリコ様もです。感情が昂ったとはいえ、森を焼くなど……当主として、そして父親として、適切な判断だったとお思いですか?」
静かだが、鋭い。
トネリコは何も言えず、ただ唇を引き結ぶ。
「……申し開きは?」
沈黙。
オトンナは一度、ふっと小さく息をついた。
「……今回は結果的に、ソフォラ様が無事だったからよろしいものの」
にこり、と再び笑う。
「もし何かあったら――どう責任を取るおつもりでしたの?」
空気が凍る。
「エバ?」
その一言で、エバは即座に椅子を蹴り、片膝をついた。
「本当に申し訳ありませんでした!!」
深く頭を下げる。
トネリコも拳を握りしめ、視線を落としたまま言葉を絞り出す。
「……申し訳ない」
――数秒の沈黙。
やがてオトンナは、ふっと表情を緩めた。
「……反省しているようですし、今回はこれでよろしいでしょう」
そしてゆっくりと視線をソフォラへ移す。
ソフォラを見るその瞬間だけ、空気が柔らかく変わる。
「ソフォラ様」
声色も、先ほどまでとはまるで違う。
「怖い思いをなさいましたね」
優しく微笑みながら、そっと手を差し出す。
「もう大丈夫ですわ。ここには、あなたを大切に思う人しかおりません」
包み込むような言葉。
「どうか、ご自分を責めないでくださいね」
その言葉は、叱責とは正反対の温度を持っていた。
――そう言い残し、オトンナは静かに立ち上がった。
「外の様子を見てまいりますわ」
優雅に一礼し、そのまま庭へ続く扉へと向かう。
扉が開き、外の光が差し込む。
そして閉まる――
「……あっ」
エバが顔を上げた。
一瞬の間。
「お、オトンナ待ってくれ!!」
慌てて立ち上がり、扉へ駆け出す。
「さっきのは本当に反省してる!だからもう少し話を――!」
勢いよく扉を開け、そのまま外へ飛び出していった。
バタン、と扉が閉まる。
しん、と静まり返る食堂。
「……やっぱり母様は怖いな」
ヘンリーがぽつりと呟いた。
「あの、お父様」
「ん?」
「昨日のワーウルフは……?」
「ああ、護衛が世話をしている。あとで会わせよう」
トネリコはソフォラの頭を優しく撫でた。
朝食は、少しずつ穏やかに進んでいった。
外から慌ただしい声と作業音が聞こえ、ソフォラは目を覚ました。
「ん?起きたのか。おはよう、ソフォラ」
「あ……おはよう、ヘンリー」
“おはよう”と声をかけられるのは初めてで、少し間が空いたが、きちんと返すことができた。
ヘンリーは昨日と同じように、ベッドのそばに椅子を置き、ソフォラの左手を握りながら、もう片方の手で本を読んでいる。
「もしかして……ヘンリー、寝てないの?」
自分のせいで眠れていないのではと不安になり、ソフォラは握られている手に、そっと右手を添えた。
「大丈夫だ。ソフォラが寝てから、俺も寝た」
「ベッドで?」
「……ああ」
わずかに間があり、視線を逸らしながら笑顔で答える。
「……うそ」
じとっとした目で見つめ返す。
「いや、本当に。ソフォラが寝てから、ベッドで寝た」
「どこのベッドで?」
詰め寄られ、ヘンリーの笑顔に冷や汗が滲む。
「どこのベッドで寝たの?」
むっとして問い詰めると、観念したように口を開いた。
「ソフォラのベッドの端で、突っ伏して寝た。部屋は用意されてたけど……俺が断ったんだ」
困ったように眉を下げ、それでもどこか嬉しそうに続ける。
「ソフォラの傍から離れたくなくてな。俺が好きでやったことだから、許してくれ」
心配もあるが、それ以上に胸がくすぐったくなる。
「はは、顔真っ赤だぞ。かわいいな」
「っ!そ、そんなことない!」
恥ずかしさに俯きながらも、互いの手は離れなかった。
コンコン、と扉がノックされる。
「ヘンリー、ソフォラは起きたかい?」
廊下からエバの声。
「はい。支度が終わり次第、食堂へ向かいます」
「分かった」
足音が遠ざかっていく。
