16 / 39
16.
しおりを挟む
「リエラ」
「あ! お父様!」
嬉しそうなシェイドのエスコートを受けた庭園の出口の先で、不機嫌そうな父と出会した。
殿下とのお話は終わったのだろう。しかし表情を見るに、思ったより良い話合いが出来なかったのだろうかと思う。
珍しいなとリエラは首を傾げた。
そういえばあれから随分時間が経っている。
(お兄様はどうしただろう? ……まあいいか)
このまま父と一緒に帰れそうだなと笑顔を向けると、何故か父の顔は複雑そうで、リエラは慌ててシェイド様を紹介した。
「あの、お父様。こちらはシェイド・ウォーカー子爵令息様です。庭園を案内して頂いておりましたの」
「……知っとるよ」
溜息混じりに口にするその返事に、シェイドの纏う空気もどことなく固い。
そう言えば自分には男性の友人もいなかったから、こういう時はどうしたらいいのか分からない。
「あの、アロット伯爵……」
躊躇いがちに声を掛けるシェイドに、父がじろりと視線を向ける。それから面白くなさそうに顔を背けた。
「私は娘の意思を尊重する」
「……!」
それだけ唸るように告げたと思いきや、アロット伯爵はシェイドからリエラを引ったくった。
「だが婚約者でもない男に娘を預ける気はない。娘と過ごす時間が欲しければ、正式な手順を踏んでから出直して来い」
「お、お父様?」
婚約?
(それは何というか……嬉しいような、気が早いような……)
困惑するリエラを他所に、シェイドは感極まったように一瞬震え、深く頭を下げた。
「はい、後日改めてお伺い致します。その時はどうぞ、よろしくお願い致します」
「!」
「ふん!」
(ちょっとお父様!)
頭を下げたままのシェイドに父は鼻を鳴らし、リエラの手を取りその場を去る。
頭を下げたままのシェイドを振り返りながら、リエラはムッと父を見上げた。
確かに供もいない状況でシェイドと二人きりになってしまったけれど……シェイドはクライド殿下の側近だし、父も兄もいなくなってしまったからじゃないか。
「そう睨まないでくれ」
唇を尖らせていると、娘の不満を横顔で受け止めた父が拗ねた口調で口を開いた。
「ですがお父様、シェイド様は何も悪くありません」
その言葉にぶすりとした顔を向け、父ははぁと溜息を吐いた。
「仕方ないだろう。いくら幸せを願ったところで……これは娘を持つ父親の正当な反応だ」
「……もう」
過保護なお父様。
内心で溜息を吐きつつも、リエラは嬉しくなる。
(でもシェイド様はまた会いに来て下さると仰られた。……私との未来を見据えた話をしに……)
『──ついてくんな!』
十歳の頃。デビュー未満の貴族の子女のお茶会で。
それはリエラにとっては初めての社交デビューの日。兄レイモンドに邪険に突き放されて、リエラは途方に暮れていた。
見渡しても知ってる顔はどこにもない。
親たちは自身の社交に精を出していた。
唯一頼りにしていた兄は、男同士の集まりに妹を連れて歩くのを恥ずかがり置いて行ってしまった。両親に妹の面倒を見るようにと言いつけられていた筈なのに。
会場にぽつんと一人取り残されて、リエラは居た堪れずに会場の端に寄った。
する事も無く一人、楽しそうな他の子たちを眺めていると不安が込み上げてくる。ここに来るまでは楽しみにしていたのに。着るのが嬉しかった筈のドレスの裾をきゅっと握りしめた。
『どうしたの?』
静かな声音にハッと息を詰める。
そっと視線を向けば気遣わしそうな眼差しとぶつかって、リエラは身じろぎした。
『あ、あの……私……』
『気分が悪いの?』
ふるふると首を横に振れば、目の前の子は優しく笑った。
『そうなの? ならそんな端っこにいないで一緒に話そう。美味しいお菓子もあるよ』
そう言って手を引いて、その子は端で蹲っていたリエラをあっさり連れ出してくれた。
『美味しい?』
『お茶もあるよ』
『これもどうぞ』
リエラはこくこくと頷いて、ただ食べるだけだったけれど。
楽しそうに笑うその子の笑顔にホッとして、嬉しくて。兄に置いて行かれた時は耐えられた涙が込み上げてきそうだった。
『もう大丈夫かな?』
