SECRET 後編

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要注意人物

7

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―直樹side



結城さんと涼さんと一樹さんは3人で仲良くオフィスを出て行った。

仁さんに早く帰れと言われたが・・・。
勉強したいからと言って少し残っていた俺。

うちのオフィスももう誰も居なくなり、俺は隣のオフィスを覗いた。

すると、やっぱり誰もいなかった。

淳さんのデスクのPCはついてるけど、淳さんの姿は見えなかった。

俺は急いで翌日のスケジュールを見た。

明日は、俺等新人はまた涼さんの講習。
午前と午後両方とも講習だけど・・・・15時からは涼さんは会議が入っているようだ。

結城さんが涼さんと離れるのはこの時間か・・・・・・。
会議はきっと・・・19階の会議室。
という事は、研修ルームとは別の階。


その時、
「何してる?」

ッッッ?!
凄い・・・心臓がバクバクした。
ビックリして振り返るとトイレの方から出てきたのは淳さん。

「いや・・・明日の講習何時からだっけと思って・・・」

淳さんの鋭い目は・・・・・何か・・・心の中まで読まれそうで怖くて目を見れなかった。

「本当に?」
低い声で・・・何か疑われてる雰囲気の中、俺は
「はい・・俺、忘れっぽいんです・・・すいません・・・」
「ならいいけど・・・」

淳さんは直ぐにデスクに戻ってまた仕事を始めた。

こっわ・・・。
でも大丈夫。
俺は自分のデスクに戻って鞄を持った。



―淳side

和也チームの新人の直樹。
アイツ大丈夫か?

俺はPCのキーボードを叩きながらふと考えた。
振り返ると・・・確かに明日の予定が書いてある。

でも、アイツが見ていたのは・・・・・・・。
一番下の・・結城の予定だった。


まさかな。
また戻って・・仕事を続けた。

すると、俺のスマホが鳴った。

スマホを触ると、ラインが1件。

俺は直ぐにPCの電源を落とし、オフィスを出た。

地下の駐車場に行って、車に乗ってからまたスマホを見た。


『今終わった!』

・・・・・。

タバコを吸いながら駐車場を出た。
俺は運転しながらラインを打った。

『場所は?』
すると直ぐに、
『汐留』

??????
直ぐそこじゃねーか!!!
慌ててハンドルを切り・・・近くのパーキングに入った。
車を止め電話を掛けると、

アイツは・・・直ぐに電話に出た。
『ビックリした????』
電話の向こうでクスクス笑いながらそう言った・・・。
「・・・・何処?・・・・」
俺がそう言うと、
『イタリア街にいるよ・・・早く来て・・・』

・・・・・。

俺は電話を切って、車から降りて・・・走った。
丁度帰宅するサラリーマンでいっぱいの銀座の街。
人をすり抜け走って行くと・・・。

横断歩道の向こう側にひときわ目立つ女が一人立っていた。
信号が青だけど、アイツはクスクス笑ってそのまま向こう側に立っているんだ。
俺が、走って行くのを分かっているから・・・・・。

嬉しそうに笑って・・・待ってるんだ。


横断歩道を渡り切り・・・俺は足早にアイツの前まで行く・・・・。

すると、アイツは・・・・。
「・・・逢いたかった・・・」
そう言って・・。

俺の胸の中に入ってくる・・・///////////

「見られてる・・・凛・・・」
俺がそう言うと、凛は顔半分以上をマスクで覆って・・・笑った。
「良いのよ・・・見られても・・・」

・・・・・/////////////

空を見上げると・・・大分暗くなってきた。

「ホテル取ってある・・行こう・・・」

凛の肩を抱き・・凛は俺の胸に顔を付け・・・・腰にしがみついてくる。
そして、
「嬉しい・・・」
そう言った。



俺も嬉しい・・・・///////////
こんなところ、涼や一樹に見られてみろ。
ネタにされ、・・・・1か月以上それをネタに・・・笑われるんだ。

だからアイツ等には絶対言わない!

「腹減った?」
凛の肩を撫でて言うと、凛は顔を上げ・・・
「空いたよ・・」
「何食いたい?」
「・・・淳が食べたいもの・・・」

・・・・・それはー・・・・/////////
それお前!!!

「それはダメだなー・・」
俺がそう言うと、凛は首を傾げ俺の顔を見た。
「俺が食いたいもの・・・お前も食ったらー・・・お前共食いになるから」
すると、
凛は顔を真っ赤にさせて・・下を向いた。

大丈夫だよ。
俺・・・
未だに・・・


お前には・・・。
超緊張するから・・・。
無理にそんな事しない。







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