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物語20仁志の仕事
しおりを挟む仁志さんは何でもコンピューターシステムの、ソフトウエアーの営業をしているとか?
開発部で作ったシステムを、売るのが彼の仕事らしい。(あたしには彼の話の半分も理解出来なかった)
そのシステムがあると、システムを導入した会社の営業は上司の決済を受けるのも、簡単になるらしく商売の効率も上がると言う。
夢を語る彼の顔は、はつらつとして見えた。側のポチはつまなさそうにしていたのだが、最近は仁志さんが連れてきたかわいいマル子ちゃんと遊んでいる。仁志さんが連れているマル子ちゃんは女の子なので、雄のポチも気に入ったのだろう。
長く話しても、帰ろうと愚図らなくなった。
「品物は技術者が作る、でも作っただけでは売れない、俺たちはその便利さや、使いやすさ、使った後の効果を客に提案し、満足して貰い買って貰う。俺たちがいないと会社はやって行かれない」仁志さんは胸を張るのだった。給与もがんばり次第でアップするらしい。
私のバイトの収入と比べても仕方ないのだが、彼の話しについ魅力を感じてしまうのだった。
「今度君のお店に新しいレジスステムを売り込もうと、今社長に話しをしているんだ」と突然言われた。
えーどんな物なんだろう。確かに昼時なんか、お金を貰いレジは大変だ。それが新しく便利になれば、こんなに良いことはない。
「それってどんなシステム?」思わず聞いてみた。でもあたしに解るかな?
「ほら客の注文を聞くでしょ。それを厨房で作り、レジで金を払う。それを今はスタッフが言葉と伝票で伝えているから間違いだって起こすよね」
この後の仁志さんのシステムの話しは、客から注文を取るとそれを厨房に伝え、客には商品が提供されると共に伝票が渡される。客が帰るときはその伝票をレジで照会すれば、勘定も自然に出来るというシステムだった。
でも一つ大きな問題があると言って居た。それは食い逃げの問題だ。
複数の人間が来店し、勘定を払う人は最後に出るとは限らない。出入り口にセンサーを付けて判別するわけにも行かず。開発部門でもその点が問題だったと言う。
食い逃げの手口は様々有る。一人の食い逃げなら、隣の交番で捕まえて貰えるが、複数の客が順に出て行き、最後の客が勘定を払うのかと思って居るとそれが逃げたらすごく困る。
仁志さんの話では食い逃げ防止装置は後で販売するとして、まずレジスステムを売り込むと言うことだった。
確かにレジが楽になれば、多数の客が来てもスムーズに仕事は進む。店にとっても良い話だと思った。
そして仁志さんの仕事は、世間一般の人たちの役に立つ仕事だと感心し、あたしはますます感心してしまった。
そしてこんな男の人が安心して、仕事が出来るような家庭を作れれば、きっと仁志さんも喜ぶと思った。あたしはいつの間にか
(神様、仁志さんと上手く結婚できますように!そうだ今度お宮さんにお賽銭上げよう。それも小銭では無くお札にしよう)そう思った。
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