魔族との戦争に終止符を打ちたい

2章 婚約と新たな火種

王国民感動の1日

　王国民も王国貴族も驚いて固まってしまったようだ。

　俺だって突然神の加護を持った者が現れたなんて言われたら、驚いて固まってしまうだろう。

　少し経つと静まり返っていた場が今度はざわつき始めた。

「今国王陛下はなんて言った？」「創造神様の加護を持った者が出てきたって聞こえたぞ」「幻聴か？」などと、まだ理解しきれていないのか混乱していた。

　貴族の人達は自分の雇っている騎士に耳打ちをして騎士に何か命令をしているように見える。

「もう1度伝える。アーマン・ヘンドリクス・ペネシットは創造神様の加護を授かった者である。これはアイズ教皇も実際に目で見て確認している」

「わしはアーマン・ヘンドリクス・ペネシットが確かに創造神様の加護を授かった者だと神様に誓って宣言する」

　人類の中では大切な証言や約束をする時は、「神様に誓って宣言する」と言うことで、もしそのことが嘘ならばどんな罪でも受けると認めることになるらしい。

　神様にそう宣言したにも関わらず嘘だった場合、それは神様に嘘をついた事になるため、何らかの天罰が下ると言われている。

　これは生まれて親の言葉が分かるようになると、一番初めに教えられることだ。

　今回その誓の宣言をアイズ教皇がしたことにより、王国民はそれを真実と捉えた。

　その言葉が聞こえた瞬間、王国民は大歓声を上げた。

　歓声をあげている中、中には泣いている人もいて、創造神の加護の影響やばいと自覚した。

　そしてその叫びに近い完成は徐々に

「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」「アーマン！」

　と変化していき、とても恥ずかしい思いをした。

　お父さんやお母さん、マリア王女も同じようにアーマン！　と叫んでいるのが見えた。

　結局その歓声はアルバーン国王陛下が止めるまで止むことは無かった。

「王国民よ！　私も人生の中で創造神様の加護を持った者に会えたこと嬉しく思う！　この瞬間に立ち会えたこと神様に感謝を捧げる！」

「「「「「うおおおおおおおおおおおおお」」」」」

　そしてその勢いが止まらないうちにアルバーン国王陛下は近衛騎士が持っていた儀式用の剣を持ち、俺に目の前に来るように目配せした。

　俺は片膝をつき顔をしたに向けた。

　アルバーン国王陛下は剣を俺の右肩に軽く当てながらこう伝えた。

「アルバーン王国繁栄のため時に剣、時に盾になることを神に誓うか？」

「誓います」

「ならばこれより公爵としてアルバーン王国に仕えてもらう！」

「はっ！」

　王国民はそのことについても、なんの文句もなく盛大な拍手を送ってくれた。

　そして婚約発表、創造神様の加護を授かった者の発表、爵位の発表が終了し、演説は終了した。

　王国民は次の日の朝までお祭り騒ぎだったらしい。

　それからは毎年この日になると、皆があの時の感動を忘れないようにと、お祭りが開かれることになった。






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　帝国兵が早馬で加護のことを急いで持ち帰ろうと急いでいると目の前に一人の人？が飛び出してきたため止まってしまった。

「おい！　邪魔だ！」

「バギラ帝国の兵士さんがどうしてこんなところにいるのか私に教えてくださらない？」

「それは機密事項だ。貴様らに教えることは出来ん！　用が済んだらすぐにどけ！」

「つれないわねぇ。教えてくれないなら無理やり聞かせてもらいますわね」

「さっきからなにをブツ……ブツ…………いぎゃぁぁぁぁぁ」

　帝国に戻り加護のことを皇帝に伝えるように任務として命令れた兵士は、任務を遂行出来ないままこの世から消えていった。



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「ニコラス！　めんどくさい事になりそうだわ……」

「なんだ？　下手して人間にでも見つかったのか。だせぇなぁ」

「ピコラフは黙って。さっき暇だったから変装して散歩してたら帝国兵が急いでたから、止めて話聞いたら機密事項で教えてくれなかったのよ。イラッとしたから強引に話を聞いたら創造神の加護を持った者が現れたらしいわ」

「強引にってどうせ拷問でもして無理やり吐かせたんだろ」

「グリムス。創造神の加護を持った奴が出てきたとは本当か？」

「本当らしいわ。何度聴いてもそう言うから真実だと思うわよ」

「名前は分かるか？」

「アーマン・ヘンドリクス・ペネシットですって。まだ5歳くらいの子供らしいわ」

　ニコラスは5歳と聞いた瞬間に決断をした。

「暗殺するぞ」

「対魔族用の結界が張ってある中に入るのかよ」

「1日しか体は持たないが一日で決めればなんの問題もない。決行は明後日だ。準備をしておけ」

「あいあい」

「分かったわ」

　遂に魔族に命を狙われることになったアーマン……