お茶を飲んで一息ついて。そう問われこくりと頷けば、その子はふわりと笑顔を見せた。陽の光を受けて輝くその様に、リエラは思わず見惚れてしまった。
『あら、リエラ』
『ここにいたのね』
そしてちょうどリエラの友達が見つかって、同時にその子も他の女の子たちに囲まれた。
『あ……』
人垣に飲まれ背中すら見えなくなっていく。
優しい眼差しの、笑顔がキラキラと眩しい人。
男の子だ、と後から友人に教えて貰うまで、性別に気付かないくらい愛らしい顔立ちをしていた。服装にも気が回らなかったくらい、夢中になっていた。
(でも……)
兄やその友達のような男の子は苦手だけれど。
あの子から仲良くできるかな。
あの子と仲良くしたい。
その頃のリエラにはまだ異性を意識するような自覚はなくて。純粋に、仲良くなれる友人になりたかった。
(それなのに、いつの間にか……)
赤くなる頬を抑え、リエラはにっこりと笑った。
父に連れられながら、こちらを見送るシェイドを振り返る。
その時は──シェイドが来る時は言わなくてはならない。
私もずっと、目を逸らせないくらいあなたを好きだったのだ、と。
◇
半年後、王家が所有する聖堂の一つで、身内だけのささやかな婚約式が開かれた。
そこに第三王子であるクライドと、その婚約者であるアリサ・ミレイ侯爵令嬢が列席してあったとあり、彼らの婚約は注目されるものとなった。
アリサはびしりと姿勢が良く、初対面でもスパスパものを言う令嬢だが、不思議とリエラに向けられる眼差しは優しいものだった。
「リエラ、とっても綺麗だ」
幸せそうに顔を蕩かせて、シェイドはリエラの腰を引き寄せた。
「シェイド様も、とっても素敵です」
嬉しそうに笑いかけるシェイドの身なりからは野暮ったさが抜け、輝くような容姿は聖堂で際立っていた。
伊達眼鏡のシェイドに慣れてしまったリエラには思うところがあったのだが、シェイドは譲らなかった。
『誰にもつけいる隙を与えたくないんだ。もし完璧無比な相手が現れたとしても、絶対に君に選んで貰えるように努力するけれど』
嬉しくて恥ずかしくて、自分もシェイドの隣に立つに相応しい人になりたいと、苦手だった社交を頑張ろうと意気込んだのだが、程々でいいと複雑な顔をされた。
「社交に出たら、君は注目されてしまうだろう? それは嫌なんだ……」
「……シェイド様ったら」
自分たちは何て似た物同士なんだろうと笑ってしまう。
一番好きだから、一番不安で……
「あなたにの隣に、堂々と立ちたいのです。私もあなたを愛しているから」
そうして真っ赤になったシェイドの頬に唇を寄せた。
背中にシェイドの腕が周り、ギュっと抱きしめられた。
「もうこのまま永遠の愛を誓ってしまおうか……」
縋るような声に笑い、リエラもシェイドの腰に腕を回す。
「駄目です。半年後に素敵な式を挙げるのを楽しみにしているんですから」
「はあ。そうだな……今から既にお義父上が不機嫌そうだ……」
列席者の中にシェイドの両親はなく、彼の弟が婚約者と共に参列していた。
リエラは婚約を結ぶ際に一度だけ彼の両親に会った。
息子をダシに楽をする事だけを考えるような人たちで、シェイドが会う必要はないと何度も拒んだ理由が理解できた。
それと同時に彼の幼少期のやるせなさを改めて垣間見てしまい、その日リエラはシェイドを長い時間抱きしめた。
『あなたは凄いわ。自分の信念を曲げず、大事な一部を切り捨てた。そんな事、誰でもできる事じゃない』
親に逆らえない人なんて沢山いるし、ただ楽な道を選ぶ人だっている。
ウォーカー子爵家で、子供だったシェイドは自分を守るのがやっとだったのではないかと思うと、リエラは胸が詰まって苦しかった。
家族になるからと会いに行ったが、その次はもう無かった。そしてシェイドは両親の列席を拒んだ。事実上の絶縁宣言。
やがて第三王子の側近であるシェイドとの仲違いにより、彼らは王都にはいられなくなり、領地へ逃げるように去って行った。
せめてもの救いはシェイドと弟の関係が良好な事だ。次期ウォーカー子爵領は、きっと安定基盤のもと栄えていける事だろう。
きっと大丈夫。
だから……
「早く君と結婚したい」
「はい、私もです」
