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ミィがまるっとおさめちゃうのです!
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ミィとコウ君のデートは予想外の大騒ぎに発展してしまったようです。
騒ぎが騒ぎを呼んで父さま達でも治めるのが難しいとのこと。それは割と大事件なのでは……?
父さま達はどうやってこの騒ぎを治めるか頭を抱えている。今回ばかりは武力で制圧するわけにもいかないそうです。
ミィ的には騒ぎを治めるのは簡単だと思うんですけど。父さま達はその考えに至っていないのか、考えないようにしているようです。
放っておけども騒ぎは一向に収まらなかった。
……ふむ、ここはミィが一肌脱ぐ時なのです!
わたしは父さま達にバレないようにこっそりと天王さまに会いに行った。天王さまはまだ魔界にいたのであっさりと会えた。
「? 姫、どうしたのだ?」
首を傾げた天王さまにミィの要件を話すと、天王さまはニヤリと笑ってわたしの提案を受け入れてくれた。
天王さま経由で母さまにも協力してもらい、わたし達は一枚の書類を作成した。
それから暫くすると、騒ぎは徐々に下火になっていった。
急に騒ぎが鎮火の方向に向かったので父さまや兄さま達が訝しむ。そして父さま達は、天王さまが何かをしたと結論づけたみたいです。
再び魔界に天王さまが来た時、父さまが天王さまを問い詰めた。
「おい、何をした」
「大方予想はついているのであろう」
「……」
父さまが苦虫を噛み潰したような顔で黙り込む。予想はついてるけど当たってほしくないから口に出すのも嫌って感じです。
「姫とうちの息子が婚約したという話を流布したのだ」
「!!」
天王さまの言葉に父さまがわなわなと震える。
「な、なんてことをしてくれたんだ!!」
「なんてことって、事実だしなぁ」
そうであろう? と天王さまがこちらを向く。それにつられるように父さまもギギギっと音がしそうな様子でこちらを向いた。
「はいです!」
「……ミィ?」
「父さま父さま、これ見てください」
わたしは一枚の紙を父さまの眼前に差し出す。
「……なんだこれは」
「ミィとコウ君の婚約証明書なのです」
「我はこんなの書いた覚えないぞ……」
「母さまにお願いしたのです」
そう、わたしが天王さまとこっそりつくった書類は婚約証明書だった。
正式に婚約しちゃえばもう反対も賛成もないですもんね。我ながら名案だったのです。
父さまは愕然とした様子で私を見た。
「ミィ……」
父さまが何かを言いかけた所で、バンッと部屋の扉が開かれる。そして入ってきたのはなんと、コウ君だった。
「父上! ミィと俺の婚約ってなんですか!!」
そう言って部屋に入って来る。
わたしは天王さまを見た。
「コウ君に婚約のこと言ってなかったんです?」
「我としてはサプライズのつもりだったんだがな。我が息子の気持ちは一目瞭然であるし」
そんな会話をしている間にコウ君はズカズカと部屋に入って来る。
「今回の騒動を収めるための婚約なんて俺が喜ぶわけないだろ! そんなんで婚約させられるミィが可哀想だ!!」
おお……。婚約自体が嫌なのかと思ったら、どうやらわたしのことを慮って怒ってくれてるみたいです。あ、そういえばわたし、根回しばかりで肝心のことをコウ君に言ってなかったのです。
そんなことを考えている間に、父さまがコウ君の発言にうんうんと頷いて同意していた。
「そやつの言う通りだ。ミィはまだ小さいのに、問題解決のためだけにミィの気持ちを無視して婚約など―――」
「ミィの気持ちは無視じゃないのです」
わたしはきっぱりと言い放ち、コウ君に抱き着いた。
「仕方なく婚約したんじゃないです。だって、ミィだって前世からコウくんのこと大好きなんですから!!」
「!!」
ミィがぎゅうううと抱き着くと、コウ君が驚きつつも赤面した。そして遠慮がちにコウ君に抱き締め返される。
「お、俺も、ミィのこと、好きだ……」
「えへへ、嬉しいのです」
両思いだ。
後ろをちらりと向くと、ガクンと肩を落とした父さまが天王さまに慰められていた。
ちょっと可哀想ですけど、ミィは今、好きな人と両想いになれてハッピーなのです!
