異世界ツアーしませんか？

０２６ 異世界ツアー３日目です ５

　ここはコテージの中です。自宅兼宿泊施設です。

　この場所からは、森と湖を見渡すことができます。
　
　今わたしは、昼食の用意をしています。
　用意と言ってもアイテムボックスから出すだけです。
　
　昼食のメニューは、カザフスタン料理です。
　サムサ、ベシュバルマクの二品です。
　
サムサ
　この料理は中央アジアの国々で食べられています。
　パン生地の中に、肉・野菜・芋・豆などを入れて、焼いたり、揚げる料理です。
　今回わたしが作ったものは、パイ生地の中に肉と野菜を詰めて焼いたものです。

ベシュバルマク
　この料理も中央アジアで食べられています。
　基本的に麺と肉を茹でた料理ですがたくさんのレシピがあるそうです。
　今回わたしが作ったものは、ワンタンのような麺と肉と野菜を茹でてスープにしました。

　　　　　＊

　皆さんコテージ探検から戻り、ダイニングに集まってきました。

アンナ「昼食の用意ができました」

秋恵　「お腹すいたー」
美波　「いい匂い」

　皆さん、席に着きました。

アンナ「さあ食べましょう・・・いただきます」
四人　「いただきます」

　ぱくぱく・・・

四人　「美味しい」

　わたしは、料理の説明をしました。
　皆さんは食べながら、わたしの話を聞いています。

　　　　　＊

秋恵　「中央アジアの料理ね」
令奈　「なんか無国籍な感じだよね」
菜々子「西洋のような、中華のような・・・」
美波　「でも、日本人の味覚に合うと思う」

　　　　　＊

令奈　「ところでアンナさん」
アンナ「はい。」
令奈　「このコテージ、広すぎない？」
アンナ「日本の常識を基準にしてはいけませんよ。
　　　　ここは異世界なんですから。」
令奈　「そうだけど。こんな立派なコテージがあるんだから
　　　　宿に泊まる必要ないのに」
アンナ「令奈さん、このコテージにノエルちゃんはいませんよ」
四人　『はっ！　確かに』（無言）
秋恵　「ノエルちゃんがいない宿は、肉なしの牛丼と同じ。」
四人　「 wwww 」


アンナ「ここは、宿でトラブルが起きた時や、
　　　　悪天候でキャンプできない時に使う予定です。
　　　　異世界に来たら、街の宿に泊まり、
　　　　大自然の中でキャンプをする。
　　　　それが異世界ツアーの醍醐味です」

令奈　「言われてみれば、そうよね」
菜々子「あの宿に泊まったから、ノエルちゃんにに会えたわけだし」
美波　「大きなテントも快適だった」

　どうやら皆さん納得したようです。

　　　　　＊

　皆さん、昼食が食べ終わりました。

私たち「ごちそうさまでした。」

　わたしは、食器を魔法で片付けました。

令奈　「これから魔物を見に行くんでしょ」
アンナ「はい・・・その前にこれを渡しておきます。」

　わたしはアイテムボックスから３個の双眼鏡を出しました。
　双眼鏡１個では足りないと感じたので、昨晩お取り寄せ（召喚）しました。
　皆さんに双眼鏡を配ります。

アンナ「この双眼鏡を使ってください」


　私たちは魔物を見に行くため、コテージから外に出ました。
　
美波　「アンナさん、写真撮って」
アンナ「はい」

　わたしはコテージをバックに、皆さんの集合写真を撮ります。
　そして反対側、森と湖をバックにした集合写真も撮りました。コテージは収納します。

アンナ「これから魔法で転移します。
　　　　いいですか・・・行きますよ」

　わたしは千里眼で転移先を確認して・・・

アンナ「転移」


＊　　　　＊　　　　＊


　私たちは、森に近い湖畔に転移しました。水辺にはアヤメに似た紫色の花が群生しています。

四人　「うわー」
令奈　「きれい」
菜々子「景色が映り込んで、鏡みたいね」

　当然、写真を撮りました。

美波　「これから魔物を見に行くんだよね」
秋恵　「ワクワクするね」



　これから魔物を見るため、森の中に向かいます。