両手を繋ぎ、神父の向かいに二人並び立ち。
お互いの気持ちに喜び照れながら、婚約式の宣誓を告げた。
※ おしまい
お付き合い頂きありがとうございました^_^
※ 書くのを忘れていた小ネタ
アリサは普段眼鏡を掛けているのですが、夜会のような公の場では外すようにしています。
エスコート必須な状況がクライドはたまらんらしいです。
…………最終話に書く話だったかなとは思いましたが……(^^;
「あ! お父様!」
嬉しそうなシェイドのエスコートを受けた庭園の出口の先で、不機嫌そうな父と出会した。
殿下とのお話は終わったのだろう。しかし表情を見るに、思ったより良い話合いが出来なかったのだろうかと思う。
珍しいなとリエラは首を傾げた。
そういえばあれから随分時間が経っている。
(お兄様はどうしただろう? ……まあいいか)
このまま父と一緒に帰れそうだなと笑顔を向けると、何故か父の顔は複雑そうで、リエラは慌ててシェイド様を紹介した。
「あの、お父様。こちらはシェイド・ウォーカー子爵令息様です。庭園を案内して頂いておりましたの」
「……知っとるよ」
溜息混じりに口にするその返事に、シェイドの纏う空気もどことなく固い。
そう言えば自分には男性の友人もいなかったから、こういう時はどうしたらいいのか分からない。
「あの、アロット伯爵……」
躊躇いがちに声を掛けるシェイドに、父がじろりと視線を向ける。それから面白くなさそうに顔を背けた。
「私は娘の意思を尊重する」
「……!」
それだけ唸るように告げたと思いきや、アロット伯爵はシェイドからリエラを引ったくった。
「だが婚約者でもない男に娘を預ける気はない。娘と過ごす時間が欲しければ、正式な手順を踏んでから出直して来い」
「お、お父様?」
婚約?
(それは何というか……嬉しいような、気が早いような……)
困惑するリエラを他所に、シェイドは感極まったように一瞬震え、深く頭を下げた。
「はい、後日改めてお伺い致します。その時はどうぞ、よろしくお願い致します」
「!」
「ふん!」
(ちょっとお父様!)
頭を下げたままのシェイドに父は鼻を鳴らし、リエラの手を取りその場を去る。
頭を下げたままのシェイドを振り返りながら、リエラはムッと父を見上げた。
確かに供もいない状況でシェイドと二人きりになってしまったけれど……シェイドはクライド殿下の側近だし、父も兄もいなくなってしまったからじゃないか。
「そう睨まないでくれ」
唇を尖らせていると、娘の不満を横顔で受け止めた父が拗ねた口調で口を開いた。
「ですがお父様、シェイド様は何も悪くありません」
その言葉にぶすりとした顔を向け、父ははぁと溜息を吐いた。
「仕方ないだろう。いくら幸せを願ったところで……これは娘を持つ父親の正当な反応だ」
「……もう」
過保護なお父様。
内心で溜息を吐きつつも、リエラは嬉しくなる。
(でもシェイド様はまた会いに来て下さると仰られた。……私との未来を見据えた話をしに……)
『──ついてくんな!』
十歳の頃。デビュー未満の貴族の子女のお茶会で。
それはリエラにとっては初めての社交デビューの日。兄レイモンドに邪険に突き放されて、リエラは途方に暮れていた。
見渡しても知ってる顔はどこにもない。
親たちは自身の社交に精を出していた。
唯一頼りにしていた兄は、男同士の集まりに妹を連れて歩くのを恥ずかがり置いて行ってしまった。両親に妹の面倒を見るようにと言いつけられていた筈なのに。
会場にぽつんと一人取り残されて、リエラは居た堪れずに会場の端に寄った。
する事も無く一人、楽しそうな他の子たちを眺めていると不安が込み上げてくる。ここに来るまでは楽しみにしていたのに。着るのが嬉しかった筈のドレスの裾をきゅっと握りしめた。
『どうしたの?』
静かな声音にハッと息を詰める。
そっと視線を向けば気遣わしそうな眼差しとぶつかって、リエラは身じろぎした。
『あ、あの……私……』
『気分が悪いの?』
ふるふると首を横に振れば、目の前の子は優しく笑った。
『そうなの? ならそんな端っこにいないで一緒に話そう。美味しいお菓子もあるよ』
