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一章 一節 「行方不明」
1-1-8「行方不明・顛末」
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リムと別れすぐに覚醒が始まるかと思いきや、それはまだ意識を漂っていた。
恐らく強い衝撃を処理するために、我々が予想していたよりも時間がかかっているらしい。
何もない空間を歩いていた。
時折思い出すのが、自分を鼓舞した声の持ち主。
あれが自分の記憶であると断定はできない。
しかしリムが言うように、あの声の持ち主を見つけだすことが出来れば自分が何者であるのか分かるかもしれない。
そんなことを考えていると、五感が再び覚醒し始める。
再起動が始まるのだろう。
「目的ができた」
返事などは無いが、自分を鼓舞するには十分だった。
再起動を始めます。
やかましい音が脳内に響き渡る。
記憶の同期に失敗しました。
メモリの破損を確認。
命令が達成されています。
待機状態に移行しました。
要請が受理されました。
突然、明るい光が網膜を襲った。
受け止めきれない情報が、受容できずに流れていく。
再起動が完了した。またこの世界へ戻ってきた。
薄目をゆっくりと開くと、そこは屋内だった。
そして、別の場所だった。
物が散らばったコンクリート製の一室。
規則的に動くシーリングファンが目に飛び込んでくる。
「お、覚醒した」
音の方向へ目線を向けると、そこには見知らぬ誰かがいた。
こちらに注意を向け、今にも椅子から立ち上がろうとしている。
灰色の瞳と灰色の髪色、すぐに伸び切りそうな前髪がその人物を物語っていた。
真っ黒なYシャツを灰色や黒や青や赤に汚した人物が、横たわるそれに歩いて近づき、台に手をつく。
「改めて、ようこそシキさん。私はジオン。あなたのリーダーがお待ちですよ」
それは、――シキは、見知らぬ者、見知らぬ場所に頭を悩ませていた。
一章一節 行方不明
了
恐らく強い衝撃を処理するために、我々が予想していたよりも時間がかかっているらしい。
何もない空間を歩いていた。
時折思い出すのが、自分を鼓舞した声の持ち主。
あれが自分の記憶であると断定はできない。
しかしリムが言うように、あの声の持ち主を見つけだすことが出来れば自分が何者であるのか分かるかもしれない。
そんなことを考えていると、五感が再び覚醒し始める。
再起動が始まるのだろう。
「目的ができた」
返事などは無いが、自分を鼓舞するには十分だった。
再起動を始めます。
やかましい音が脳内に響き渡る。
記憶の同期に失敗しました。
メモリの破損を確認。
命令が達成されています。
待機状態に移行しました。
要請が受理されました。
突然、明るい光が網膜を襲った。
受け止めきれない情報が、受容できずに流れていく。
再起動が完了した。またこの世界へ戻ってきた。
薄目をゆっくりと開くと、そこは屋内だった。
そして、別の場所だった。
物が散らばったコンクリート製の一室。
規則的に動くシーリングファンが目に飛び込んでくる。
「お、覚醒した」
音の方向へ目線を向けると、そこには見知らぬ誰かがいた。
こちらに注意を向け、今にも椅子から立ち上がろうとしている。
灰色の瞳と灰色の髪色、すぐに伸び切りそうな前髪がその人物を物語っていた。
真っ黒なYシャツを灰色や黒や青や赤に汚した人物が、横たわるそれに歩いて近づき、台に手をつく。
「改めて、ようこそシキさん。私はジオン。あなたのリーダーがお待ちですよ」
それは、――シキは、見知らぬ者、見知らぬ場所に頭を悩ませていた。
一章一節 行方不明
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