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25話 後悔も懺悔も、すべてにキスをして
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「はぁ、はぁ」
「逃げるって、ここですか」
メゾングレイル201号室。
俺には逃げられる場所などここしかなかった。
「仕方ないだろ、アテもないし他の人を巻き込むわけにはいかない」
「それはそうですけど」
リディアの髪は乱れ、麗しい金髪が鼻や目にかかっている。彼女は部屋に上がってからそれを整えた。
「頼れる武装組織などないのですか?」
「この国にいるにはいるけど、駐屯地は近くにはない」
「そうですか」
というか、魔法的な存在に武器弾薬が効果的なのかは不明瞭だ。
でも一応用心しておくのが人間というもの。俺はキッチンに置いてあったしばらく使っていない包丁を机の上に置いた。
「…………」
「…………」
しばし、無言の時が続いた。
リディアは逃げたくなかった。オーヴェリアと共に戦いたかった。
それでも俺は、彼女の手を取って逃げた。オーヴェリアから命じられたとはいえ、それが正解だったのか。正直、俺が答えを出せるものでもない。
「私は」
リディアがポツリと呟いた。その言葉一音一音に耳を傾ける。
「私は、いつまでも弱いままですね」
「どうしてそう思うようになったんだ」
聞いてもいいのか躊躇っていた。しかし、こんな状況になってまで、逃げてもいられない。
「私にはたくさんの仲間がいました。一緒に育ち、一緒に勉強した聖杯協会の仲間です」
「いました、ってことは」
「はい。そのほとんどが殉職しました」
やはりか。
リディアの辛そうな表情を見て、俺も辛くなった。本当は思い出したくもないトラウマのはずだ。
「聖杯が現れてから数ヶ月間。私たち聖杯協会とグリスティン・ワルディアル率いる邪神信者たちは幾度となくぶつかり、そして何人もの命を落としていきました」
「グリスティンの野郎にも仲間がいたのか」
「はい。邪神信者たちは混沌の世界にこそ、自由があると信じているのです。規律なき世界の自由なんて、ただの横暴でしかないのに」
要は自分たちが好き勝手やりたいから、そのための力を聖杯にもらおうという魂胆か。
「邪神信者はほぼ壊滅。私たちも半壊。どちらも満身創痍の中で迎えたのが、最終決戦でした」
最終決戦。おそらく、リディアが日本に来る原因となった戦い。
「グリスティンの予想外の強さに、聖杯協会は追い込まれました。そこで万一のために、聖杯を持ち出して逃げることにしたのです。その時に選ばれたのが、私でした」
「オーヴェリアが戦っている間に、聖杯を持ち出してできるだけ遠くに行く任務か」
「……どうして私だったと思います?」
「それは……リディアが責任感があって、聖杯を大事に持ち運ぶと思われたからだろ」
「正輝さんは優しいですね。オーヴェリア様も、直接理由を口にはされませんでした」
もう、リディアが次に何を言うのか理解できた。
できれば耳を塞ぎたい。でも、向かい合わなければならない。
リディアはスカイブルーの瞳に涙を浮かべ、震える声を絞り出した。
「わ、私が、弱かったから。聖杯協会、で、いっ、1番、弱かったから」
リディアは激しく嗚咽した。
俺はそんな彼女を抱きしめてやることしかできない。
抱きしめた彼女は華奢で、弱々しくて、震えていた。
そんな彼女すら守れない俺は無力だ。結局いまもオーヴェリアに任せてしまっている。
しかし、こんな言葉は絶対に口にしてはならない。
その無力感を1番に味わっているのが、他でもないリディアなのだろうから。
「う、うぁぁぁ」
「いいよ。俺の胸で泣いてくれ」
リディアに胸を貸すと、彼女は大きな声をあげて泣いた。
気丈で、優雅で、優しい彼女の、悔しい涙。
過去の自分へ向けた、悲しい涙だ。
これ以上、俺はリディアに涙を流させたくない。
しばらく経って、リディアの嗚咽は弱まってきた。
リディアは頭を俺の胸から離し、目の周りの赤みを隠すように頭を下げた。
「ごめんなさい、取り乱しました」
「謝らなくていい。顔を上げてくれ」
リディアがゆっくり顔を上げた。
その瞬間、今度は俺が頭を下げた。
「本当に、ごめんなさい」
「え、えっ?」
リディアが困惑の声をあげる。
困惑されるのはわかっていた。それでも、俺はリディアに謝らなければならない。
「リディアの大切な仲間たちが守りたかった聖杯を、知らずとはいえ人質にしてリディアを脅した」
「そ、それは」
「その上、今度はリディアが俺のことを好きになってくれたらいいだなんて思っていた。こんなことをする男のことを、好きになってくれるはずもないのに」
知らなかった、で済む話ではない。
リディアの持つ重い過去に比べたら、俺の願いなど空気より軽い。そして薄っぺらい。
そんなことに、リディアをつき合わせてしまった。仲間が守ってきた聖杯を奪ってしまった。その罪は、重い。
罵詈雑言を覚悟した。
「バカな人ですね」
しかしリディアは、優しく微笑んでいた。
目は泣きすぎて赤く腫れている。頬は乾いていない涙が一筋の光を作っていた。
「なんで、笑えるんだよ」
「聖杯は大事なものです。仲間を守れなかった自分を恨んでいる。それは本当です。でも……」
「でも?」
「だからといって、正輝さんが優しいことに変わりはありません」
「俺が……優しい?」
舌を巻いた。
ここまでの悪行を重ねて、優しいなどという言葉を当てはめてはいけない。糾弾し、断罪するべき存在なのだ。
しかしリディアは、俺を優しいと言った。聞き間違いではない。俺のおうむ返しに、首を縦に振って応えている。
「たった数日の出来事ですけど、正輝さんは私に光を見せてくれました。初めて食べるコンビニのお弁当、美味しかったです。この世界の動物と触れ合えて、楽しかったです。植物に怯える私を助けてくれて、嬉しかったです。将来を考えて働くことをサポートしてくれて、頼もしかったです」
リディアはもじもじとして、頬を赤く染めていった。
そして、
ちゅっ
唐突に、リディアは俺の唇に自らの唇を重ねたのだった。
「あ……」
情けない声だ。でも、これが精一杯の反応だった。
リディアはその辺に落ちていたクッションで顔を隠した。たぶん、顔が真っ赤なのだろう。
「なんで、キスなんか」
「き、キスの理由を聞くなんてよくないと思います!」
「だって、俺は……」
「正輝さん、もういいんです」
「えっ?」
「私の仲間が殉職したこと、私がみんなを守れなかったこと、私が弱いこと。そして正輝さんが聖杯を人質にしたこと、正輝さんが私を彼女にしたこと、正輝さんが私に光を見せてくれたこと。そのすべては、分けて考えるべきです」
「分けてって……」
「結論から言って、私は聖杯を拾ったのが正輝さんで良かったと思っています。だって、こんなに楽しい日々を送ってくれましたから。そして、私の辛い過去を私ごと抱きしめてくれた」
「それは、そうだけど……」
「だから正輝さんが罪を感じる必要はありません」
「うっ、ぐっ……」
ジュワッと、目に熱いものが込み上げてきた。
「今度は正輝さんが泣くんですか?」
「いや、泣かない。大好きなリディアに、泣いている姿なんて見せたくないからな」
「ふふっ、私は大好きな正輝さんにも、泣いている姿は見せますよ?」
「あぁ、泣きなくなったらまた胸を貸すさ」
……あれ? 俺いま、何か重大なことを聞き逃したか?
