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1章 始まり
国王派と貴族派
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夕食を食べ終えるとカナリア王妃の方から話を振った。
「その子がアーマンくんね。とても知的な顔つきですわね。顔つきはアイーダさんに似てますね。将来が楽しみですわね。」
「マリア第一王女こそカナリア王妃様ににてとても美しくなるかと思います。」
「嬉しいこと言ってくれるわね。」
それから少しの間雑談をしていると、マリアがちょこっと出てきてアーマンの方をじっと見ていた。
アイーダがそれに気がつき目を向けるとまた隠れたが少しするとまた顔を出しアーマンをじっと見た。
「マリア第一王女殿下。触ってみますか?」
そう聞くと首をコクンと縦に振りアイーダの目の前まで歩いてきた。
アイーダは椅子から立ちマリアが触れる位置までしゃがみアーマンを近づけてあげた。
マリアはそっと指でアーマンのほっぺを続くと気に入ったのかずっと触っていた。
「あら。マリア第一王女殿下はアーくんのこと気に入ってくれたんですね。」
「マリアももしかしたら運命を感じてるのかしら?」
マリアには何のことか分からなかったが2人の雑談が終わるまでつつくのは終わらなかった。
(この子が俺の正室になる子か。大人しい子だといいな。)
触られていたアーマンも満更でもなさそうに大人しくしていた。
それから毎日のようにアイーダの元を訪れ近衛騎士から呼ばれるまでアーマンをつついたりぷにぷにしていた。
ちなみにカナリア王妃には他に、15歳の第一王子と12第二王子がおり三兄妹だが3人とも仲が良く、未来の王国も安定だと言われている。
###
「今日はこの辺で夜を過ごす。後ろの兵にも伝えすぐにテントの準備をさせよ」
「は!」
伝令兵はすぐに大声で「停止!」と叫び、テントの準備をするよう指示を出した。
「ファット。ここまで来るのにどのくらい時間がかかった?」
「全体の指揮が高く予定より遥かに早く着きそうです。あと3日と言ったところでしょうか。」
「ここまで来るのに1週間だとすると四日近く早く来れたのか。確かにいい事だがこんなペースで行くと戦闘が始まる時にバテないか?」
「それは大丈夫かと思います。指揮が高く、全体的にも疲れている様子はありません。ノーマン様こそ大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だ。戦場に出てる方が俺にはよっぽど向いてる。それより明日に向け俺はもう寝る。警備は任せたぞ。」
「はっ!」
それから3日間トラブルなどは特に起こらず、マルセイ辺境伯爵をはじめとした魔族殲滅部隊に合流することが出来た。
「ノーマン・ヘンドリクス・ペネシット。アルバーン国王陛下の強制招集に応じ200の兵士を連れ馳せ参じた。マルセイ辺境伯爵へつないで欲しい」
すぐに魔族殲滅部隊の陣地の首脳陣が集まっている部屋に通されるとすでに10人の貴族が座っており左側に3人の国王派が、右側に6人の貴族派がおり、上座と言われる場所にマルセイ辺境伯爵がいた。
ノーマンは国王派のために左側に座った。
マルセイ辺境伯爵は貴族派で領地では圧政を行っており、税金ばかり重くし自分の私服を肥やしている。
すでに作戦内容で国王派と貴族派で揉めており人数的に貴族派が有利な状況だった。
国王派の作戦の意見は敵をなるべく細かく分断し多数対少数を作り出し安全に殲滅していくと言うものだった。
これは対魔族としては定番となっており国王派は今回もそれを行うように説得していた。
対して貴族派はこちらの方が物量は多いからひたすら攻めればいいと言う無謀な作戦を提案していた。
マルセイ辺境伯爵も貴族派の意見を取ろうとしておりとても危険な状態であった。
「マルセイ辺境伯爵!そんな無謀な作戦を行えば勝てる戦闘に負け、更に自分の命まで消えることになるぞ!」
「国王派は臆病者しかおらんのだな!怖いならさっさと帰ってしまえ。たかが魔族100匹私達貴族派の精鋭だけでも倒してみせるわ!」
「阿呆か!お前らが率いてきた兵士を思い出せ!六人合わせて400人ちょいだと!更に半分は信用出来ない傭兵などふざけているのか!」
「これで十分だと判断したまでだ。むしろ魔族共に対してこれだけ連れてきたことを感謝して欲しいものだ。」
貴族派はまともに話などする気も無くマルセイ辺境伯爵は結局貴族派の意見をとってしまった。
このままでは不味いと思ったノーマンは一つの作戦を思いついた。
「そちらが勝手に突撃する分には何も言わん。だが、私はこの作戦から抜けさせてもらう。」
そう言ってノーマンは国王派の人物達に目を合わせるとあちらも何かあるかと思いノーマンの提案に乗っかり、王国派の4人は全員特攻という名の作戦から辞退した。
貴族派の人達もこれで国王派の権力を削ぐことが出来ると心の中で大喜びしながら、止めることなどせずに作戦の辞退を受け入れた。
そのあとノーマンを含めた国王派の貴族達は別の場所に集まり、このあとどうするのかとノーマンに視線を向けた
「ペネシット子爵。作戦から辞退できたのはこちらとしても有難かったがこのあとどうするのかね。このまま手を引いては国賊と言われるぞ。」
「ここから1時間ほど離れた場所に野営をするのに適した場所があります。そこで私の案を聞いてもらってもよろしいでしょうか」
「そうだな。ここにずっといたら貴族派の連中からも口うるさく言われそうだ。とりあえずそれぞれ部隊をまとめ野営に適した場所に移ろう。」