そう言って手を引いて、その子は端で蹲っていたリエラをあっさり連れ出してくれた。
『美味しい?』
『お茶もあるよ』
『これもどうぞ』
リエラはこくこくと頷いて、ただ食べるだけだったけれど。
楽しそうに笑うその子の笑顔にホッとして、嬉しくて。兄に置いて行かれた時は耐えられた涙が込み上げてきそうだった。
『もう大丈夫かな?』
お茶を飲んで一息ついて。そう問われこくりと頷けば、その子はふわりと笑顔を見せた。陽の光を受けて輝くその様に、リエラは思わず見惚れてしまった。
『あら、リエラ』
『ここにいたのね』
そしてちょうどリエラの友達が見つかって、同時にその子も他の女の子たちに囲まれた。
『あ……』
人垣に飲まれ背中すら見えなくなっていく。
優しい眼差しの、笑顔がキラキラと眩しい人。
男の子だ、と後から友人に教えて貰うまで、性別に気付かないくらい愛らしい顔立ちをしていた。服装にも気が回らなかったくらい、夢中になっていた。
(でも……)
兄やその友達のような男の子は苦手だけれど。
あの子から仲良くできるかな。
あの子と仲良くしたい。
その頃のリエラにはまだ異性を意識するような自覚はなくて。純粋に、仲良くなれる友人になりたかった。
(それなのに、いつの間にか……)
赤くなる頬を抑え、リエラはにっこりと笑った。
父に連れられながら、こちらを見送るシェイドを振り返る。
その時は──シェイドが来る時は言わなくてはならない。
私もずっと、目を逸らせないくらいあなたを好きだったのだ、と。
◇
半年後、王家が所有する聖堂の一つで、身内だけのささやかな婚約式が開かれた。
そこに第三王子であるクライドと、その婚約者であるアリサ・ミレイ侯爵令嬢が列席してあったとあり、彼らの婚約は注目されるものとなった。
アリサはびしりと姿勢が良く、初対面でもスパスパものを言う令嬢だが、不思議とリエラに向けられる眼差しは優しいものだった。
「リエラ、とっても綺麗だ」
幸せそうに顔を蕩かせて、シェイドはリエラの腰を引き寄せた。
「シェイド様も、とっても素敵です」
嬉しそうに笑いかけるシェイドの身なりからは野暮ったさが抜け、輝くような容姿は聖堂で際立っていた。
伊達眼鏡のシェイドに慣れてしまったリエラには思うところがあったのだが、シェイドは譲らなかった。
『誰にもつけいる隙を与えたくないんだ。もし完璧無比な相手が現れたとしても、絶対に君に選んで貰えるように努力するけれど』
嬉しくて恥ずかしくて、自分もシェイドの隣に立つに相応しい人になりたいと、苦手だった社交を頑張ろうと意気込んだのだが、程々でいいと複雑な顔をされた。
「社交に出たら、君は注目されてしまうだろう? それは嫌なんだ……」
「……シェイド様ったら」
自分たちは何て似た物同士なんだろうと笑ってしまう。
一番好きだから、一番不安で……
「あなたにの隣に、堂々と立ちたいのです。私もあなたを愛しているから」
そうして真っ赤になったシェイドの頬に唇を寄せた。
背中にシェイドの腕が周り、ギュっと抱きしめられた。
「もうこのまま永遠の愛を誓ってしまおうか……」
縋るような声に笑い、リエラもシェイドの腰に腕を回す。
「駄目です。半年後に素敵な式を挙げるのを楽しみにしているんですから」
「はあ。そうだな……今から既にお義父上が不機嫌そうだ……」
列席者の中にシェイドの両親はなく、彼の弟が婚約者と共に参列していた。
リエラは婚約を結ぶ際に一度だけ彼の両親に会った。
息子をダシに楽をする事だけを考えるような人たちで、シェイドが会う必要はないと何度も拒んだ理由が理解できた。
それと同時に彼の幼少期のやるせなさを改めて垣間見てしまい、その日リエラはシェイドを長い時間抱きしめた。
『あなたは凄いわ。自分の信念を曲げず、大事な一部を切り捨てた。そんな事、誰でもできる事じゃない』
親に逆らえない人なんて沢山いるし、ただ楽な道を選ぶ人だっている。
ウォーカー子爵家で、子供だったシェイドは自分を守るのがやっとだったのではないかと思うと、リエラは胸が詰まって苦しかった。
家族になるからと会いに行ったが、その次はもう無かった。そしてシェイドは両親の列席を拒んだ。事実上の絶縁宣言。
