12 / 45
1章 始まり
夕食
しおりを挟む
それから二日後の夜、ファットは宣言通り二日の間に遠征部隊の物資全てを終わらせた。
現在は最終確認をするためにノーマンの書斎室にて話し合いをしていた。
馬車の数は12台で食料の中身は殆どが非常食である干し肉と、チーズ、黒パン。水は水魔術師もいるが兵士は一人一つ水筒を持参している。
他にはテントや毛布といった嵩張るものが詰め込まれている。
重装備の兵士が50人、軽装備の兵士が100人、馬車を守るのと管理するのが24人、回復魔術師が15人、騎士が11人。
戦闘する部隊は15隊に分かれており今現在の予定だと
・重戦士10人で一部隊。合計5部隊
・軽装備兵10人で一部隊。合計10部隊
・回復魔術師兼攻撃魔術師は1部隊につき1人
・騎士は戦況の伝令役になり必要ならば奇襲部隊になる。
ちなみに一部隊につき回復魔術師を一人つけるのはほかの貴族ならするわけが無い。一般兵より回復魔術師の方が数十倍も大切なためである。(回復魔術師になれるのは500人に1人と言われている。)
ヘンドリクス領地は代々回復魔術師が豊富と言われており、ほかの領地より質も数もいるためこのような事が出来る。
更にペネシット家は領民や兵士を大事にしており、領民もペネシット家の事を慕っているため回復魔術師も予定より少し多く出せるようになった。
「ご苦労だった。明日の早朝に出発する。」
「はっ!」
最後の確認をしたファットはすぐに退出し、ノーマンも明日に向けすぐに就寝した。
###
早朝、アーマンは目が覚めるとすぐに出発するための服装に着替え、代々ペネシット家に伝わる鎧を纏うと同じくらいにドアがノックされ許可を出すと
「ノーマン…」
「アイーダ…」
入ってきたのはアイーダと抱っこされているアーマンだった。
「ちゃんと帰ってきてくださいね。」
「あぁ」
それだけで二人の会話は終わり、ノーマンはアーマンの頭を撫でながら
「ちゃんと帰ってくるからな。帰ってきたら武勇伝聞かせてやるから楽しみにしてろ」
(別に武勇伝はどうでもいいけどちゃんと帰って来いよ。お父さん。死んで母さん泣かせたら許さないからな)
アーマンは最近アイーダにやったように頬をペチペチ叩きながら「あーいー」と応援した。
ドアがノックされ総隊長のファットが「出発の準備が出来ました。いつでも行けます」と出発の準備が出来たことを伝えられた。
「じゃあ、行ってくる。」
「 はい。行ってらっしゃい」
ノーマンはそれからすぐに部隊の方に向かい演説を始めた。
「今回我々は出現した魔族を殲滅するために出撃することになった!ここにいる全てのものが無事に帰ってくることは難しいかもしれないが決して不可能ではない!不可能でないならばできると信じよ!今まで積み上げた経験を生かす時が来た!死ぬために戦うのではない!生き残るために戦うのだ!我ら祖国の為!友人や恋人、家族を守るため!出撃ー!」
「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」」
ノーマンが出発と言った瞬間に兵士からは気合と熱の入った声が!
領民からは「絶対生きて帰ってこいよ」「頑張れー!」など声援が飛びそれは200人の兵士が見えなくなるまで続いた。
アイーダは見送りが終わると自分たちも王城へ出発するためにサリアちゃんに荷物を馬車へ詰め込んで貰うと、10人の兵士を連れて王城に向かっていった。
アイーダ達は王城まで行くのに1週間、ノーマン達はマルセイ辺境伯爵のところまで行くのに2週間かかる。
###
それから1週間後アイーダ達は何事もなく王都まで着くと前回と同じく近衛騎士が出迎えに来ており、王城の部屋まで案内された。
「このあとすぐに王妃様との夕食会がございますので準備をお願いします。ドアの横で待機しておりますので」
「子供はどうすればいいのですか」
「一緒に連れていってください。そう言われてますので」
「分かりました」
確認が終わると近衛騎士は部屋から出ていった。
アイーダはサリアちゃんを呼ぶとどの服がいいか選んでもらいながら着替え始めた。
「サリアちゃんは疲れてない?疲れてるなら寝てていいのよ」
「私はもう立派な成人でそこまで疲れてもおりません。それとちゃん付けは辞めてください」
「もー別にちゃん付けくらいいいじゃない。」
そんな雑談を10分くらい続け身支度が整うとアイーダはアーマンを抱っこして近衛騎士に夕食の部屋まで連れていかれた。
「着きました。どうぞ中へお入りください」
近衛騎士は扉を開け部屋にはいるように促した。
「アイーダ・ヘンドリクス・ペネシットでございます。このたびは夕食会に呼ばれて大変嬉しく思います。」
「そんな固くならなくていいですわよ。夕食会なんて名目上だけで実際は子供二人の顔合わせなんですから。わたくしはカナリア・アルバーンと申しますわ。マリアも挨拶しなさい」
カナリア王妃がそう言うと後ろに隠れていたマリアが顔だけだし
「マリアでしゅ」
そう言うとすぐに後ろに隠れた。まだ1歳のために恥ずかしがり屋なのは仕方ないこと。
「ごめんなさいね。まだ王城の中にいる人以外見たことないから。先に夕食を食べてしまいましょ。お話はそれから」
「はい。分かりました。」
話が長くなりそうだっため先に夕食をたあとにお話という名の雑談をすることになった。
