結婚って? 男性に取り、災難の始めかも?

sin,nisi

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物語28営業の助け

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森松は、俺の助け船に感謝した。森松がちょっとした不始末で、(株)ラストケアー社長の機嫌を損ねたのだ。
訪問する時間が来ても、別の客先でもたついていたのだ。このままだと、ラストケアーを待たせてしまう。
森松はラストケアのプレゼンにミスした。他の会社のトラブル処理で出ていて、ラストケアーのプレゼンに間に合わなかったのだ。
プレゼンの予定問い合わせの電話を、(株)ラストケアーから掛かった時、たまたま受けた俺が出て急遽(きゆうきよ)対応し大事にはならなかった。

ただ俺はラストケアに対し、森松がどのような説明をしているのか、解らなかった。だから説明不足になり、後日直接ノーブルの体制などを、見て貰うことになったのだ。
「大変申し訳ありません。弊社担当の森松が、別のお客様のサポートで出ています。よろしかったら一度、御社社長様か、社長様のご予定が悪いようでしたら、どなたか役員の方に現物を見て頂ければ、百聞は一見石計とも言いますし、ご理解頂けるのでは無いかと思いますが?」
と言うことで数日後ラストケアーの美人役員をノーブルに招待し、システムの説明やフォロー体制・サーバの管理などを見学させた。
(株)ラストケアー美人役員浅田美智子(三七歳)はモデルにしてもおかしくない位の良いスタイルだし、芸能人の誰かに似ていそうな顔立ちだった。
しかし経済観念がしっかりしていて、ノーブルのシステム導入に慎重だった。

「サーバー本体は此処で全てのデータを管理しています。同じバックアップサーバーがロスに有り、東京大震災が来て、此処のサーバーが駄目になっても、ロスのサーバが瞬時に立ち上がり、お客様のシステムは二四時間安心してお使い頂けます。東京とロサンゼルスが同時に動作不可能になる可能性は、ほぼ無いと思いますが?如何でしょうか?」
「ふーん!この体制なら、一応安心ね。あーでもそれはあたしの感想で、会社役員には反対の人も居るから・・・」
「でも社長様はお仕事の問題で苦労されていると聞いていますが?」
「確かに言った言わないで、揉めては居ますが。なんと言っても商品が安いので、これだけ高価なシステムを導入するには、どうしても慎重になるわ」
「おしゃる通りです。物事を決めるのでも、石橋を渡るという事も言われていますが、慎重になりすぎて、石橋にダイナマイトを仕掛けて、壊れたからって言うのは行き過ぎです。」
「えーあなた面白いことを言うのね。森松さんとは印象がかなり違うわね」
「それは人間が違えば言い方も変わります。でも森松も決して御社の利益にならないことはお薦めして居ないはずです。ウチの営業は成績で評価するので無く、お客様からのクレームを、お客様の要望として、解決することにしています。ですから不満がある時には、ご遠慮なく言って下さい。その方が我々の勉強になります」
「あたしはあなた方の先生では無いわ、でも導入してもし不満があれば、遠慮無く言わせて貰うし、システムの作り直しもお願いするかも知れないわ」
「その点はまず仕様を検討する段階で、十分な打ち合わせを行わせて頂きます。その仕様で良ければ、仕様承諾書に印鑑を頂きます。でもまれに設計段階で解らなかったことが出る場合があります。その場合、システムを使い始めて一ヶ月以内にご連絡頂ければ、無償にてその不具合をお直しいたします。ただ使っていて、もっとこうして欲しいとか追加の仕様が出た場合、追加の部分については別見積もりになる場合がありますが、それもご遠慮なく担当の森松にご相談下さい」
「もし森松さんが煮え切らない場合、担当変えと言う事も出来るの?」
「お客様がお望みならそうしますが、でも森松は過去一度もそう言った事が有りません。先日も別の客さま先で、様々なことを説明していましたので、ご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ありませんでした。」
俺はサーバ管理体制が、万全で有ることを丁寧に説明したし森松のミスについても謝った。
その成果が上がり、お客様は喜んでシステムの導入に踏み切った。その結果に森松も満足し、ラストケアに対し万全な、体制でサポートの当たった。

「おかげで助かった。お前には感謝するよ」勤めの帰り同僚達と飲み会で、森松は俺に礼を言った。
「いやお互い様だ、俺だっていつお前に助けて貰わなければならないかも知れない、お互い様だよ」
森松は俺と同じ高校を卒業後、慶応大学に入学し情報工学科を卒業した。
俺とは(株)ノーブルシステムの同期入社の仲間だ。
互いに気が合い、度々会社の帰りに飲んで帰る。
話は主に女の話、どうしたら持てるか?などであったが互いに楽しく話が合った。
俺とは良いライバルであり、親友だった。
最近では互いの女性関係についても、突っ込んだ話をするまでになっていたのだ。

ああ言う気の強いだけで、ブスな女はイヤだとか、どこぞの事務員は良い子だ、でもその娘にはすでに恋人が居るぞ、それを口説くのがやり甲斐がある、女を口説くのも山登りに似ている。等々話に花が咲いていた。
二人とも恋人は欲しかったのだ。
でも飲み会で話すのと、現実ではまったく違う。二人とも女を口説くには少し、職業が営業のくせに消極的だった。
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