「ま、待ってくれ。いまリディア、なんて言った?」
「2度は言いません」
「そ、そんなぁ」
「私は行動で示します」
ちゅっ
2度目のキスもまた、唇にだった。
「察してください、おバカな彼氏さん」
リディアの顔は、クッションに隠された。
「逃げるって、ここですか」
メゾングレイル201号室。
俺には逃げられる場所などここしかなかった。
「仕方ないだろ、アテもないし他の人を巻き込むわけにはいかない」
「それはそうですけど」
リディアの髪は乱れ、麗しい金髪が鼻や目にかかっている。彼女は部屋に上がってからそれを整えた。
「頼れる武装組織などないのですか?」
「この国にいるにはいるけど、駐屯地は近くにはない」
「そうですか」
というか、魔法的な存在に武器弾薬が効果的なのかは不明瞭だ。
でも一応用心しておくのが人間というもの。俺はキッチンに置いてあったしばらく使っていない包丁を机の上に置いた。
「…………」
「…………」
しばし、無言の時が続いた。
リディアは逃げたくなかった。オーヴェリアと共に戦いたかった。
それでも俺は、彼女の手を取って逃げた。オーヴェリアから命じられたとはいえ、それが正解だったのか。正直、俺が答えを出せるものでもない。
「私は」
リディアがポツリと呟いた。その言葉一音一音に耳を傾ける。
「私は、いつまでも弱いままですね」
「どうしてそう思うようになったんだ」
聞いてもいいのか躊躇っていた。しかし、こんな状況になってまで、逃げてもいられない。
「私にはたくさんの仲間がいました。一緒に育ち、一緒に勉強した聖杯協会の仲間です」
「いました、ってことは」
「はい。そのほとんどが殉職しました」
やはりか。
リディアの辛そうな表情を見て、俺も辛くなった。本当は思い出したくもないトラウマのはずだ。
「聖杯が現れてから数ヶ月間。私たち聖杯協会とグリスティン・ワルディアル率いる邪神信者たちは幾度となくぶつかり、そして何人もの命を落としていきました」
「グリスティンの野郎にも仲間がいたのか」
「はい。邪神信者たちは混沌の世界にこそ、自由があると信じているのです。規律なき世界の自由なんて、ただの横暴でしかないのに」
要は自分たちが好き勝手やりたいから、そのための力を聖杯にもらおうという魂胆か。
「邪神信者はほぼ壊滅。私たちも半壊。どちらも満身創痍の中で迎えたのが、最終決戦でした」
最終決戦。おそらく、リディアが日本に来る原因となった戦い。
「グリスティンの予想外の強さに、聖杯協会は追い込まれました。そこで万一のために、聖杯を持ち出して逃げることにしたのです。その時に選ばれたのが、私でした」
「オーヴェリアが戦っている間に、聖杯を持ち出してできるだけ遠くに行く任務か」
「……どうして私だったと思います?」
「それは……リディアが責任感があって、聖杯を大事に持ち運ぶと思われたからだろ」
「正輝さんは優しいですね。オーヴェリア様も、直接理由を口にはされませんでした」
もう、リディアが次に何を言うのか理解できた。
できれば耳を塞ぎたい。でも、向かい合わなければならない。
リディアはスカイブルーの瞳に涙を浮かべ、震える声を絞り出した。
「わ、私が、弱かったから。聖杯協会、で、いっ、1番、弱かったから」
リディアは激しく嗚咽した。
俺はそんな彼女を抱きしめてやることしかできない。
抱きしめた彼女は華奢で、弱々しくて、震えていた。
そんな彼女すら守れない俺は無力だ。結局いまもオーヴェリアに任せてしまっている。
しかし、こんな言葉は絶対に口にしてはならない。
その無力感を1番に味わっているのが、他でもないリディアなのだろうから。
「う、うぁぁぁ」
「いいよ。俺の胸で泣いてくれ」
リディアに胸を貸すと、彼女は大きな声をあげて泣いた。
気丈で、優雅で、優しい彼女の、悔しい涙。
過去の自分へ向けた、悲しい涙だ。
これ以上、俺はリディアに涙を流させたくない。
しばらく経って、リディアの嗚咽は弱まってきた。
リディアは頭を俺の胸から離し、目の周りの赤みを隠すように頭を下げた。
「ごめんなさい、取り乱しました」
「謝らなくていい。顔を上げてくれ」
リディアがゆっくり顔を上げた。
その瞬間、今度は俺が頭を下げた。
「本当に、ごめんなさい」
「え、えっ?」
リディアが困惑の声をあげる。
困惑されるのはわかっていた。それでも、俺はリディアに謝らなければならない。
「リディアの大切な仲間たちが守りたかった聖杯を、知らずとはいえ人質にしてリディアを脅した」
「そ、それは」
「その上、今度はリディアが俺のことを好きになってくれたらいいだなんて思っていた。こんなことをする男のことを、好きになってくれるはずもないのに」
知らなかった、で済む話ではない。
リディアの持つ重い過去に比べたら、俺の願いなど空気より軽い。そして薄っぺらい。
そんなことに、リディアをつき合わせてしまった。仲間が守ってきた聖杯を奪ってしまった。その罪は、重い。
罵詈雑言を覚悟した。
「バカな人ですね」
しかしリディアは、優しく微笑んでいた。
目は泣きすぎて赤く腫れている。頬は乾いていない涙が一筋の光を作っていた。
「なんで、笑えるんだよ」
「聖杯は大事なものです。仲間を守れなかった自分を恨んでいる。それは本当です。でも……」
「でも?」
「だからといって、正輝さんが優しいことに変わりはありません」
「俺が……優しい?」
舌を巻いた。
ここまでの悪行を重ねて、優しいなどという言葉を当てはめてはいけない。糾弾し、断罪するべき存在なのだ。
しかしリディアは、俺を優しいと言った。聞き間違いではない。俺のおうむ返しに、首を縦に振って応えている。
「たった数日の出来事ですけど、正輝さんは私に光を見せてくれました。初めて食べるコンビニのお弁当、美味しかったです。この世界の動物と触れ合えて、楽しかったです。植物に怯える私を助けてくれて、嬉しかったです。将来を考えて働くことをサポートしてくれて、頼もしかったです」
リディアはもじもじとして、頬を赤く染めていった。
そして、
ちゅっ
唐突に、リディアは俺の唇に自らの唇を重ねたのだった。
「あ……」
情けない声だ。でも、これが精一杯の反応だった。
リディアはその辺に落ちていたクッションで顔を隠した。たぶん、顔が真っ赤なのだろう。
「なんで、キスなんか」
「き、キスの理由を聞くなんてよくないと思います!」
「だって、俺は……」
「正輝さん、もういいんです」
「えっ?」
「私の仲間が殉職したこと、私がみんなを守れなかったこと、私が弱いこと。そして正輝さんが聖杯を人質にしたこと、正輝さんが私を彼女にしたこと、正輝さんが私に光を見せてくれたこと。そのすべては、分けて考えるべきです」
「分けてって……」
「結論から言って、私は聖杯を拾ったのが正輝さんで良かったと思っています。だって、こんなに楽しい日々を送ってくれましたから。そして、私の辛い過去を私ごと抱きしめてくれた」
「それは、そうだけど……」
「だから正輝さんが罪を感じる必要はありません」
「うっ、ぐっ……」
ジュワッと、目に熱いものが込み上げてきた。
「今度は正輝さんが泣くんですか?」
「いや、泣かない。大好きなリディアに、泣いている姿なんて見せたくないからな」
「ふふっ、私は大好きな正輝さんにも、泣いている姿は見せますよ?」
「あぁ、泣きなくなったらまた胸を貸すさ」
……あれ? 俺いま、何か重大なことを聞き逃したか?
「ま、待ってくれ。いまリディア、なんて言った?」
「2度は言いません」
「そ、そんなぁ」
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2度目のキスもまた、唇にだった。
「察してください、おバカな彼氏さん」
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