「さ、着替えて食堂に行こう。腹減っただろ?」
ヘンリーは手を離し、クローゼットから服を取り出した。
「ヘンリー、僕、自分でやるから」
「いいって。ほら、手伝ってやる」
にこやかに促されるが、
「は、恥ずかしいから……自分でする……」
「あっ……」
次は二人そろって顔を赤くする。
ヘンリーは服をベッドに置き、「外で待ってる」とだけ言って部屋を出た。
ーーー
着替えて廊下に出ると、壁に寄りかかり本を読んでいるヘンリーが待っていた。
「行こうぜ」
そう言って自然にソフォラの左手を取り、エスコートする。
階段を下りて食堂へ入ると、トネリコとブラインドリー公爵エバが待っていた。
「おはよう、ヘンリー。ソフォラ」
エバが手を振る。
「おはよう」
トネリコも穏やかに声をかける。
「……おはようございます、エバ様……お父様」
トネリコは笑みを深め、隣の椅子を引いた。
座って見上げると優しく見返してくれる――が、その直後、前に座るヘンリーへ真顔を向けた。
「……なぜ息子の手を握っていた」
「婚約者ですから。何か問題でも?」
二人とも無表情。
エバが慌てて間に入る。
「まぁまぁ……」
(なんでお父様そんな顔するんだろう……ヘンリーもだけど)
使用人たちが料理を運び、どこか和やかで少し緊張した朝食が始まった。
「ソフォラ、よく眠れたかい?」
エバが優しく問う。
「はい……あの、昨日はご迷惑をおかけして――」
「お前は悪くない」
謝る前にトネリコが遮る。
「そうだよソフォラ。悪いのは全部トネリコだ」
エバも頷く。
「ちゃんと“父親”してればこうはならなかったし、ティペスの助言も無視してたんだから。つまり全部トネリコが悪い!」
「言い過ぎだ」
そう言いながらも、エバの指を掴んで軽く捻る。
「痛い痛い!やめて!」
やり取りのあと、トネリコはソフォラに向き直り、静かに頭を下げた。
「ソフォラ、本当にすまなかった」
「お、お父様!頭を上げてください!」
動かない。
「情けない父で……すまない。これからは向き合う。逃げていた」
「お父様……」
頬に手を添え、顔を上げさせる。
「僕も……怖くて逃げて、ごめんなさい」
「お前は悪くない!」
言葉が詰まり、沈黙が落ちる。
「はい、ここまで!」
エバが手を叩いた。
「湿っぽいのは終わり!……あ、ちょうどオトンナが来る頃だ。トネリコ、ちゃんと謝りなよ。私は関係ないけど」
「関係ないとはどういうことですか、エバ?」
柔らかな声だった。しかし空気が一瞬で張り詰める。
庭へ続く扉から、ブラインドリー公爵夫人オトンナがゆっくりと入ってくる。花のように優雅な笑み――だが、その瞳はまったく笑っていない。
「おはようございます。エバ、トネリコ様」
「お、おはよう、オトンナ!いい朝だね」
「……おはよう」
エバは脂汗を滲ませ、トネリコは視線を逸らしたまま答える。
「おはようございます。ソフォラ様、ヘンリー」
「おはようございます、オトンナ様」
「おはようございます、母様」
オトンナは優雅に頷くと、静かに席へ腰を下ろした。
「さて……少し状況を伺っても?」
にこやかなまま、視線だけが二人の父親へ向く。
「森を燃やした件と、無断外泊。そして“助けて”の一言だけの手紙」
にっこりと微笑む。
「どこから説明なさいます?」
エバとトネリコの肩がびくりと揺れた。
「いやその、緊急事態で――」
「緊急事態でしたのね」
即座に被せる。
「だからといって、説明を省いて良い理由にはなりませんわよね?」
逃げ道を塞ぐように、穏やかな声で言葉を重ねる。
トネリコに視線が移る。
「トネリコ様もです。感情が昂ったとはいえ、森を焼くなど……当主として、そして父親として、適切な判断だったとお思いですか?」
静かだが、鋭い。
トネリコは何も言えず、ただ唇を引き結ぶ。
「……申し開きは?」
沈黙。
オトンナは一度、ふっと小さく息をついた。
