SECRET 後編

誤解と和解 そして私の推しメン

2

時刻は２１時過ぎ




そろそろ店を出ようとしていた時、淳君の電話が鳴った。

淳君はスマホ画面を見て・・私の顔をチラッと見てー・・・笑った。

「あーーー、涼？？晴海の店、早く来いよーーー・・・」

涼・・今終わったんだ。
相変わらず・・・忙しそう・・・・。

淳君は電話を切ると、
「１５分くらいで来る・・・ちゃんと話せ・・・・」

涼・・・怒ってるかな。
さっき・・・
涼追いかけて来てくれたのに、私は聞く耳も持たなかった。

ギュッとスカートを掴み下を向くと、
「結城ちゃん・・・涼はちゃんと話を聞いてくれる奴だよ。ただ最近はマジで・・・仕事が忙しいだけなんだ・・・」

一樹さんが優しく言った。
それは、分かってるんだけど・・・・・。

「アイツ、バカだから仕事忙しくなるとそれしかできなくなるんだ・・・・不器用なんだよ・・・・」

淳君が笑って言った。
淳君だって・・・・きっとそうなるでしょ？？
そう思ったけど、それは言えない。

涼には・・・こんなに素敵な仲間がいるな・・・。

沖縄にも・・・蒼太君とか琢磨君、大和君・・・晃さん。
・・・きっともっといっぱい・・・。
いっぱいいるんだろうな・・・・・・。

少しして、店の外に出ると淳君は自分の車の脇で一服。

「あ・・・、結城ちゃん、あれっ！！」
一樹さんが私の肩を叩き通りの向こうを指さした。

すると、涼の大きな車がレストランの駐車場に入ってきた。

淳君は煙草を咥えたまま私の隣に立つと、

「お前、涼の事好きなの？」
・・・・・・。
「え・・・」
淳君を見ると・・・黒髪の奥の綺麗な目が優しく笑った・・。

黙っていると、淳君はまた・・・・・。
「好きなの？」

好きだけど・・・・・。
でも・・・。
好きだって・・・言い切って良いのか分からない。


私が下を向くと・・・淳君はタバコを吸いながら涼の車の方に歩いて行った。

涼は直ぐに車から降りて来て私の方を見た。




―涼side




俺が車から降りると、淳だけが煙草を吸いながら歩いて近づいてきた。

すると・・・
淳はいきなり俺のネクタイを掴んできて、

「昼間に会ってた女の子は誰？」

はっ？！
何だこいつ・・・・・。

「何お前、・・・飲んでんの？」
俺が言うと・・・淳は少し笑って、
「お前昼間一緒に居た女って誰なんだよ？」


「何？お前に関係ねーだろ？ふざけてんのか？」
俺がそう言うと、淳は少し笑って吸ってたタバコを手に持ち・・・ご丁寧に携帯灰皿に入れた。

チラッと俺の顔を見ると、
「お前さーチョロチョロチョロチョロ・・・・結城以外の女と会ったり・・・誤解されるようなことすんな・・・・・」

は？？？？

「なに？・・・お前に言われたくねーんだけど・・・」
淳は携帯灰皿をポケットに終うと・・・。
「俺はそういうのはしないって知ってるだろ？・・・そういうの嫌いなんだよ、昔から・・・・」
俺の目の前に立ち俺の顔に・・・・ギリギリまで近づけてそう言ってきた。
それはよく知ってる。
「だったら、お前は蓮見の事だけ考えてろよ？」


俺だって・・・・口出されるのは好きじゃない。

でも・・・淳は・・・・・・。

「俺は凛とはもう終わった・・・・だから関係ないんだよ！」

えっ？！
嘘！！
聞いてないぞっ？

「お前何言ってんの？？？」
俺がそう言うと、

淳は少し笑って、俺の胸を押し・・・・・・。

「達也がお前の事・・・・昔と変わったってよく言ってるけど、・・・・お前少し緊張感持った方がいいぞ？？」

まさか・・・・。
コイツー・・・・・。

淳はまた俺に近づいて、今度は肩を押し・・・・。

「俺とお前は・・・昔から好きなタイプ被ってるの・・・・知ってるだろ？」

はぁぁぁぁああ？？？？？？
お前そう来たか！！！！！