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23話 オーヴェリアも職場体験
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日曜日の和泉屋書店は、実はそんなに客が多いわけではない。
これはあくまで俺の推論だが、土曜日に客が増えるのは、日曜日に読むための本を買いに来るからなのだと思う。逆に、明日が平日な日曜には、本を買いに来る客は限られる、というわけだ。
だから職場体験をさせるにはうってつけ。なのだが……
「正輝、そこの掃除が遅れているぞ」
「なんで職場体験中のあんたに指図されなきゃいけないんだ」
「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いてください」
だからって、リディアとオーヴェリア、2人を同時に働かせることはないと思う。
出勤したら赤いエプロンを身に纏うオーヴェリアを見て腰を抜かした。純銀な彼女に、赤はあまり似合わない。その上殺気すら感じられる切れ長の目は、書店に似つかわしくない目力を発していた。
「っていうか菜々緒先輩、なんでオーヴェリアさんも働いているんですか」
「本人の希望さ。リディアちゃんが働くなら自分も働くって」
「えぇ……」
回復に努めるという話はどこへ行ったのやら。
魔力的な話はわからないけど、体調的には良さそうにも見える。たかだか1日挟んだだけで回復するのは異世界人の特徴なのか、あるいはこの人が強すぎるだけか。
仕方ない、一度決めたものはテコでも動かなさそうだ。
「リディア、オーヴェリアさんにレジ打ちを教えてくれるか?」
「わ、私がですか?」
「大丈夫、今日は客少ないから。もし並ぶ人が多くなったらこのベルを鳴らしてくれ。すぐ駆けつけるよ」
「いえそうではなく、私がオーヴェリア様に物を教えるなど……」
リディアはオーヴェリアに対し、申し訳なさそうな目線を送った。
そんなリディアに、俺はニッと笑ってみせた。
「気にするな。だってこの書店においてはリディアの方が先輩。つまりリディアの方が立場は上だ」
「な、なんて不敬なことを!」
「構わん。この世界で、私が未熟者である事実は変わらないからな。リディアよ、教えてくれるか?」
「……は、はい。わかりました」
リディアは昨日の初レジ並に緊張した顔になった。
俺は品出しをするふりをして、リディアとオーヴェリアの様子を見守ることにした。ちなみに今日、店長は休みだ。
だからなのか、菜々緒先輩も俺の横で見守っている。
「仕事してくださいよ」
「若い子たちを見守るのも、老人の仕事ってもんよ」
「先輩いくつでしたっけ」
「21」
やはりこの人はおっさんが美少女の肉体に受肉した存在だ。そうに違いない。
菜々緒先輩は俺の頭に息を吹きかけ笑った。なんですか、と聞き返すと関係のない質問が飛んできた。
「少年はオーヴェリアちゃんのこと、どう思う?」
「オーヴェリアさんのこと?」
リディアのことを聞かれるのはわかるが、オーヴェリアに関して聞かれるとは思ってもいなかった。
「まぁ怖いですよ。凄みがありますし、リディアを連れて帰るなら実力行使も厭わないような気がして」
「ふむふむ、0点だね」
「なんでや」
理不尽ではないか。
菜々緒先輩とオーヴェリアが一緒に暮らしていて、どんな生活を営んでいるかは知らない。だから俺と菜々緒先輩の間にはオーヴェリアに関して溝があるのだろう。
「オーヴェリアちゃんは強く気高く賢い乙女だよ。でも弱さを持っている」
「弱さ?」
「悔やんでいるみたいだよ、リディアちゃんを聖杯ごと日本に飛ばしたこと」
「……そうだったんですか」
リディアと聖杯を日本に飛ばした状況を、俺は知らない。ただ緊迫した状況だったのだろうとは推察できる。
ただオーヴェリアがそれを悔やむような人間だとは思っていなかった。聖杯を守るという目的のためなら手段を選ばない。そういう人間だと思っていた。
「少年みたいな冴えない男に、リディアちゃんを取られたのが一番の原因みたいよ」
「悪かったですね冴えなくて」
「ひひっ」
菜々緒先輩に嘲笑されるとムカつくな。いや、菜々緒先輩は黙っていれば美人だった。黙っていても喋っていても凡な俺とは違う。