「……今回は結果的に、ソフォラ様が無事だったからよろしいものの」
にこり、と再び笑う。
「もし何かあったら――どう責任を取るおつもりでしたの?」
空気が凍る。
「エバ?」
その一言で、エバは即座に椅子を蹴り、片膝をついた。
「本当に申し訳ありませんでした!!」
深く頭を下げる。
トネリコも拳を握りしめ、視線を落としたまま言葉を絞り出す。
「……申し訳ない」
――数秒の沈黙。
やがてオトンナは、ふっと表情を緩めた。
「……反省しているようですし、今回はこれでよろしいでしょう」
そしてゆっくりと視線をソフォラへ移す。
ソフォラを見るその瞬間だけ、空気が柔らかく変わる。
「ソフォラ様」
声色も、先ほどまでとはまるで違う。
「怖い思いをなさいましたね」
優しく微笑みながら、そっと手を差し出す。
「もう大丈夫ですわ。ここには、あなたを大切に思う人しかおりません」
包み込むような言葉。
「どうか、ご自分を責めないでくださいね」
その言葉は、叱責とは正反対の温度を持っていた。
――そう言い残し、オトンナは静かに立ち上がった。
「外の様子を見てまいりますわ」
優雅に一礼し、そのまま庭へ続く扉へと向かう。
扉が開き、外の光が差し込む。
そして閉まる――
「……あっ」
エバが顔を上げた。
一瞬の間。
「お、オトンナ待ってくれ!!」
慌てて立ち上がり、扉へ駆け出す。
「さっきのは本当に反省してる!だからもう少し話を――!」
勢いよく扉を開け、そのまま外へ飛び出していった。
バタン、と扉が閉まる。
しん、と静まり返る食堂。
「……やっぱり母様は怖いな」
ヘンリーがぽつりと呟いた。
「あの、お父様」
「ん?」
「昨日のワーウルフは……?」
「ああ、護衛が世話をしている。あとで会わせよう」
トネリコはソフォラの頭を優しく撫でた。
朝食は、少しずつ穏やかに進んでいった。
あなたにおすすめの小説
『悪役令嬢の汚名を着せられましたが、真実を知った皇太子殿下が離してくれません』
📕『本能寺から始める…』の、常陸之介寛浩
ファンタジー
あらすじ
公爵令嬢アリア・フォン・ルーヴェルトは、王立学園きっての才女として知られていた。
厳格な家で育ち、次期王妃候補として恥じぬよう努力を重ねてきた彼女は、婚約者である第二王子を支え、王家のために尽くすことこそ自らの務めだと信じていた。
だがある日、すべては音を立てて崩れ去る。
学園で起きたある事件をきっかけに、アリアは「平民出身の少女をいじめ抜いた悪役令嬢」として糾弾されてしまうのだ。
涙ながらに被害を訴える少女、彼女を庇う第二王子、そしてアリアを冷たい目で見下ろす貴族子弟たち。
身に覚えのない罪をいくら否定しても、誰も信じてはくれない。
やがて婚約は破棄され、社交界では悪女として名を広められ、家ですら彼女を守りきれなくなっていく。
すべてを失った――はずだった。
そんなアリアにただ一人、静かに手を差し伸べた人物がいた。
それは、冷静沈着にして完璧無比と謳われるこの国の皇太子、レオンハルト・エーヴェルシュタイン。
本来であれば、彼女とはほとんど接点のないはずの雲の上の存在。
しかし彼は、周囲が見ようとしなかった違和感を見抜き、アリアにかけられた罪があまりにも不自然であることに気づいていた。
「君は、そんな愚かなことをする人間ではない」
誰も信じてくれなかった言葉を、初めて口にしてくれた人。
レオンハルトの助力により、アリアは少しずつ真実を追い始める。
だがその過程で明かされていくのは、学園内の嫉妬や陰謀だけではなかった。
王位継承を巡る静かな思惑、貴族社会に渦巻く打算、そして“悪役令嬢”という汚名を彼女に着せた者たちの、決して表には出せない本音――。
一方で、真実に近づくほど、皇太子レオンハルトの態度は変わっていく。
