異世界ツアーしませんか?

ゑゐる

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036 リューキの街です

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 ここはグンマー帝国の南部、リューキの街です。

 わたしは市場にやって来ました。食材を見て回ります。
 
 購入したものは、豆類・ナッツ類・香辛料・砂糖・ココヤシ・トウモロコシなどです。
 
 ちなみに、カレーに必要な香辛料はすべてそろいました。
 しかしカレーを作る気はありません。
 カレーは日本人が普段食べている料理です。異世界ツアーには必要ありません。 

     *

 市場でキャッサバを見つけました。
 キャッサバは、あまり日本になじみのない食材ですが、タピオカの原材料になっているものです。
 鑑定魔法で毒の無い品種であることがわかりました。
 地球のキャッサバは有毒の品種が多いそうです。そのため、毒抜きに大変手間がかかると聞いたことがあります。
 これは、調理する際に手間が省けて助かります。

     *

 それから米を見つけました。インディカ米です。
 日本人転移者であれば、がっかりするところです。
 しかし、わたしにとっては嬉しいことです。インディカ米は、調理法がたくさんあります。

     *

 わたしは、売っているカカオを見つけました。情報がほしいので、1個買います。

アンナ「カカオの種でお菓子が作れるはずですが、何かご存知ですか?
    名前はチョコレート、ショコラ、他の名前かもしれません」
店員 「種で作る菓子? 聞いたことねえなあ。
    カカオは白い果肉を食うんだ。種は食わねえな」
アンナ「食べた後、種はどうするんですか?」
店員 「種は食えないから処分するさ」
アンナ「捨てるんですか?」
店員 「ああ、そう言うこった。種を捨てるから、
    街の近くや街の中にもカカオの木が生えるんだ」

 チョコレートの原材料は捨ててしまうそうです。

 ゴロロ・・・ゴロゴロ・・・ゴロロ・・・

 空が暗くなってきました。

 ピカッ・・・ドーン!

 近くに雷が落ちました。

 ザー・・・
 ザー・・・
 ザー・・・

 突然の大雨です。

 わたしは結界を張っているので、雨に濡れたりはしません。

 ポロロ、ポロロ、ポロロ・・・
 電話です。

ローラ「どういうことなの。なんでチョコレートの原材料を捨てるの。
    もう信じられない」
アンナ「わたしに言われても困ります」
ローラ「ちょっと、こっちに来て」

 わたしは天界に召喚されました。


*    *    *


ローラ「どうしてカカオの種を捨てるのかしら」
アンナ「お菓子が作れることを知らないからです」
ローラ「私もカカオを食べたことはあるわ。
    白いところは、甘くておいしかったわ」
アンナ「そのとき、種はどうしたんですか?」
ローラ「・・・・・・」
アンナ「捨てたんですね」
ローラ「・・・だって知らなかったんだもの」
アンナ「街の人と同じです」
ローラ「ねえお願い、チョコレートを作ってほしいの」
アンナ「ここで、ですか。」

 ローラは小さくうなずきます。

 チョコレートなんて作ったことありません。
 わたしにうまく作れるでしょうか。作り方はインターネットで調べましょう。
 あとは魔法でなんとかするしかありません。
 必要な道具は魔法で作るか、ローラに作ってもらいましょう。

アンナ「わかりました。やってみます」
ローラ「ありがとう」
アンナ「ただし、うまく出来るか、わかりませんよ」
ローラ「ええ、いいわ」



 チョコレートを作ることになりました。
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