ともかく、オーヴェリアには後悔と自責の念があるらしい。その矢印が、俺に向いているわけか。
「…………」
俺は黙って、レジまで歩いて行った。
レジではリディアがオーヴェリアに、必死で操作を教えていた。緊張がこっちまで伝わってきて、共感性により汗をかきそうなくらいだ。
「オーヴェリアさん、お話があります」
俺はオーヴェリアさんを呼び出した。
ここで、すべての話に決着をつけたい。そう思った。
レジはリディアに任せ、俺とオーヴェリアさんはバックヤードに移動した。ここなら多少口論になっても客に聞かれることはないだろう。
呼び出したオーヴェリアはすでに凛とした仁王立ちで、とても後輩が取る態度に思えなかった。
「改まって話とはなんだ」
「リディアについてです」
「ほう、貴様からその話をするか」
オーヴェリアは切れ長の目を細めた。
その凄みに怯みそうになるが、ここで負けたら男が廃る。
「まず謝罪からさせてください。聖杯を拾ったことをダシにしてリディアと交際をしたこと、申し訳なく思います」
「……ふん」
「その上で、お伝えします。俺はリディアに恋しました。聖杯とか関係なしに、リディアを愛しています」
「だが貴様がリディアを脅した事実は変わらんぞ。それも、我々にとって尊き聖杯を人質にとって、だ」
「わかっています。あの日の俺は、ただ彼女欲しさにそんな行動を取ってしまった。でもいまは違う。リディアに聖杯抜きで愛してもらえるよう、努力しているつもりです」
「努力とは笑わせる。リディアは優しい子だ。それにつけ込んでいるだけではないか」
「リディアの優しさは否定しません。もしかしたら、俺によくしてくれているのは彼女の優しさなのかもしれません」
「わかっているではないか」
「でも、リディアは変わってきている。俺はそう思っています。だからどうか、あと少し見守ってはくれませんか? リディアの口から、俺のことをどう思っているか聞ける間だけ、お願いします!」
俺はオーヴェリアに頭を下げた。
俺が欲しいのは、時間。
思い上がりかもしれないが、リディアは少しずつ、俺に心を開いてくれている気がする。
役に立ちたいと言ってくれた。将来を考えてくれている。抱きついてくれた。
そのすべてが、俺の自信になる。俺が前向きになる、糧となる。
「お願いします!」
俺は懇願を重ねた。
そんな俺に呆れてか、オーヴェリアはため息を吐いた。
「……それが、お前を我々の戦争に巻き込むことになると理解しての発言なのか?」
「巻き込まれることなど、もう慣れています」
なんなら、もうすでに巻き込まれている渦中だ。
そうでなければ真っ当に生きていて、銀剣の切先を向けられたりはしない。……これは声には出さなかった。
「はぁ、お前は相当なバカだな」
「よくリディアにも言われます」
「ふっ」
「いま笑いました?」
「笑ってなどおらぬ。このたわけが」
「痛っ」
オーヴェリアにしては優しく蹴りを入れてきた。といっても普通に痛いけど。
顔を上げると、オーヴェリアは怒りの表情だった。でもその奥に、少しだけだが穏和な余裕を感じ取れた。
「よかろう。リディアがどう結論を出すか、彼女自身から口にするまで待ってやる」
「あ、ありがとうございます!」
「ただし勘違いするな。貴様は聖杯を人質にリディアと結ばれた身。私から見て、彼女は使命に生きる女だ。どんな結果が待ち受けているか覚悟するのだな」
オーヴェリアは銀色のまつ毛を俺に向け、そう言い放った。
少し違和感を覚えた。そのセリフ、まるで……
「もしかして、俺に気を使ってくれています?」
リディアに振られた場合、俺が傷つかないように保険をかけているみたいだ。
俺がそう言うと、オーヴェリアさんは足早にバックヤードを立ち去ろうとした。そんな彼女の腕を俺は掴んだ。
「いやいやいや、待ってくださいよ」
「離せたわけが。誰が貴様なんかに」
「じゃあ目を合わせて言ってくださいよ」
「…………」
「無視!?」
俺が叫ぶと、オーヴェリアは再び鼻で笑った。
「貴様のリディアへの気持ち、それを汲んでやっただけだ」
オーヴェリアはそう言って、今度は俺に捕まれないほどの足取りでバックヤードを後にした。
彼女なりに、俺の気持ちを少しは理解してくれたのかもしれない。
もしくは、リディアの態度を見て考えが柔らかくなったのかもしれない。
ともかく、俺が本気で頑張ればいい返事を聞ける可能性があるってことだ。
「よし、やるぞ俺!」
頬を叩いて、レジに戻った。
これはあくまで俺の推論だが、土曜日に客が増えるのは、日曜日に読むための本を買いに来るからなのだと思う。逆に、明日が平日な日曜には、本を買いに来る客は限られる、というわけだ。
だから職場体験をさせるにはうってつけ。なのだが……
「正輝、そこの掃除が遅れているぞ」
「なんで職場体験中のあんたに指図されなきゃいけないんだ」
「ま、まぁまぁ2人とも落ち着いてください」
だからって、リディアとオーヴェリア、2人を同時に働かせることはないと思う。
出勤したら赤いエプロンを身に纏うオーヴェリアを見て腰を抜かした。純銀な彼女に、赤はあまり似合わない。その上殺気すら感じられる切れ長の目は、書店に似つかわしくない目力を発していた。
「っていうか菜々緒先輩、なんでオーヴェリアさんも働いているんですか」
「本人の希望さ。リディアちゃんが働くなら自分も働くって」
「えぇ……」
回復に努めるという話はどこへ行ったのやら。
魔力的な話はわからないけど、体調的には良さそうにも見える。たかだか1日挟んだだけで回復するのは異世界人の特徴なのか、あるいはこの人が強すぎるだけか。
仕方ない、一度決めたものはテコでも動かなさそうだ。
「リディア、オーヴェリアさんにレジ打ちを教えてくれるか?」
「わ、私がですか?」
「大丈夫、今日は客少ないから。もし並ぶ人が多くなったらこのベルを鳴らしてくれ。すぐ駆けつけるよ」
「いえそうではなく、私がオーヴェリア様に物を教えるなど……」
リディアはオーヴェリアに対し、申し訳なさそうな目線を送った。
そんなリディアに、俺はニッと笑ってみせた。
「気にするな。だってこの書店においてはリディアの方が先輩。つまりリディアの方が立場は上だ」
「な、なんて不敬なことを!」
「構わん。この世界で、私が未熟者である事実は変わらないからな。リディアよ、教えてくれるか?」
「……は、はい。わかりました」
リディアは昨日の初レジ並に緊張した顔になった。
俺は品出しをするふりをして、リディアとオーヴェリアの様子を見守ることにした。ちなみに今日、店長は休みだ。
だからなのか、菜々緒先輩も俺の横で見守っている。
「仕事してくださいよ」
「若い子たちを見守るのも、老人の仕事ってもんよ」
「先輩いくつでしたっけ」
「21」
やはりこの人はおっさんが美少女の肉体に受肉した存在だ。そうに違いない。
菜々緒先輩は俺の頭に息を吹きかけ笑った。なんですか、と聞き返すと関係のない質問が飛んできた。
「少年はオーヴェリアちゃんのこと、どう思う?」
「オーヴェリアさんのこと?」
リディアのことを聞かれるのはわかるが、オーヴェリアに関して聞かれるとは思ってもいなかった。
「まぁ怖いですよ。凄みがありますし、リディアを連れて帰るなら実力行使も厭わないような気がして」
「ふむふむ、0点だね」
「なんでや」
理不尽ではないか。
菜々緒先輩とオーヴェリアが一緒に暮らしていて、どんな生活を営んでいるかは知らない。だから俺と菜々緒先輩の間にはオーヴェリアに関して溝があるのだろう。
「オーヴェリアちゃんは強く気高く賢い乙女だよ。でも弱さを持っている」
「弱さ?」
「悔やんでいるみたいだよ、リディアちゃんを聖杯ごと日本に飛ばしたこと」
「……そうだったんですか」
リディアと聖杯を日本に飛ばした状況を、俺は知らない。ただ緊迫した状況だったのだろうとは推察できる。
ただオーヴェリアがそれを悔やむような人間だとは思っていなかった。聖杯を守るという目的のためなら手段を選ばない。そういう人間だと思っていた。
「少年みたいな冴えない男に、リディアちゃんを取られたのが一番の原因みたいよ」
「悪かったですね冴えなくて」
「ひひっ」
菜々緒先輩に嘲笑されるとムカつくな。いや、菜々緒先輩は黙っていれば美人だった。黙っていても喋っていても凡な俺とは違う。
ともかく、オーヴェリアには後悔と自責の念があるらしい。その矢印が、俺に向いているわけか。
「…………」
俺は黙って、レジまで歩いて行った。
レジではリディアがオーヴェリアに、必死で操作を教えていた。緊張がこっちまで伝わってきて、共感性により汗をかきそうなくらいだ。
「オーヴェリアさん、お話があります」
俺はオーヴェリアさんを呼び出した。
ここで、すべての話に決着をつけたい。そう思った。
レジはリディアに任せ、俺とオーヴェリアさんはバックヤードに移動した。ここなら多少口論になっても客に聞かれることはないだろう。
呼び出したオーヴェリアはすでに凛とした仁王立ちで、とても後輩が取る態度に思えなかった。
「改まって話とはなんだ」
「リディアについてです」
「ほう、貴様からその話をするか」
オーヴェリアは切れ長の目を細めた。
その凄みに怯みそうになるが、ここで負けたら男が廃る。
「まず謝罪からさせてください。聖杯を拾ったことをダシにしてリディアと交際をしたこと、申し訳なく思います」
「……ふん」
「その上で、お伝えします。俺はリディアに恋しました。聖杯とか関係なしに、リディアを愛しています」
「だが貴様がリディアを脅した事実は変わらんぞ。それも、我々にとって尊き聖杯を人質にとって、だ」
「わかっています。あの日の俺は、ただ彼女欲しさにそんな行動を取ってしまった。でもいまは違う。リディアに聖杯抜きで愛してもらえるよう、努力しているつもりです」
「努力とは笑わせる。リディアは優しい子だ。それにつけ込んでいるだけではないか」
「リディアの優しさは否定しません。もしかしたら、俺によくしてくれているのは彼女の優しさなのかもしれません」
「わかっているではないか」
「でも、リディアは変わってきている。俺はそう思っています。だからどうか、あと少し見守ってはくれませんか? リディアの口から、俺のことをどう思っているか聞ける間だけ、お願いします!」
俺はオーヴェリアに頭を下げた。
俺が欲しいのは、時間。
思い上がりかもしれないが、リディアは少しずつ、俺に心を開いてくれている気がする。
役に立ちたいと言ってくれた。将来を考えてくれている。抱きついてくれた。
そのすべてが、俺の自信になる。俺が前向きになる、糧となる。
「お願いします!」
俺は懇願を重ねた。
そんな俺に呆れてか、オーヴェリアはため息を吐いた。
「……それが、お前を我々の戦争に巻き込むことになると理解しての発言なのか?」
「巻き込まれることなど、もう慣れています」
なんなら、もうすでに巻き込まれている渦中だ。
そうでなければ真っ当に生きていて、銀剣の切先を向けられたりはしない。……これは声には出さなかった。
「はぁ、お前は相当なバカだな」
「よくリディアにも言われます」
「ふっ」
「いま笑いました?」
「笑ってなどおらぬ。このたわけが」
「痛っ」
オーヴェリアにしては優しく蹴りを入れてきた。といっても普通に痛いけど。
顔を上げると、オーヴェリアは怒りの表情だった。でもその奥に、少しだけだが穏和な余裕を感じ取れた。
「よかろう。リディアがどう結論を出すか、彼女自身から口にするまで待ってやる」
「あ、ありがとうございます!」
「ただし勘違いするな。貴様は聖杯を人質にリディアと結ばれた身。私から見て、彼女は使命に生きる女だ。どんな結果が待ち受けているか覚悟するのだな」
オーヴェリアは銀色のまつ毛を俺に向け、そう言い放った。
少し違和感を覚えた。そのセリフ、まるで……
「もしかして、俺に気を使ってくれています?」
リディアに振られた場合、俺が傷つかないように保険をかけているみたいだ。
俺がそう言うと、オーヴェリアさんは足早にバックヤードを立ち去ろうとした。そんな彼女の腕を俺は掴んだ。
「いやいやいや、待ってくださいよ」
「離せたわけが。誰が貴様なんかに」
「じゃあ目を合わせて言ってくださいよ」
「…………」
「無視!?」
俺が叫ぶと、オーヴェリアは再び鼻で笑った。
「貴様のリディアへの気持ち、それを汲んでやっただけだ」
オーヴェリアはそう言って、今度は俺に捕まれないほどの足取りでバックヤードを後にした。
彼女なりに、俺の気持ちを少しは理解してくれたのかもしれない。
もしくは、リディアの態度を見て考えが柔らかくなったのかもしれない。
ともかく、俺が本気で頑張ればいい返事を聞ける可能性があるってことだ。
「よし、やるぞ俺!」
頬を叩いて、レジに戻った。
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