最初は保護者のように距離を保っていたはずなのに、やがて彼はアリアの些細な変化に目を留め、他の男が近づくことを露骨に嫌がり、社交の場でも隠すことなく彼女を庇うようになる。
冷静で隙のないはずの皇太子殿下が、自分にだけ甘く、近く、そして少しだけ独占欲が強すぎる。
「君をこれ以上傷つける者を、私は決して許さない」
これは、悪役令嬢の汚名を着せられ、すべてを奪われた令嬢が、
自分の尊厳を取り戻し、真実を暴き、
そして真実ごと自分を受け止めてくれた皇太子殿下に、逃げ場がないほど愛されていく物語。
冤罪、婚約破棄、名誉失墜。
その先で待っていたのは、思いがけない救済と、あまりにもまっすぐで重たい執着愛だった。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
愛されたいだけなのに
まさお
BL
我儘令息だったノアは一回目の人生で最愛の人からの裏切りの末、殺される。
気がつくと人生が巻き戻っていて人生二週目が始まる。
しかしまた殺される。
何度も何度も繰り返した人生の中で自分が愛されることを諦めてしまう。
恋人なのはこの場だけ
斯波良久@出来損ないΩの猫獣人発売中
BL
従姉妹の姫ちゃんに誕生日プレゼントとしてねだられたのは幸運リボンだった。喫茶『みぇるふぇん』で恋人限定ラブラブパフェを注文した人しかもらえないというリボンはその名の通り、幸運をもたらしてくれるらしい。姫ちゃんが見せてくれたSNSの検索画面にはいくつものご利益コメントが載せられていた。てっきり姫ちゃんと行くのだとばかり思っていたのだが、二組の隼人君と行くように伝えてきて――。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
あなたの愛したご令嬢は俺なんです
久野字
BL
「愛しい令息と結ばれたい。お前の家を金銭援助するからなんとかしろ」
没落寸前の家を救うため、強制的な契約を結ばれたアディル。一年限りで自分の体が令嬢に変わる秘薬を飲まされた彼は、無事に令息と思いを通じ合わせることに成功するが……
ただのハイスペックなモブだと思ってた
はぴねこ
BL
神乃遥翔(じんの はると)は自分のことをモブだと思っていた。
少年漫画ではいつだって、平凡に見えて何か一つに秀でている人物が主人公だったから。
その点、遥翔は眉目秀麗文武両道、家も財閥の超お金持ち。
一通りのことがなんでも簡単にできる自分は夢中になれるものもなくて、きっと漫画のモブみたいに輝く主人公を引き立てるモブのように生きるのだと、そう遥翔は思っていた。
けれど、そんな遥翔に勉強を教わりに来ている葛城星 (かつらぎ ほし)は言った。
「BL漫画の中では、神乃くんみたいな人がいつだって主人公なんだよ?」
そう言って、星が貸してくれた一冊のBL漫画が遥翔の人生を一変させた。
自分にも輝ける人生を歩むことができるのかもしれないと希望を持った遥翔は、そのことを教えてくれた星に恋をする。
だけど、恋をした途端、星には思い人がいることに気づいてしまって……
眉目秀麗文武両道で完璧だけど漫画脳な遥翔が、お人好しで気弱な星の心に少しずつ少しずつ近づこうと頑張るお話です。
家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る
りーさん
ファンタジー
アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。
その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。
そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。
その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。