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初撮影!?
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天羅が辿り着いた廊下には、モデルたちの鮮やかな広告パネルがさまざまな彩りで飾られていた。
壁一面に広がるグラフィックは、今をときめくトレンドを反映したスタイリッシュなビジュアルで満ちており、各モデルの個性が際立っている。
大柄な人物が颯爽とポーズを決めたり、笑顔を浮かべたりする姿は、まるでその場に生きているかのように感じられた。
パネルの色使いは華やかでありながら洗練されており、青やピンク、黄緑などのアクセントが絶妙に組み合わさり、見る者の目を引きつけて止まない。
光の当たり具合によって影が柔らかく変化し、モデルたちの肌の質感や衣装のディテールが一層引き立てられている。
それぞれの広告は一つの物語を語るようで、彼らの表情や姿勢は、特別な瞬間を切り取った穏やかな情景を思い起こさせた。
廊下の奥に進むにつれ、天羅はその色とりどりの世界に圧倒される感覚を覚えた。
装飾された壁は、視覚だけでなく、彼の心にも刺激を与えているようで、自身がこの瞬間にいることの意味を考えさせられた。
モデルたちが表現する自信や魅力が、廊下全体を生き生きとした雰囲気で満たしている。
中でも、天羅の目を引いたのは【華崎コルハ】という女性だった。
整った顔立ちは均整が取れ、目元は大きく魅惑的で、まるで星の輝きを宿しているかのようだ。
彼女の長い艶やかな黒髪は、光が当たるたびに波打ちながら流れ、まるで夜空に浮かぶ黒い雲のように美しい。
髪の一本が滑らかに光を反射し、見る者の視線を奪う。
下着モデルである彼女だが、映し出される写真は単なる広告を超え、まるで芸術作品のような傑作だ。
柔らかな布地に包まれた肢体は、ナチュラルな美しさを強調し、身にまとったアイテムが彼女の魅力を引き立ている。
姿勢はしなやかで、自信に満ちたポーズはまるで舞台の主役のように堂々としており、目を奪われる瞬間を与えてくれる。
写真の背景は淡い色合いで、彼女の魅力と絶妙に調和し、柔らかな光がモデルの肌を優しく照らし、まるで幻想的な夢の中にいるかのような雰囲気を醸し出している。
彼女の視線はカメラを真っ直ぐに見つめ、見る者に吸い寄せられるような強い眼差しを放っている。
「さて…ここはどこ?」
スタッフに待つよう指示されていたのだが、好奇心旺盛の彼女はいつの間にか、ここに迷い込んでしまっていた。
スタッフも見当たらない。
適当に進めば何処か人がいる所に辿り着くだろうと思い、一歩踏み出すと声を掛けられた。
「ねぇ。見掛けない子だけど…事務所の子かな?」
優しい声が天羅の後ろから包み込んで来る。
振り返ると、スラッと背の高い女性が立っていた。
艶やかな黒髪が肩まで流れ、彼女の姿はまるで周囲の雰囲気を引き立てるように美しい。
彼女の目はまっすぐに天羅を見つめ、その視線には親しみと好奇心が交じっていた。
「スカウトされて来たんですけど、迷子になってしまって…。あれ?お姉さんどこかで見た気が…」
「そうねー…後ろのパネルに映ってるからー」
女性は軽く指さすと、先程天羅が眺めていた【華崎コルハ】であった。
「あっ。モデルさんだったんですか!!」
天羅が驚くとコルハはクスッと笑みを零す。
その微笑みは、彼女の魅力をさらに引き立てるものだった。
「モデルさんっ…なんて、久しぶりに聞いたかも」
と、コルハは少し恥ずかしそうに言った。
天羅の反応を見たコルハは、嬉しそうに目を細める。
「昔は、モデルさんなんですかって多かったけど、最近はあまり呼ばれなくなったかも」
彼女はその言葉と共に、過去の思い出を振り返るような表情を見せた。
「名前で呼ばれる事が多いから特にあなたのように素直な反応をしてくれる人は貴重だよ」
コルハは心からの言葉を伝えると、天羅の存在を特別に感じている様子だった。
「もしかして…有名な人だったりします?」
「一応、看板モデルなんだよね。私」
「ほへぇー…」
【華崎コルハ】は、AFAKE社を代表するモデルの一人であり、テレビCMやバラエティーにも頻繁に出演している。
彼女は、洗練された美しさと独特の魅力で多くのファンを魅了し、親近感が湧く存在として、まるで国民的アイドルのような人気を誇っている。
コルハの活動はファッションの枠を超え、コミュニティに根ざしたイベントやキャンペーンにも積極的に参加しているため、ファンとの距離が近く、常に新たな挑戦を続けている。
一方で、彼女自身も思いやりや優しさを忘れず、多くの人々に夢を与えている。
彼女の存在は、若い世代にとって憧れの的であり、数々のメディアで取り上げられることで、その名前は広く知れ渡っている。
日々の努力や、彼女が持つ人間味に溢れたキャラクターは、ファンにとって一層心を惹かれる要素となっている。
華崎コルハは、ただのモデルにとどまらず、文化やトレンドを形作る重要な存在だ。
ーーーが。
天羅は知らない。
むしろ、著名人だろうが大企業の社長だろうが、天羅にとっては人として認識するだけで、それ以上は特別な感情や興味を抱かない。
一流のモデルや成功者であっても、天羅にとっては一般人と大差ない。
そのため、華崎コルハがどれほど有名であるか知る由もなく、目の前にいる一人の女性として、彼女の言葉や態度に引き込まれている。
普通であれば、彼女が夢や努力について語る姿勢に心惹かれ、華崎コルハという人柄に惹かれていく。
だが、天羅は、彼女の看板モデルとしての地位や知名度よりも、人間性に惹かれるのだ。
「スカウト受けた子なんだよね?案内するよ」
「マジですか。助かります~」
コルハはにっこりと頷くと、自然な足取りで前へ進んだ。
天羅は少し身を乗り出すようにしてその後を追い、二人は積み上がった機材を横目に通り過ぎていった。
「いつスカウトされたの?」
「この前、ショッピングモールの前で声かけられて…急にでビビりましたけど…」
と天羅が答えると、コルハは楽しげに「そっか」と返す。
歩きながら、コルハは簡単な自己紹介や業界の話を混ぜて天羅の不安を和らげる。
ほどなくして、施設内カフェの脇を抜けると、コルハがふと立ち止まり端末を取り出した。
「よかったら連絡先交換しない?困ったら相談してね」
と差し出すその手は、きらりと優しさを宿していた。
天羅は少し戸惑いながらも自身の端末を取り出し「ありがとうございます」と照れくさそうに返した。
「どこ行ってたんですか。見当たらなくてびっくりしましたよ」
天羅を探していたスタッフが息を切らせて駆け寄り、声に安堵と軽い叱責が混ざる。
天羅の隣にいた華崎コルハの姿を見つけ、言葉が途切れる。
「あっ…華崎さんもご一緒でしたか…」
スタッフの敬語は一瞬震え、思わず深く頭を下げる。
背筋を伸ばした礼の角度に、社内の序列と緊張がひと刷毛で描かれるようだ。
コルハは微笑みを崩さずに軽く片手を上げ、場を和らげるようにゆっくりと「申し訳ありません。少し案内しておりました」と低く控えめに答える。
天羅が迷子になっただけなのだが、コルハがフォローを入れた。
その声でスタッフの顔から緊張が薄れ、動きが滑らかになる。
スタッフは緊張を切らすように笑い、「失礼しました。こちらへどうぞ。控え室にご案内します」と言って先導を始める。
天羅は目を落としながらコルハに気まずそうに礼をすると、コルハは肩を軽く叩いて「リラックスして」と囁く。
通路を進むと、短い待合スペースに案内され、テーブルにはペットボトルの水と小さなスナックが置かれている。
「ではこちらに座って下さい」
天羅は深呼吸してから椅子に腰掛けた。
スタッフが差し出したのは、薄く光るタブレット端末だった。
画面には白地のフォームと小さな顔写真欄、名前・連絡先・身長・スリーサイズの項目が整然と並んでいる。
スタッフは指先で項目を指しながら、「まずこちらに入力していただけますか。終わったら簡単なプロフィール撮影をします」と丁寧に説明する。
天羅は指先を動かしながら必須項目を埋めていった。
「では撮影するのでこちらへ」
とスタッフが優しい声で告げる。
天羅はタブレットを持ったまスタッフの後を追い、控え室の隅に設置された簡易的な撮影ブースへと向かう。
ブースは白い背景に柔らかなライトが照射され、まるで小さなスタジオのよう。
少し緊張しながらも、天羅はその明るい雰囲気に心が和む。
スタッフは「こちらに立って、正面を向いてください」と指示し、カメラの位置を微調整する。
その表情は穏やかで、緊張を解きほぐそうとしているのが伝わってくる。
「いきますね。3、2、1…」
スタッフの指示に従って、シャッター音が響く。自分の姿がカメラに映る瞬間、どこか夢の中にいるような不思議な感覚を抱えつつ、天羅はその瞬間を大切にしようと心に決める。
壁一面に広がるグラフィックは、今をときめくトレンドを反映したスタイリッシュなビジュアルで満ちており、各モデルの個性が際立っている。
大柄な人物が颯爽とポーズを決めたり、笑顔を浮かべたりする姿は、まるでその場に生きているかのように感じられた。
パネルの色使いは華やかでありながら洗練されており、青やピンク、黄緑などのアクセントが絶妙に組み合わさり、見る者の目を引きつけて止まない。
光の当たり具合によって影が柔らかく変化し、モデルたちの肌の質感や衣装のディテールが一層引き立てられている。
それぞれの広告は一つの物語を語るようで、彼らの表情や姿勢は、特別な瞬間を切り取った穏やかな情景を思い起こさせた。
廊下の奥に進むにつれ、天羅はその色とりどりの世界に圧倒される感覚を覚えた。
装飾された壁は、視覚だけでなく、彼の心にも刺激を与えているようで、自身がこの瞬間にいることの意味を考えさせられた。
モデルたちが表現する自信や魅力が、廊下全体を生き生きとした雰囲気で満たしている。
中でも、天羅の目を引いたのは【華崎コルハ】という女性だった。
整った顔立ちは均整が取れ、目元は大きく魅惑的で、まるで星の輝きを宿しているかのようだ。
彼女の長い艶やかな黒髪は、光が当たるたびに波打ちながら流れ、まるで夜空に浮かぶ黒い雲のように美しい。
髪の一本が滑らかに光を反射し、見る者の視線を奪う。
下着モデルである彼女だが、映し出される写真は単なる広告を超え、まるで芸術作品のような傑作だ。
柔らかな布地に包まれた肢体は、ナチュラルな美しさを強調し、身にまとったアイテムが彼女の魅力を引き立ている。
姿勢はしなやかで、自信に満ちたポーズはまるで舞台の主役のように堂々としており、目を奪われる瞬間を与えてくれる。
写真の背景は淡い色合いで、彼女の魅力と絶妙に調和し、柔らかな光がモデルの肌を優しく照らし、まるで幻想的な夢の中にいるかのような雰囲気を醸し出している。
彼女の視線はカメラを真っ直ぐに見つめ、見る者に吸い寄せられるような強い眼差しを放っている。
「さて…ここはどこ?」
スタッフに待つよう指示されていたのだが、好奇心旺盛の彼女はいつの間にか、ここに迷い込んでしまっていた。
スタッフも見当たらない。
適当に進めば何処か人がいる所に辿り着くだろうと思い、一歩踏み出すと声を掛けられた。
「ねぇ。見掛けない子だけど…事務所の子かな?」
優しい声が天羅の後ろから包み込んで来る。
振り返ると、スラッと背の高い女性が立っていた。
艶やかな黒髪が肩まで流れ、彼女の姿はまるで周囲の雰囲気を引き立てるように美しい。
彼女の目はまっすぐに天羅を見つめ、その視線には親しみと好奇心が交じっていた。
「スカウトされて来たんですけど、迷子になってしまって…。あれ?お姉さんどこかで見た気が…」
「そうねー…後ろのパネルに映ってるからー」
女性は軽く指さすと、先程天羅が眺めていた【華崎コルハ】であった。
「あっ。モデルさんだったんですか!!」
天羅が驚くとコルハはクスッと笑みを零す。
その微笑みは、彼女の魅力をさらに引き立てるものだった。
「モデルさんっ…なんて、久しぶりに聞いたかも」
と、コルハは少し恥ずかしそうに言った。
天羅の反応を見たコルハは、嬉しそうに目を細める。
「昔は、モデルさんなんですかって多かったけど、最近はあまり呼ばれなくなったかも」
彼女はその言葉と共に、過去の思い出を振り返るような表情を見せた。
「名前で呼ばれる事が多いから特にあなたのように素直な反応をしてくれる人は貴重だよ」
コルハは心からの言葉を伝えると、天羅の存在を特別に感じている様子だった。
「もしかして…有名な人だったりします?」
「一応、看板モデルなんだよね。私」
「ほへぇー…」
【華崎コルハ】は、AFAKE社を代表するモデルの一人であり、テレビCMやバラエティーにも頻繁に出演している。
彼女は、洗練された美しさと独特の魅力で多くのファンを魅了し、親近感が湧く存在として、まるで国民的アイドルのような人気を誇っている。
