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1章 始まり

作戦会議

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 王国派の貴族達はノーマンに連れられて言われていた陣地に到着した。

 野営の準備の指示と簡易会議室をすぐに作るように命令を出した。

 10分程度待つと会議室の設置が完了したとの報告があったため、ほかの貴族を呼びすぐにこれからの対策を話し始める。

「ペネシット子爵に会うのは随分と久しいのう。最近はどうだった?」

「ハルン伯爵。お久しぶりでございます。最近は私の妻が子供を産んだので一安心している所でございます」

「そうか。それは良かった。その子のお披露目会する時は呼んでくれると嬉しいのう」

「ハルン伯爵が良ければ呼ばさせていただきます。他の話などはあとにして先に作戦の内容を話させていただいても?」

「そうだな。まずは生きて帰らんと何も始まらんわ」

ノーマンは自分の息子について探られ無いように、すぐに作戦内容を話していいかと持ちかけた。

「では話しをさせていただきます。まずここにいる人達の部隊数を先程聞いたところ合わせて1000人弱。それに対して魔族が100以上。このままでは私達は負けます。」

 負けると言った瞬間場が凍りつきハルン伯爵以外のの貴族は馬鹿にされたと怒った。

 むしろハルン伯爵はそうだろうなと思っていた。

「いくら同じ国王派だからと言って私達の兵士が弱いと侮辱するとはどういう事だ!!」

「サハン子爵の言う通り!貴族派の連中はあんなふざけた部隊だから負けると思うが私たちは熟練の私兵であるぞ!負けるはずあるまい!」

 そう言ってサハン子爵とパプル男爵は謝罪と先程ペネシット子爵が言った発言の撤回を求めた。

 だが、ハルン伯爵がペネシット子爵の方に見方をした。

「ワシも今回はペネシット子爵に同感じゃな」

「「ハルン伯爵!」」

「よく考えてみよ。魔族の群れを偵察したのは誰じゃ?マルセイ辺境伯爵じゃぞ。信用などできんわ。倍はいると思った方がよい。200じゃ。」

「ハルン伯爵のおっしゃる通りです。1体に付き安定して倒すなら下級魔族でも5人。それだけでも1000の兵士が必要。更に中級や上級魔族がいないなどありえない。」

 よく考えれば分かることなのだが、サハン子爵とパプル男爵は貴族派との揉め事でまだ頭が熱くなっていたために気づくことが出来なかった。

「確かにそう言われてみれば」

「いくら熟練の兵士とはいえ200を相手するあのは無理がある」

 2人はペネシット子爵に先程の謝罪しペネシット子爵も謝罪を受け入れた。

「2人が冷静になったのは良しとして、ペネシット子爵。このあとの作戦内容を教えてはくれんかの?」

ノーマンはハルン伯爵に作戦内容を聞かれるとハルン伯爵も想定外の発言をした。

「戦闘遅延作戦を行い、そのあいだに竜騎士を増援として呼びたいと思います」

「「「なっ!」」」

 次はハルン伯爵も含めた3人がどういう発言なのか理解してるのかと疑惑の目を向けた。

「いくつか理由があります。一つ目は普通の増援部隊だと間に合わないことです。」

 ここから増援を呼ぶまで10日はかかる。そこから王都の騎士団を編成するなら、さら十日間にここまで来るのに1週間はかかる。

「確かに竜騎士ならば、二日半くらいで着くが、出撃の準備がどれくらいかかるのか問題じゃな。じゃがそれしかないならかけるしかないのぅ。」

 竜騎士を出撃させれる条件というものがあり
・王都又はその付近に魔族が出現した時
・国王陛下からの正式な許可証(期限付き)ひとが発行させれおり、正当な理由がある場合
・竜騎士出撃許可証は許可証に書いてある貴族のみ使用が可能。ほかの貴族がそれを持つのは重罪である。
・魔族殲滅部隊が負けた時又は、全滅した時

 今回の場合、上と下の理由は使えず、国王陛下からの竜騎士出撃許可証など3人は持っていない。

 ハルン伯爵はそこで「まさか」と思いペネシット子爵にこう聞いた?

「竜騎士出撃許可証をペネシット子爵は持ってるのかね?」

「「!!」」

「はい。今回限りですが、何かあればと書かれており竜騎士出撃許可証を貰っております」

 ノーマンは緊急招集の手紙と一緒にこっそり渡されていたのだった。

 そっちの手紙には
「今回貴族派と国王派が手を取り魔族を殲滅すると公言はしているが貴族の連中が独断専行で魔族と戦うと思われるために緊急時に使ってほしい」

 と書かれていた。

 その話を聞いた3人は自分たちより、ペネシット子爵の方が信用されていると(実際は加護のお陰)複雑な気持ちになったが、今はそれよりも現状を打破することに気持ちを切り替えた。

「それならば使わない手はない。すぐに竜騎士を要請するための伝令兵をペネシット子爵にお願いしよう。」

それからすぐに伝令兵3人を選び王城に向かわせた。

「遅延作戦はワシが主導でやらせてもらう。」

「貴族派の動きと魔族の数の確認はパプル男爵と私の方で受けもつ。」

 ペネシット子爵ばかりにいい所を取られてたまるかと思った3人は、それぞれ動き出した。



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 貴族派と言えば

「魔族共にいつ攻撃を仕掛けてやりましょう」

「明日にでも殲滅してさっさと帰りたいですな」

「こんな貧相な場所にいつまでもいたら死んでしまいますわ」

「「「「「「ガハハハハハハハ」」」」」」

 などと喋りながら補給もない食料を無駄に食べながら雑談をしていた。

 傭兵も好きなだけ食べていいと言われていたため、飲んで食ってバカ騒ぎをしていた。

 結局偵察兵からも魔族の動きは無かったと報告をされると更に飲んで食らうようになった。

 自分たちの気づかない所まで魔族がせまっている事を誰も気づいていなかった
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