顔の裏側その顔は。

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日常ファンサービス

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 街へ買い物に出ている天羅は、戸惑っていた。

 周囲の視線が気になり、なんとなく落ち着かない気持ちを抱えていた。

「ねぇ、これなんて天羅ちゃんに似合うんじゃない?」

 と、コルハがウキウキとした様子で私服を見せてきた。

 彼女は明るい色のワンピースを持っており、そのデザインは天羅の雰囲気に合いそうだった。

 しかし、天羅は心ここにあらずという感じで、視線が周囲に散らばってしまう。

「はい…確かに可愛いですけど…」

 と、天羅は答えながら、周囲の人々の視線を意識せずにはいられなかった。

 ファンや通行人の視線はコルハに集中している。

「あれ、華崎コルハじゃない?」
 と、誰かが小声で言った。

「マジ?本物!?」という興奮した声が周囲に広がり、その中には期待に満ちた目を輝かせている人々もいる。
「サインもらえるかな?」

 コルハはその人気を全く気にする様子もなく、明るく微笑みながらファンに手を振っていた。

 彼女の笑顔は周囲の雰囲気を一層明るくし、ファンたちの歓声が高まる。

 ショーウィンドウを境に、彼女の魅力が際立つ瞬間を捉えようと、ます人々が集まってきた。

「コルハちゃん、こっち向いて!」
 という声や、「一緒に写真撮ってもいいですか?」
 というリクエストが飛び交い、店の前は短い時間で賑やかな雰囲気に包まれていく。

 天羅は、これが有名人かと呆気に取られていた。
 やはり、国民的アイドルのような存在というのは伊達じゃない。

 かなりの人集りで、少し焦ったコルハは店員に頭を下げ、提案を持ち掛けた。

 彼女は周囲の状況をよく見ていて、ファンたちの期待を裏切らず、同時に混雑を緩和する方法を考えていたのだ。

「すみません、少し人が増えてしまったので場所を変えてもいいですか?」
 と、コルハは丁寧に店員にお願いした。

 店員も彼女の提案を理解し、笑顔で応じた。
「もちろんです、こちらのスペースを使っていただいても大丈夫ですよ。大変ですね」

「いつもすみません…!」

 コルハはその返事にホッとし、ファンたちに向かって振り返った。

「皆さん、少し移動してもらえますか?店の奥でお話しできるスペースがあるので、そちらでお願いします!」

 と呼びかけた。

 一人一人丁寧に対応すること1時間。

 コルハは笑顔を絶やさず、ファンたちとの交流を楽しんでいた。
 彼女はそれぞれのファンとの会話を大切にし、名前を覚えようとしたり、興味のあることを尋ねたりすることで、特別な時間を作り出していた。

「コルハさんに会えて本当に嬉しいです!」
 と語りかけたファンに対しても、「こちらこそありがとうございます。いつも元気もらってます!」と返し、その言葉にさらに感激しているファンが多かった。

 コルハの丁寧な対応は、ファンたちにとって忘れられない思い出となり、彼女自身の魅力を一層引き立ていた。

 買い物とファンとの交流会を終えた天羅とコルハは、帰路に着いた。
 夕暮れの街並みには、温かいオレンジ色の光が差し込み、二人の心にも安堵の気持ちが広がっていた。

「凄かったですね」
 と天羅が言うと、コルハは少し申し訳なさそうに「なんかごめんね。いつもあんな感じなんだ」と返した。

 彼女の目には、満ち足りた光が宿っていた。
 自分の存在が誰かの心に寄り添えることを実感できたことは、コルハにとって何よりの喜びだった。

「痛…」

 すると、コルハは頭を抑えた。
 天羅は驚いて立ち止まり、「大丈夫ですか!?」と心配そうに声をかけた。

 コルハは顔をしかめながら
「ちょっと、疲れが出てきたみたい」と言った。彼女の表情には少し不安が漂っている。
 天羅はすぐに彼女の肩に手を置き、「無理しないでください、少し休みましょう」と提案した。

「そうだね……」とコルハは微笑みながら答えたが、その目には疲れが見え隠れしていた。
「あそこで休憩しましょう」
 と天羅が言いながら近くの公園のベンチを指さした。

 二人はベンチに座り、少し静かな時間を過ごすことにした。

「本当に無理しちゃだめですよ」

 天羅は、優しく言った。

 コルハは頷いた。

「ありがとう、天羅ちゃん。優しいんだね」

 コルハが笑顔を向ける。

「何だか不思議な感じ」
「何がですか?」
「天羅ちゃん見てるとさ、なんか頑張らなきゃって思うんだよね」
「そんな事、ないと思いますけど…」
「ううん、天羅ちゃんは素直に自分の気持ちを表現してるから、私ももっと頑張りたい!って思うの」

 天羅は少し照れた。

「さてと、そろそろ行こっか」

 コルハは立ち上がって体を伸ばすと、疲れが少しずつ和らいでいるのを感じた。

 天羅も立ち上がった。

「行きましょうか」

 と明るく答えた。
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