騒ぎが騒ぎを呼んで父さま達でも治めるのが難しいとのこと。それは割と大事件なのでは……?
父さま達はどうやってこの騒ぎを治めるか頭を抱えている。今回ばかりは武力で制圧するわけにもいかないそうです。
ミィ的には騒ぎを治めるのは簡単だと思うんですけど。父さま達はその考えに至っていないのか、考えないようにしているようです。
放っておけども騒ぎは一向に収まらなかった。
……ふむ、ここはミィが一肌脱ぐ時なのです!
わたしは父さま達にバレないようにこっそりと天王さまに会いに行った。天王さまはまだ魔界にいたのであっさりと会えた。
「? 姫、どうしたのだ?」
首を傾げた天王さまにミィの要件を話すと、天王さまはニヤリと笑ってわたしの提案を受け入れてくれた。
天王さま経由で母さまにも協力してもらい、わたし達は一枚の書類を作成した。
それから暫くすると、騒ぎは徐々に下火になっていった。
急に騒ぎが鎮火の方向に向かったので父さまや兄さま達が訝しむ。そして父さま達は、天王さまが何かをしたと結論づけたみたいです。
再び魔界に天王さまが来た時、父さまが天王さまを問い詰めた。
「おい、何をした」
「大方予想はついているのであろう」
「……」
父さまが苦虫を噛み潰したような顔で黙り込む。予想はついてるけど当たってほしくないから口に出すのも嫌って感じです。
「姫とうちの息子が婚約したという話を流布したのだ」
「!!」
天王さまの言葉に父さまがわなわなと震える。
「な、なんてことをしてくれたんだ!!」
「なんてことって、事実だしなぁ」
そうであろう? と天王さまがこちらを向く。それにつられるように父さまもギギギっと音がしそうな様子でこちらを向いた。
「はいです!」
「……ミィ?」
「父さま父さま、これ見てください」
わたしは一枚の紙を父さまの眼前に差し出す。
「……なんだこれは」
「ミィとコウ君の婚約証明書なのです」
「我はこんなの書いた覚えないぞ……」
「母さまにお願いしたのです」
そう、わたしが天王さまとこっそりつくった書類は婚約証明書だった。
正式に婚約しちゃえばもう反対も賛成もないですもんね。我ながら名案だったのです。
父さまは愕然とした様子で私を見た。
「ミィ……」
父さまが何かを言いかけた所で、バンッと部屋の扉が開かれる。そして入ってきたのはなんと、コウ君だった。
「父上! ミィと俺の婚約ってなんですか!!」
そう言って部屋に入って来る。
わたしは天王さまを見た。
「コウ君に婚約のこと言ってなかったんです?」
「我としてはサプライズのつもりだったんだがな。我が息子の気持ちは一目瞭然であるし」
そんな会話をしている間にコウ君はズカズカと部屋に入って来る。
「今回の騒動を収めるための婚約なんて俺が喜ぶわけないだろ! そんなんで婚約させられるミィが可哀想だ!!」
おお……。婚約自体が嫌なのかと思ったら、どうやらわたしのことを慮って怒ってくれてるみたいです。あ、そういえばわたし、根回しばかりで肝心のことをコウ君に言ってなかったのです。
そんなことを考えている間に、父さまがコウ君の発言にうんうんと頷いて同意していた。
「そやつの言う通りだ。ミィはまだ小さいのに、問題解決のためだけにミィの気持ちを無視して婚約など―――」
「ミィの気持ちは無視じゃないのです」
わたしはきっぱりと言い放ち、コウ君に抱き着いた。
「仕方なく婚約したんじゃないです。だって、ミィだって前世からコウくんのこと大好きなんですから!!」
「!!」
ミィがぎゅうううと抱き着くと、コウ君が驚きつつも赤面した。そして遠慮がちにコウ君に抱き締め返される。
「お、俺も、ミィのこと、好きだ……」
「えへへ、嬉しいのです」
両思いだ。
後ろをちらりと向くと、ガクンと肩を落とした父さまが天王さまに慰められていた。
ちょっと可哀想ですけど、ミィは今、好きな人と両想いになれてハッピーなのです!
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