結婚って? 男性に取り、災難の始めかも?

sin,nisi

文字の大きさ
32 / 35

物語31森松の助言

しおりを挟む

俺が森松に先日さくらに誤解されたことを話した。何とかさくらの誤解を解きたかった。
「お前、何をやっているんだ」森松に叱られた。
それは先日金町で連れて歩いた女性の事だった。実は彼女は森松の大事な顧客会社の女性役員だったのだ。
ノーブルシステムの現場を見て貰うため、会社に呼んだのだが、森松がちょうど別の客先に出かけたので、俺が変わって彼女を駅まで向かえ、会社に案内したのだ。
それを事もあろうに、さくらに見つかるとは間が悪い。素直に正直に彼女に言えば、問題はなかった。
しかし男一匹、そんな言い訳じみたことは言いたくなかった。
意地と言えば意地だが、俺だってプライドくらいある。まして仕事上の事をいちいち、言い訳がましくは言いたくなかった。
それを勝手に勘違いした、さくらがいけないと思っていた。
森松に話したら、いきなり怒られた。
「お前そんな事で、大事な彼女を傷つけても良いのか?」
「別に傷つけるつもりはないよ。なんと言っても、腹をすかしたのは俺なんだ」
「お前の腹なんか少し減った方が、良いスタイルのなるよ。それよりさくらさんが可哀想だ、きっと泣いているよ」
「そうかな?彼女そんな弱くないと思うけど」
「お前は女心が解ってないな!女性はいつも男性の気持ちを気にしているものだよ。」
「そうかな?」
「お前幾つになったんだ、もういい年だろ。彼女を逃がしたら、もう恋愛は出来ないし、結婚も出来ないぞ」
「そんなものかな?」
「女心はデリケートなんだ。今度合ったら土下座して謝れよ!」
「お前、誰の所為だと思っているんだ。だいたいお前がドジして、予定を二重に入れたのがいけないんだろう、勘弁してくれよな」
「アーそれもそうだな?仕方ない一肌脱ぐか」
「仲直りするのに良い知恵でもあるのか?」
「そんなの解らないよ、適当にするさ。そうだ森井由美子の事も話しておいた方が良い」
「なんで森井の話が出てくるんだ」俺はなぜ以前辛い別れをした女の事を、森松が言い出したのか解らなかった。
森松の話しでは偶然金町のレストランで、横井さくらに『森井由美子』の名前が伝わった事を説明されたが釈然としなかった。
「金町で大西の営業が、さくらさんを口説いていたんだよ。その時たまたま俺が居て無理矢理引き離したときに森井由美子の名前が出た。だからそれに対しても、きちんと話しをした方が良いだろう。」森松は女二人の事を同時にどう説明すれば良いか?考えて居るようだった。ふと思った。何も一緒にするから話しがもつれる。ちゃんと順に話しをすれば、解って貰えるはずだ。
「おい、ちゃんと責任を取ってくれよ」森松はあくまで他人事のように、冷静に考えられるが、おれはさくらを失ったらもう結婚なんて出来ない。
「でもさくらさんて本当に初心で可愛い人だな。きっとお前がノンビリしていたら、大西商事の誰かに攫われるぞ。用心しろよ」
「えー何でそんなこと?さくらに何かあったのか?」そういえばあの森井由美子ももたもたしている間の大西の山岡に取られた。男女の結婚って難しい
「それよりどうやって仲直りするかが問題だ。」
男同士で仲直りのための、浅知恵を働かせる二人だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを 

青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ 学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。 お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。 お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。 レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。 でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。 お相手は隣国の王女アレキサンドラ。 アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。 バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。 バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。 せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました

処理中です...