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15話 社会勉強はバ先で
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リディアと分かれ、元いた品出し場所に戻ってきた。
「……げっ」
「げって何だよ少年」
するとそこにはやべぇ先輩こと菜々緒先輩が座っていた。
よく見るまでもなく、ニヤついている。間違いなく俺とリディアのやり取りを監視していたようだな。
「いやぁ、昨日はオーヴェリアちゃんに気を取られてよく見てなかったけど、リディアちゃんも可愛いじゃん!」
「指一本でも触れたら怒りますからね」
「何でアタシ、ラノベの敵役枠なわけ?」
「ほいほい食っちゃうでしょあなた」
「……てへっ」
否定しろよ。
だからリディアが和泉屋書店に来ることを避けていたのに。この人と接触させて碌なことになるわけがない。
「ねぇねぇ、リディアちゃん今日だけ職場体験させてみない?」
「はぁ?」
俺の予想通り、菜々緒先輩は変なことを提案してきた。
職場体験といえば中学生が通る道。確かにリディアは見た目中学生なので馴染むとは思うが、まともな思考回路が巡っての発言とは思えなかった。
「訝しがるなよー。興奮するだろー」
「やめてくださいマジで」
俺と菜々緒先輩の性癖は近かったのか。マジで見直そう。
菜々緒先輩は雰囲気を変えるように、コホンと咳払いをした。
「……真面目な話だけどさ、少年はリディアちゃんとずっと一緒にいたいんだろ?」
「はい。本心からずっと一緒にいたいです」
「いい眼だね。少年は気がついていないかもだけど、リディアちゃんと会う前よりずっといい顔しているよ」
「そう、なんですかね」
自分じゃわからない。朝顔を洗う時くらいしか自分の顔を見ないからな。
「前向きになった感じ。たぶんリディアちゃんとの出会いが、君をポジティブにしたんだろうね」
確かにリディアと出会ってから、俺の思考は前向きだ。
今までは巻き込まれ体質に悩まされ、社会や自分を恨んだこともあった。
だが今は、リディアに好かれようと自分なりに前を向いている。巻き込まれている最中だが、悪くないと思っている。
俺は、リディアとずっと一緒にいたい。そうポジティブに夢を見られている。
「それで、それとリディアの職場体験にどんな関係が?」
「もしリディアちゃんが日本にいてくれるのなら少しは社会勉強しておいた方がいいと思うんだ」
「それは……一理ありますね、菜々緒先輩のくせに」
「殴るぞー?」
リディアに惚れられ、一緒に日本に住むと決めた時、リディアも働くかもしれない。
……かもしれないじゃないな、真面目な彼女なら一緒に働く道を選ぶだろう。
ならば、ここで少しでも職場体験させることは理にかなっている。
「あとはリディア次第ですね」
「私がどうかしましたか?」
「うおっ!」
突然リディアが後ろから話しかけてきたので、心臓がぶっ飛ぶ思いだった。
どうやらリディアはライトノベルを選び終えたようで、俺にレジ打ちをしろと言いにきたようだ。そんな中で切り出すのは少し申し訳なくなるな。
「なぁリディア、今から少し働いていかないか?」
「え? この書店でですか?」
「あぁ、職場体験ってやつだな」
「私みたいな異世界人がよろしいのですか?」
そういえば、店長に確認をとっていなかったな。
「構わないよ」
「うおっ!?」
またいつの間にか背後にいた店長がボソリと呟いた。
なんで俺の周りの人たちは背後から話しかけるのだろう。心臓に悪いからやめてもらいたい。
「と、とにかく店長の許可も降りた。どうする、やるか?」
リディアは少し悩んだ様子を見せた。
しかし数秒後、晴れやかな顔で
「やります!」
溌剌とそう答えた。
「決まりだね。じゃあリディアちゃんのレジ打ち、少年が教えなよ」
「え、でもこの品出しは」
「そんなんアタシに任せろって。自分の品出しは終わったら大丈夫」
……もしかして、こうなることがわかっていてさっき俺にレジを任せたのだろうか。
気兼ねなく、リディアとの時間を増やしてくれるために。だとしたらこの先輩、本当に素晴らしい人格者だ。