国王派は話しが終わるとすぐに行動に移し1時間で出発の準備を終わらせ野営地に向かうのだった。
「その子がアーマンくんね。とても知的な顔つきですわね。顔つきはアイーダさんに似てますね。将来が楽しみですわね。」
「マリア第一王女こそカナリア王妃様ににてとても美しくなるかと思います。」
「嬉しいこと言ってくれるわね。」
それから少しの間雑談をしていると、マリアがちょこっと出てきてアーマンの方をじっと見ていた。
アイーダがそれに気がつき目を向けるとまた隠れたが少しするとまた顔を出しアーマンをじっと見た。
「マリア第一王女殿下。触ってみますか?」
そう聞くと首をコクンと縦に振りアイーダの目の前まで歩いてきた。
アイーダは椅子から立ちマリアが触れる位置までしゃがみアーマンを近づけてあげた。
マリアはそっと指でアーマンのほっぺを続くと気に入ったのかずっと触っていた。
「あら。マリア第一王女殿下はアーくんのこと気に入ってくれたんですね。」
「マリアももしかしたら運命を感じてるのかしら?」
マリアには何のことか分からなかったが2人の雑談が終わるまでつつくのは終わらなかった。
(この子が俺の正室になる子か。大人しい子だといいな。)
触られていたアーマンも満更でもなさそうに大人しくしていた。
それから毎日のようにアイーダの元を訪れ近衛騎士から呼ばれるまでアーマンをつついたりぷにぷにしていた。
ちなみにカナリア王妃には他に、15歳の第一王子と12第二王子がおり三兄妹だが3人とも仲が良く、未来の王国も安定だと言われている。
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「今日はこの辺で夜を過ごす。後ろの兵にも伝えすぐにテントの準備をさせよ」
「は!」
伝令兵はすぐに大声で「停止!」と叫び、テントの準備をするよう指示を出した。
「ファット。ここまで来るのにどのくらい時間がかかった?」
「全体の指揮が高く予定より遥かに早く着きそうです。あと3日と言ったところでしょうか。」
「ここまで来るのに1週間だとすると四日近く早く来れたのか。確かにいい事だがこんなペースで行くと戦闘が始まる時にバテないか?」
「それは大丈夫かと思います。指揮が高く、全体的にも疲れている様子はありません。ノーマン様こそ大丈夫ですか?」
「俺は大丈夫だ。戦場に出てる方が俺にはよっぽど向いてる。それより明日に向け俺はもう寝る。警備は任せたぞ。」
「はっ!」
それから3日間トラブルなどは特に起こらず、マルセイ辺境伯爵をはじめとした魔族殲滅部隊に合流することが出来た。
「ノーマン・ヘンドリクス・ペネシット。アルバーン国王陛下の強制招集に応じ200の兵士を連れ馳せ参じた。マルセイ辺境伯爵へつないで欲しい」
すぐに魔族殲滅部隊の陣地の首脳陣が集まっている部屋に通されるとすでに10人の貴族が座っており左側に3人の国王派が、右側に6人の貴族派がおり、上座と言われる場所にマルセイ辺境伯爵がいた。
ノーマンは国王派のために左側に座った。
マルセイ辺境伯爵は貴族派で領地では圧政を行っており、税金ばかり重くし自分の私服を肥やしている。
すでに作戦内容で国王派と貴族派で揉めており人数的に貴族派が有利な状況だった。
国王派の作戦の意見は敵をなるべく細かく分断し多数対少数を作り出し安全に殲滅していくと言うものだった。
これは対魔族としては定番となっており国王派は今回もそれを行うように説得していた。
対して貴族派はこちらの方が物量は多いからひたすら攻めればいいと言う無謀な作戦を提案していた。
マルセイ辺境伯爵も貴族派の意見を取ろうとしておりとても危険な状態であった。
「マルセイ辺境伯爵!そんな無謀な作戦を行えば勝てる戦闘に負け、更に自分の命まで消えることになるぞ!」
「国王派は臆病者しかおらんのだな!怖いならさっさと帰ってしまえ。たかが魔族100匹私達貴族派の精鋭だけでも倒してみせるわ!」
「阿呆か!お前らが率いてきた兵士を思い出せ!六人合わせて400人ちょいだと!更に半分は信用出来ない傭兵などふざけているのか!」
「これで十分だと判断したまでだ。むしろ魔族共に対してこれだけ連れてきたことを感謝して欲しいものだ。」
貴族派はまともに話などする気も無くマルセイ辺境伯爵は結局貴族派の意見をとってしまった。
このままでは不味いと思ったノーマンは一つの作戦を思いついた。
「そちらが勝手に突撃する分には何も言わん。だが、私はこの作戦から抜けさせてもらう。」
そう言ってノーマンは国王派の人物達に目を合わせるとあちらも何かあるかと思いノーマンの提案に乗っかり、王国派の4人は全員特攻という名の作戦から辞退した。
貴族派の人達もこれで国王派の権力を削ぐことが出来ると心の中で大喜びしながら、止めることなどせずに作戦の辞退を受け入れた。
そのあとノーマンを含めた国王派の貴族達は別の場所に集まり、このあとどうするのかとノーマンに視線を向けた
「ペネシット子爵。作戦から辞退できたのはこちらとしても有難かったがこのあとどうするのかね。このまま手を引いては国賊と言われるぞ。」
「ここから1時間ほど離れた場所に野営をするのに適した場所があります。そこで私の案を聞いてもらってもよろしいでしょうか」
「そうだな。ここにずっといたら貴族派の連中からも口うるさく言われそうだ。とりあえずそれぞれ部隊をまとめ野営に適した場所に移ろう。」
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