現在は最終確認をするためにノーマンの書斎室にて話し合いをしていた。
馬車の数は12台で食料の中身は殆どが非常食である干し肉と、チーズ、黒パン。水は水魔術師もいるが兵士は一人一つ水筒を持参している。
他にはテントや毛布といった嵩張るものが詰め込まれている。
重装備の兵士が50人、軽装備の兵士が100人、馬車を守るのと管理するのが24人、回復魔術師が15人、騎士が11人。
戦闘する部隊は15隊に分かれており今現在の予定だと
・重戦士10人で一部隊。合計5部隊
・軽装備兵10人で一部隊。合計10部隊
・回復魔術師兼攻撃魔術師は1部隊につき1人
・騎士は戦況の伝令役になり必要ならば奇襲部隊になる。
ちなみに一部隊につき回復魔術師を一人つけるのはほかの貴族ならするわけが無い。一般兵より回復魔術師の方が数十倍も大切なためである。(回復魔術師になれるのは500人に1人と言われている。)
ヘンドリクス領地は代々回復魔術師が豊富と言われており、ほかの領地より質も数もいるためこのような事が出来る。
更にペネシット家は領民や兵士を大事にしており、領民もペネシット家の事を慕っているため回復魔術師も予定より少し多く出せるようになった。
「ご苦労だった。明日の早朝に出発する。」
「はっ!」
最後の確認をしたファットはすぐに退出し、ノーマンも明日に向けすぐに就寝した。
###
早朝、アーマンは目が覚めるとすぐに出発するための服装に着替え、代々ペネシット家に伝わる鎧を纏うと同じくらいにドアがノックされ許可を出すと
「ノーマン…」
「アイーダ…」
入ってきたのはアイーダと抱っこされているアーマンだった。
「ちゃんと帰ってきてくださいね。」
「あぁ」
それだけで二人の会話は終わり、ノーマンはアーマンの頭を撫でながら
「ちゃんと帰ってくるからな。帰ってきたら武勇伝聞かせてやるから楽しみにしてろ」
(別に武勇伝はどうでもいいけどちゃんと帰って来いよ。お父さん。死んで母さん泣かせたら許さないからな)
アーマンは最近アイーダにやったように頬をペチペチ叩きながら「あーいー」と応援した。
ドアがノックされ総隊長のファットが「出発の準備が出来ました。いつでも行けます」と出発の準備が出来たことを伝えられた。
「じゃあ、行ってくる。」
「 はい。行ってらっしゃい」
ノーマンはそれからすぐに部隊の方に向かい演説を始めた。
「今回我々は出現した魔族を殲滅するために出撃することになった!ここにいる全てのものが無事に帰ってくることは難しいかもしれないが決して不可能ではない!不可能でないならばできると信じよ!今まで積み上げた経験を生かす時が来た!死ぬために戦うのではない!生き残るために戦うのだ!我ら祖国の為!友人や恋人、家族を守るため!出撃ー!」
「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」」
ノーマンが出発と言った瞬間に兵士からは気合と熱の入った声が!
領民からは「絶対生きて帰ってこいよ」「頑張れー!」など声援が飛びそれは200人の兵士が見えなくなるまで続いた。
アイーダは見送りが終わると自分たちも王城へ出発するためにサリアちゃんに荷物を馬車へ詰め込んで貰うと、10人の兵士を連れて王城に向かっていった。
アイーダ達は王城まで行くのに1週間、ノーマン達はマルセイ辺境伯爵のところまで行くのに2週間かかる。
###
それから1週間後アイーダ達は何事もなく王都まで着くと前回と同じく近衛騎士が出迎えに来ており、王城の部屋まで案内された。
「このあとすぐに王妃様との夕食会がございますので準備をお願いします。ドアの横で待機しておりますので」
「子供はどうすればいいのですか」
「一緒に連れていってください。そう言われてますので」
「分かりました」
確認が終わると近衛騎士は部屋から出ていった。
アイーダはサリアちゃんを呼ぶとどの服がいいか選んでもらいながら着替え始めた。
「サリアちゃんは疲れてない?疲れてるなら寝てていいのよ」
「私はもう立派な成人でそこまで疲れてもおりません。それとちゃん付けは辞めてください」
「もー別にちゃん付けくらいいいじゃない。」
そんな雑談を10分くらい続け身支度が整うとアイーダはアーマンを抱っこして近衛騎士に夕食の部屋まで連れていかれた。
「着きました。どうぞ中へお入りください」
近衛騎士は扉を開け部屋にはいるように促した。
「アイーダ・ヘンドリクス・ペネシットでございます。このたびは夕食会に呼ばれて大変嬉しく思います。」
「そんな固くならなくていいですわよ。夕食会なんて名目上だけで実際は子供二人の顔合わせなんですから。わたくしはカナリア・アルバーンと申しますわ。マリアも挨拶しなさい」
カナリア王妃がそう言うと後ろに隠れていたマリアが顔だけだし
「マリアでしゅ」
そう言うとすぐに後ろに隠れた。まだ1歳のために恥ずかしがり屋なのは仕方ないこと。
「ごめんなさいね。まだ王城の中にいる人以外見たことないから。先に夕食を食べてしまいましょ。お話はそれから」
「はい。分かりました。」
話が長くなりそうだっため先に夕食をたあとにお話という名の雑談をすることになった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる