その無防備が誘ってるみたいで。でも僕らはギリギリでまだ友達。

zanka

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【不安な朝】

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 夢の中でも何度も抱かれた。
 海翔は拓真の背中にしがみつき、自分から彼の快楽を引き出そうと攻めた。
 一度自分の気持ちを知ってしまうともう止められなかった。
 だから誰も好きになりたくなかったのに、と思う。
 真っ白い床に倒れ、体を丸め顔を覆い静かに泣いていると、そんな海翔の髪を撫でた後、愛しい人の気配は去った。
 体を起こすとそこには誰も居なかった。
 何もない、白い床、白い天井、真っ白い空間に自分だけが居た。
『拓真!』
 声が変に響く。
『拓真、どこ!?』
 海翔は立ち上がりやみくもに歩き出す。
『拓真ー!』
 
 白い空間は白いシーツになった。
 目覚めてまず視界に入ったのがそれだった。
「拓真」
 夢で呼んだように海翔は拓真を呼んだ。
 狭い部屋に自分一人、真っ白な空間では無かったが拓真が居ないという点は同じだった。
「どこ?」
 ベッドから下り、ドアを開ける。
 少し歩くとすぐにリビングだった。
「おはよう」
 マコだった。アサミはコーヒーを入れてこちらに歩いてきている。
 二人で休憩するつもりだったようだ。
 アサミは海翔を見て、恥ずかしそうに目を逸らす。
 マコが立ち上がり、海翔の目の前まで来て、
「ほら、服、服! 凄く乱れてるよ」
 と羽織っていただけのシャツのボタンを閉めてくれた。
「拓真が居ないんだ」
「ああ、大丈夫だから。元カノと話をして駅まで送っていっただけ」
「駅まで、二人で?」
 海翔はそれを聞いて足早に玄関に向かう。
「こら、ちょっとの間だから待ってたら?」
「でも、でも!」
「ちゃんと別れてる。本当に送っていっただけ。彼女も情緒不安定だったから、ね」
「いつ行った? すぐ帰ってくるかな?」
「帰ってくるよ。そんなに心配しなくても。信用しなよ、そこは」
「・・・分かった」
 海翔は不安げな眼差しでそういい、黙った。
「食事は待つ? 拓真君戻るまで」
「そうします」
 海翔は窓際まで行き、じっと窓の外を見た。
 燦々とした太陽や晴れ渡った空、風にそよぐ木々を見ても、思い出すのは夢で見たまっ白い景色だった。
 早く帰ってきて。
 ざわざわと心が騒ぐ。
 これを収めることが出来るのは、もう拓真だけだった。
 人を好きになるのは怖い。
 海翔は沈み込む気持ちをどうすればいいか分からなかった。
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