コルハの活動はファッションの枠を超え、コミュニティに根ざしたイベントやキャンペーンにも積極的に参加しているため、ファンとの距離が近く、常に新たな挑戦を続けている。
一方で、彼女自身も思いやりや優しさを忘れず、多くの人々に夢を与えている。
彼女の存在は、若い世代にとって憧れの的であり、数々のメディアで取り上げられることで、その名前は広く知れ渡っている。
日々の努力や、彼女が持つ人間味に溢れたキャラクターは、ファンにとって一層心を惹かれる要素となっている。
華崎コルハは、ただのモデルにとどまらず、文化やトレンドを形作る重要な存在だ。
ーーーが。
天羅は知らない。
むしろ、著名人だろうが大企業の社長だろうが、天羅にとっては人として認識するだけで、それ以上は特別な感情や興味を抱かない。
一流のモデルや成功者であっても、天羅にとっては一般人と大差ない。
そのため、華崎コルハがどれほど有名であるか知る由もなく、目の前にいる一人の女性として、彼女の言葉や態度に引き込まれている。
普通であれば、彼女が夢や努力について語る姿勢に心惹かれ、華崎コルハという人柄に惹かれていく。
だが、天羅は、彼女の看板モデルとしての地位や知名度よりも、人間性に惹かれるのだ。
「スカウト受けた子なんだよね?案内するよ」
「マジですか。助かります~」
コルハはにっこりと頷くと、自然な足取りで前へ進んだ。
天羅は少し身を乗り出すようにしてその後を追い、二人は積み上がった機材を横目に通り過ぎていった。
「いつスカウトされたの?」
「この前、ショッピングモールの前で声かけられて…急にでビビりましたけど…」
と天羅が答えると、コルハは楽しげに「そっか」と返す。
歩きながら、コルハは簡単な自己紹介や業界の話を混ぜて天羅の不安を和らげる。
ほどなくして、施設内カフェの脇を抜けると、コルハがふと立ち止まり端末を取り出した。
「よかったら連絡先交換しない?困ったら相談してね」
と差し出すその手は、きらりと優しさを宿していた。
天羅は少し戸惑いながらも自身の端末を取り出し「ありがとうございます」と照れくさそうに返した。
「どこ行ってたんですか。見当たらなくてびっくりしましたよ」
天羅を探していたスタッフが息を切らせて駆け寄り、声に安堵と軽い叱責が混ざる。
天羅の隣にいた華崎コルハの姿を見つけ、言葉が途切れる。
「あっ…華崎さんもご一緒でしたか…」
スタッフの敬語は一瞬震え、思わず深く頭を下げる。
背筋を伸ばした礼の角度に、社内の序列と緊張がひと刷毛で描かれるようだ。
コルハは微笑みを崩さずに軽く片手を上げ、場を和らげるようにゆっくりと「申し訳ありません。少し案内しておりました」と低く控えめに答える。
天羅が迷子になっただけなのだが、コルハがフォローを入れた。
その声でスタッフの顔から緊張が薄れ、動きが滑らかになる。
スタッフは緊張を切らすように笑い、「失礼しました。こちらへどうぞ。控え室にご案内します」と言って先導を始める。
天羅は目を落としながらコルハに気まずそうに礼をすると、コルハは肩を軽く叩いて「リラックスして」と囁く。
通路を進むと、短い待合スペースに案内され、テーブルにはペットボトルの水と小さなスナックが置かれている。
「ではこちらに座って下さい」
天羅は深呼吸してから椅子に腰掛けた。
スタッフが差し出したのは、薄く光るタブレット端末だった。
画面には白地のフォームと小さな顔写真欄、名前・連絡先・身長・スリーサイズの項目が整然と並んでいる。
スタッフは指先で項目を指しながら、「まずこちらに入力していただけますか。終わったら簡単なプロフィール撮影をします」と丁寧に説明する。
天羅は指先を動かしながら必須項目を埋めていった。
「では撮影するのでこちらへ」
とスタッフが優しい声で告げる。
天羅はタブレットを持ったまスタッフの後を追い、控え室の隅に設置された簡易的な撮影ブースへと向かう。
ブースは白い背景に柔らかなライトが照射され、まるで小さなスタジオのよう。
少し緊張しながらも、天羅はその明るい雰囲気に心が和む。
スタッフは「こちらに立って、正面を向いてください」と指示し、カメラの位置を微調整する。
その表情は穏やかで、緊張を解きほぐそうとしているのが伝わってくる。
「いきますね。3、2、1…」
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