「あーでもレジで一線越えないでね、匂いでわかるからやめろよ若者どもー」
前言撤回。絶対に偶然だ。
「……げっ」
「げって何だよ少年」
するとそこにはやべぇ先輩こと菜々緒先輩が座っていた。
よく見るまでもなく、ニヤついている。間違いなく俺とリディアのやり取りを監視していたようだな。
「いやぁ、昨日はオーヴェリアちゃんに気を取られてよく見てなかったけど、リディアちゃんも可愛いじゃん!」
「指一本でも触れたら怒りますからね」
「何でアタシ、ラノベの敵役枠なわけ?」
「ほいほい食っちゃうでしょあなた」
「……てへっ」
否定しろよ。
だからリディアが和泉屋書店に来ることを避けていたのに。この人と接触させて碌なことになるわけがない。
「ねぇねぇ、リディアちゃん今日だけ職場体験させてみない?」
「はぁ?」
俺の予想通り、菜々緒先輩は変なことを提案してきた。
職場体験といえば中学生が通る道。確かにリディアは見た目中学生なので馴染むとは思うが、まともな思考回路が巡っての発言とは思えなかった。
「訝しがるなよー。興奮するだろー」
「やめてくださいマジで」
俺と菜々緒先輩の性癖は近かったのか。マジで見直そう。
菜々緒先輩は雰囲気を変えるように、コホンと咳払いをした。
「……真面目な話だけどさ、少年はリディアちゃんとずっと一緒にいたいんだろ?」
「はい。本心からずっと一緒にいたいです」
「いい眼だね。少年は気がついていないかもだけど、リディアちゃんと会う前よりずっといい顔しているよ」
「そう、なんですかね」
自分じゃわからない。朝顔を洗う時くらいしか自分の顔を見ないからな。
「前向きになった感じ。たぶんリディアちゃんとの出会いが、君をポジティブにしたんだろうね」
確かにリディアと出会ってから、俺の思考は前向きだ。
今までは巻き込まれ体質に悩まされ、社会や自分を恨んだこともあった。
だが今は、リディアに好かれようと自分なりに前を向いている。巻き込まれている最中だが、悪くないと思っている。
俺は、リディアとずっと一緒にいたい。そうポジティブに夢を見られている。
「それで、それとリディアの職場体験にどんな関係が?」
「もしリディアちゃんが日本にいてくれるのなら少しは社会勉強しておいた方がいいと思うんだ」
「それは……一理ありますね、菜々緒先輩のくせに」
「殴るぞー?」
リディアに惚れられ、一緒に日本に住むと決めた時、リディアも働くかもしれない。
……かもしれないじゃないな、真面目な彼女なら一緒に働く道を選ぶだろう。
ならば、ここで少しでも職場体験させることは理にかなっている。
「あとはリディア次第ですね」
「私がどうかしましたか?」
「うおっ!」
突然リディアが後ろから話しかけてきたので、心臓がぶっ飛ぶ思いだった。
どうやらリディアはライトノベルを選び終えたようで、俺にレジ打ちをしろと言いにきたようだ。そんな中で切り出すのは少し申し訳なくなるな。
「なぁリディア、今から少し働いていかないか?」
「え? この書店でですか?」
「あぁ、職場体験ってやつだな」
「私みたいな異世界人がよろしいのですか?」
そういえば、店長に確認をとっていなかったな。
「構わないよ」
「うおっ!?」
またいつの間にか背後にいた店長がボソリと呟いた。
なんで俺の周りの人たちは背後から話しかけるのだろう。心臓に悪いからやめてもらいたい。
「と、とにかく店長の許可も降りた。どうする、やるか?」
リディアは少し悩んだ様子を見せた。
しかし数秒後、晴れやかな顔で
「やります!」
溌剌とそう答えた。
「決まりだね。じゃあリディアちゃんのレジ打ち、少年が教えなよ」
「え、でもこの品出しは」
「そんなんアタシに任せろって。自分の品出しは終わったら大丈夫」
……もしかして、こうなることがわかっていてさっき俺にレジを任せたのだろうか。
気兼ねなく、リディアとの時間を増やしてくれるために。だとしたらこの先輩、本当に素晴らしい人格者だ。
「あーでもレジで一線越えないでね、匂いでわかるからやめろよ若者どもー」
前言撤回。絶対に偶然だ。
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