【完結】回帰した自称ヒロインから、あなたの婚約者は私の運命の相手だから今すぐ別れなさいと迫られた件について

藍生蕗

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「──と、いう事らしいのです」

 ミランダはセシリアの話を出来るだけ簡潔にフィリップに告げた。
 フィリップは一拍置いた後、ミランダを真っ直ぐ見つめた。

「分かった」
「え、信じるのですか?」
 瞠目するイーサンに対し、フィリップは小さく頷いた。
「ミランダと別れるなんて考えられないから、そんな話は聞きたく無いけれど。万が一起こったら回避しないといけない未来だから。それに……」

 テーブルの上に置かれたものをチラリと見て、フィリップは頷いた。
 そこには本人曰く、セシリアが回帰した証拠が置いてある。
 ミランダも半信半疑であったが、それをフィリップも支持するとなれば心強く思う。

「……そんな……フィリップ様」
 一方呆然とするセシリアを、フィリップは何の感情も表さないまま真っ直ぐに振り返った。
「僕は君を未来永劫愛する事はない。……いや、君だけじゃなくて、ミランダ以外は考えられない」
 ショックを受けながらも落ちていた顎を戻すセシリアに、フィリップは小さく頭を下げた。

「すまない」
 フィリップの動作にセシリアは一瞬大きく目を見開いた。
「……っふん! い、いいわよ! 別に!」
 泣きそうな顔でそう叫んび、ぐいっと袖口で顔を拭う。ミランダはその意地らしさに傍に寄ろうと近付くも、フィリップに手を取られた。

「この子の事は後だ」
「……フィリップ様」
 瞳を揺らすミランダに対し、フィリップは全く動じていないようだ。

「解決策を考える」
 そう言われミランダも頭を巡らせた。
「……あの、でも。例えば式を一ヵ月も早めるとかですか? ……でも招待状は既に発送済みですし、難しいですよ?」
 首を傾げるミランダにフィリップは珍しく口の端を上げて、小さな笑みを作った。
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