それは、あまりにも、唐突で、非凡で、日常だった

紫くらげ

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彼女side
目が覚めると、知らない部屋
此処は何処だろうと、辺りを見渡すと、複数の男女が居た。
私が辺りをきょろきょろと見回していると
「おい、どうしたんだよ」
と、男性が話しかけてきた
「貴方は、誰?」
そう言うと、彼は顔を歪ませた
何か知っているらしい
「ねぇ、何が起きているの?教えてくれない?」
そう言っても、彼はだんまりと、沈黙したまま俯いている
「此処は、処刑所だ」
ふと、彼が呟いた
「処刑…所?」
「嗚呼、この空間に居る奴らを見てみろ」
私は再度見渡してみる。皆、目が虚ろで、生気がない様子だ。
「え、どういうこと?処刑所って、え?」
困惑している私に、彼は言った
「あまり呼吸をするな、空気中に毒が入ってんだ。あれを見ろ」
そう、指された方向を見ると身体の関節が変な風に曲がって、苦痛に悶え苦しんだ女性の姿があった。
「ひっ!!」
そのおぞましさに、私は驚き飛びのく。
すると、手にこつん、と何かが当たった
あの古びた本だ。背表紙の色は違うが、大抵同じような物だろう
彼は、不思議そうに言った
「あー、それ、皆見てみたんだけど、誰も読める奴が居なくてよ」
「読める人が…居ない?」
「そう、何か文字が吐き気を催すぐらい気味悪ぃんだ」
私もそうなってしまうのだろうか…あの死体の様に…
そう考え、何か脱出方法は…と、視線をあちらこちらに向けていると、床に一部だけ捲れ上がっているところを発見した
彼に、手伝ってもらうしか…
私は、傍にあった鉄の棒を隙間に挟み込んだ
「お願い、此処から出よう。手助けして」
私は彼に言ったが、彼は諦めたように
「そう言って、出られた奴一人も居ないんだぜ」
と、生に最早執着していない様だった
自分で試すしか、と鉄の棒でこじ開けようとするも、開かない
何度も、何度も、何度も、毒のせいか、頭に靄がかかったかのように思考が定まらない
でも、出なくちゃ。帰らなくちゃ。
そう、必死に何度も何度も抉じ開けようとする私を見て、彼が立ち上がった
「仕方ねぇな。少しだけ、付き合ってやる。出られなくて絶望するんじゃねぇぞ」
そう言うと、彼が鉄の棒を押し上げる。
床がメキメキと音を鳴らして外れていく。
床が完全に外れると、そこには地下への階段があった
彼も、これには驚いたようで、目をまん丸にして驚いていた
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