やがて第三王子の側近であるシェイドとの仲違いにより、彼らは王都にはいられなくなり、領地へ逃げるように去って行った。
せめてもの救いはシェイドと弟の関係が良好な事だ。次期ウォーカー子爵領は、きっと安定基盤のもと栄えていける事だろう。
きっと大丈夫。
だから……
「早く君と結婚したい」
「はい、私もです」
両手を繋ぎ、神父の向かいに二人並び立ち。
お互いの気持ちに喜び照れながら、婚約式の宣誓を告げた。
※ おしまい
お付き合い頂きありがとうございました^_^
※ 書くのを忘れていた小ネタ
アリサは普段眼鏡を掛けているのですが、夜会のような公の場では外すようにしています。
エスコート必須な状況がクライドはたまらんらしいです。
…………最終話に書く話だったかなとは思いましたが……(^^;
454
あなたにおすすめの小説
新婚初夜に『白い結婚にしてほしい』と言われたので論理的に詰めたら夫が泣きました
ささい
恋愛
「愛人がいるから、白い結婚にしてほしい」
政略結婚の初夜にそう告げた夫ルーファス。
妻カレンの反応は——
「それ、契約不履行ですよね?」
「あなたの感情論、論理的に破綻してますよ?」
泣き落としは通じない。
そして初夜の翌朝、夫は泣いていた。
逃げ道は全部塞がれ、気づけば毎日論破されていた。
これは、論破され続けた夫がなぜか幸せになる話。
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
君を愛せないと言われたので、夫が忘れた初恋令嬢を探します
狭山ひびき
恋愛
「すまない。心の中に別の女性への気持ちを残して君と夫婦にはなれない。本当に、すまない」
アナスタージアは、結婚式の当日、夫婦の寝室にやって来た夫クリフに沈痛そうな顔でそう言われた。
クリフは数日前から一部の記憶を失っており、彼が言うには、初恋の女性がいたことは覚えているのだがその女性の顔を思い出せないという。
しかし思い出せなくとも初恋の女性がいたのは事実で、いまだにその彼女に焦がれている自分は
そんな気持ちを抱えてアナスタージアと夫婦生活をおくることはできないと、生真面目な彼は考えたようだ。
ずっと好きだったアナスタージアはショックを受けるが、この結婚は昨年他界した前王陛下がまとめた縁。
財政難の国に多大なる寄付をした功績として、甥であるクリフとアナスタージアの結婚を決めたもので、彼の意思は無視されていた。
アナスタージアははじめてクリフを見たときから彼に恋をしていたが、一方的な想いは彼を苦しめるだけだろう。
それならば、彼の初恋の女性を探して、自分は潔く身を引こう――
何故なら成金の新興貴族である伯爵家出身の自分が、前王の甥で現王の従弟であるクリフ・ラザフォード公爵につりあうはずがないのだから。
「クリフ様のお気持ちはよく理解しました。王命でわたしとの結婚が決まってさぞおつらかったでしょう。だから大丈夫です。安心してください。わたしとの夫婦生活は、仮初で問題ございません! すぐに離縁とはいかないでしょうが、いずれクリフ様を自由にしてさしあげますので、今しばらくお待ちくださいませ!」
傷む胸を押さえて、アナスタージアは笑う。
大丈夫。はじめから、クリフが自分のものになるなんて思っていない。
仮初夫婦としてわずかな間だけでも一緒にいられるだけで、充分に幸せだ。
(待っていてくださいね、クリフ様。必ず初恋の女性を探して差し上げますから)
果たして、クリフの初恋の女性は誰でどこに住んでいるのか。
アナスタージアは夫の幸せのため、傷つきながらも、彼の初恋の女性を探しはじめて……
誰も愛してくれないと言ったのは、あなたでしょう?〜冷徹家臣と偽りの妻契約〜
山田空
恋愛
王国有数の名家に生まれたエルナは、
幼い頃から“家の役目”を果たすためだけに生きてきた。
父に褒められたことは一度もなく、
婚約者には「君に愛情などない」と言われ、
社交界では「冷たい令嬢」と噂され続けた。
——ある夜。
唯一の味方だった侍女が「あなたのせいで」と呟いて去っていく。
心が折れかけていたその時、
