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物語13デート?
しおりを挟む仕事は今日も忙しいかった。昼の忙し時はあっという間に終わり、午後に成り客が店から引いた時に電話が掛かった。
「チーフお電話です」とアルバイトの娘が言った。
「はい横井ですが」
「僕、後藤です。先日メモをお渡ししたのですが。今度のお休みの日に食事でも如何ですか」
電話は、あのCDの忘れ物の後藤さんだった。(どうしよう?太田さんとは公園での約束があるし)こんな風に二人の男性から誘われたことなど無かった。第一後藤さんはお店の客で顔見知りになったばかりだ。いきなりメモを渡されて、食事なんて出来ない。
「すみません。今度の日曜はちょっと・・・」と言うしか無かった。
「では次の休日にでも、如何ですか?」後藤さんからのお誘いは、粘り強く続いた。
私は迷いに迷って、でも何かしら答えなければならない
「来週の予定は無いのですが、でも決めるにしてもまだ日があるし・・・」
「じゃまたお店に電話します。ご迷惑ですか」私が慌てているのを察したのだろう。でも周りの娘達の目も有り少し困った。
「そんなこと無いんですが、でも・・・」と言って電話を渋っていたら
「じゃあまた連絡しますよ。僕は君に一目惚れしたみたいで、また君ともっと良く話しがしたい」と粘られた。私は周りの娘の目もあり、「ではまたそのうちに」ととりあえず電話を切るしかなかった。するとアルバイトの娘が早速
「チーフおデートのお誘いですか?」なんて言ってくる。これでは店では電話は出来ないなと思った。
(何とか考えないと、みんなの噂の種にされるし、バイトの子達に睨みが効かなくなる。どうしよう?)とにかく今度の日曜は、太田さんとの話しはポチの病気を相談しようと思い、後藤さんのことは後でゆっくり考えることにした。でも今後どうしたら良いのだろう?
とりあえず休みを順に付き合っていかなければ、と思ったが、故人曰く「二兎追う物は一兎も得ず」とも言うし、どうしたら良いんだろう?困った、困った、すごく困った!
過去こんな事は無かった。それも二人の男性から一度に誘われるなんて。
こういった場合どちらかに絞るべきか?でも片方を断って、もう片方から振られたら、もう後は無いと思った。
(神様って意地悪だ!今まで出逢いなんて、全然チャンスも無かったのに!)
今度は一遍に、二人の男性から誘われて困った。
とりあえず、先に約束している太田さんとの公園で、犬の相談からして見ようと思った。
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