父の側近であり冷徹で有名な青年・レオンが
淡々と告げた。
「エルナ様、家を出ましょう。
あなたはもう、これ以上傷つく必要がない」
突然の“駆け落ち”に見える提案。
だがその実態は——
『他家からの縁談に対抗するための“偽装夫婦契約”。
期間は一年、互いに干渉しないこと』
はずだった。
しかし共に暮らし始めてすぐ、
レオンの態度は“契約の冷たさ”とは程遠くなる。
「……触れていいですか」
「無理をしないで。泣きたいなら泣きなさい」
「あなたを愛さないなど、できるはずがない」
彼の優しさは偽りか、それとも——。
一年後、契約の終わりが迫る頃、
エルナの前に姿を見せたのは
かつて彼女を切り捨てた婚約者だった。
「戻ってきてくれ。
本当に愛していたのは……君だ」
愛を知らずに生きてきた令嬢が人生で初めて“選ぶ”物語。
【完結】愛してました、たぶん
たろ
恋愛
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
私を簡単に捨てられるとでも?―君が望んでも、離さない―
喜雨と悲雨
恋愛
私の名前はミラン。街でしがない薬師をしている。
そして恋人は、王宮騎士団長のルイスだった。
二年前、彼は魔物討伐に向けて遠征に出発。
最初は手紙も返ってきていたのに、
いつからか音信不通に。
あんなにうっとうしいほど構ってきた男が――
なぜ突然、私を無視するの?
不安を抱えながらも待ち続けた私の前に、
突然ルイスが帰還した。
ボロボロの身体。
そして隣には――見知らぬ女。
勝ち誇ったように彼の隣に立つその女を見て、
私の中で何かが壊れた。
混乱、絶望、そして……再起。
すがりつく女は、みっともないだけ。
私は、潔く身を引くと決めた――つもりだったのに。
「私を簡単に捨てられるとでも?
――君が望んでも、離さない」
呪いを自ら解き放ち、
彼は再び、執着の目で私を見つめてきた。
すれ違い、誤解、呪い、執着、
そして狂おしいほどの愛――
二人の恋のゆくえは、誰にもわからない。
過去に書いた作品を修正しました。再投稿です。
【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!
こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。
そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。
婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。
・・・だったら、婚約解消すれば良くない?
それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。
結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。
「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」
これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。
そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。
※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。
※本編完結しました。
【完】婚約者に、気になる子ができたと言い渡されましたがお好きにどうぞ
さこの
恋愛
私の婚約者ユリシーズ様は、お互いの事を知らないと愛は芽生えないと言った。
そもそもあなたは私のことを何にも知らないでしょうに……。
二十話ほどのお話です。
ゆる設定の完結保証(執筆済)です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/08/08
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる