SECRET 後編

文字の大きさ
67 / 226
誤解と和解 そして私の推しメン

8

しおりを挟む


講堂内はザワザワつき、他のスタッフたちも心配そうに私たちを見つめた。

涼は一旦考え込み・・・・皆を見つめた。


皆がふざけて言っているわけじゃないのは分かってる。
でも・・・・・。

「結城さんやっぱ嫌ですよね???」
一番前に居た健二はシュンっとしながら言った。
・・・どうしよう・・・涼が・・・困ってる・・・。

イヤとかじゃなくて・・・・。
そのー・・・・・。キス講習だって結構ドキドキするというか・・・・。
かなりの勇気というか。

でも、ここで拒否したら・・・疑われちゃうのかな。
私達・・・・・。


「・・・涼・・・」

私は拳を握って・・立ち上がった。
涼は少し驚いた顔で私を見た・・・。

私は涼の方に歩いて行って、

「涼・・・いいよもう・・私大丈夫だから・・・」
「イヤイヤ、・・・流石にこれはダメ・・・・」

涼は下を向いて教卓に手を付き言った。

「だって・・・疑われる・・・何かあったら私達・・・・」
・・・・今は会員じゃない・・・でも・・ここまで来たのに・・・
「・・・・んーーーーー・・・。」

「脱がないでしょ??・・・見えるとこだけでしょ??」
自分でも何言ってるんだって・・・そう思ったけど、涼が困っているのは見たくない・・・・・。

「涼・・・」
「・・・・・」
涼は私の目を見つめ、


「・・・よし・・・じゃぁ、・・・その講習は次回やる・・。但し、次回の順位でランクアップする意気込みがある者だけ参加で。自信がないなら受けさせられません」
皆は一瞬黙って・・・・。
でも、
「順位上がらなかったら・・・どうするんですか??」
健二がそう質問してきた。

「一週間毎日レポート提出。なんで、そこまでしたのに自分が上がらなかったか。それが無理な者は講習の申し込みはしない事。」

涼がそう言うと、
すると、
「口以外にキスするだけでしょ?脱げって言ってるわけじゃないんだからそこまでしなくてもいいんじゃないですか?」
一番端にた若い受講生が言った。

えっ・・・って思ったが、涼は直ぐにその子の方に歩いて行き、
「じゃぁ、お前できるか??」
「え??」
「立てよ」
涼がそう言うとそのスタッフは慌てて、
「あ・・・あの・・・そう言う意味じゃ・・」
「いいから立てよ!」

怒ってるっ・・・・。
わーーー!!
ダメダメ、怒らないでーーー

「涼っ!!」
私が涼を止めると、

「なぁ、体にキスするだけって言ったよな?してやるからスーツ脱げ?」
ひぃっ・・・・・
「・・・いやっ・・あの!!・・」

わわわわわわわわーーーーーーー/////////////
「ん?そう言う意味だろ?早く脱げよっ!!」
私は涼の腕をグイッと掴み・・・・。

「もういい・・涼・・止めてって・・」
「自分でできない事を、簡単みたいに言うなよ」

そう言ってその受講生の肩を押し、

戻った・・・・・・。

「えーっとー・・・、君等は・・・人前でそういう事をするのに抵抗はないの?・・・俺はある。・・・相手は結城なら尚更だ!・・・今までは、ロープレ講習なんてやってこなかった。君等の先輩達は実戦で頑張って覚え、今お客様たちに沢山の支持をもらってるんだ・・・・。」

確かに・・・・。
でも、昔はこうだったとか・・・皆嫌がるって聞くけど・・・・。
状況によっては必要だよね。

「だから、どうしてもロープレが見たいなら・・・見た成果を上げてほしい。それが出来る自信がないなら無駄に見に来ないでほしい!ただそれだけです。」

涼って・・・・・。
基本、真面目なんだよね・・・・。

「次回、それなりに俺も結城も・・・皆に良いものを見せれるよう努力をするのでその辺よろしくお願いします。・・・んじゃー・・・今日はこれで終わり!!」

少し早いけど、涼は荷物をまとめ・・・・。
「結城、・・・オフィスでコーヒー飲もう!」
そう言って私の腕を掴んだ。

講堂を出て二人でエレベーターへ向かった。

涼・・・・・・。


すると、
「涼さんっ!!」

後ろから声が聞こえ・・・一緒に振り返ると・・・さっき涼に言い返したスタッフが追いかけて走ってきた・・・・。

その子は私たちの前まで来ると、
「・・・あのっ・・さっき・・・すいませんでした!!」
そう言って、頭を下げた。

涼は呆れた顔をして、
「結城に謝れーーーっ!」
そう言った。

すると、そのスタッフは私の方を見て、
「結城さん・・・・本当にすいませんでした!!」

「あ・・あの、そんな・・」
「俺・・・最近指名全然もらえないし、以前予約してくれてた人も・・・新人に取られるし。どうしたらイイか分からなくって・・・」
えっ・・・・・・。
そんな子もいるのか・・・・・。

涼は講習参加者名簿を見ながら、
「お前はー・・・・次の講義・・出るの??」

「出たいけど・・・ランクアップは難しいかなって・・・・・」
「名前はー???何階の・・チーフ誰??」
すると、
「湊さんのチームです・・・。」

えっ?!
湊君?!
って事は・・・・新人に取られたって・・・その新人って大聖君????




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サディスティックなプリテンダー

櫻井音衣
恋愛
容姿端麗、頭脳明晰。 6か国語を巧みに操る帰国子女で 所作の美しさから育ちの良さが窺える、 若くして出世した超エリート。 仕事に関しては細かく厳しい、デキる上司。 それなのに 社内でその人はこう呼ばれている。 『この上なく残念な上司』と。

隣人はクールな同期でした。

氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。 30歳を前にして 未婚で恋人もいないけれど。 マンションの隣に住む同期の男と 酒を酌み交わす日々。 心許すアイツとは ”同期以上、恋人未満―――” 1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され 恋敵の幼馴染には刃を向けられる。 広報部所属 ●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳) 編集部所属 副編集長 ●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳) 本当に好きな人は…誰? 己の気持ちに向き合う最後の恋。 “ただの恋愛物語”ってだけじゃない 命と、人との 向き合うという事。 現実に、なさそうな だけどちょっとあり得るかもしれない 複雑に絡み合う人間模様を描いた 等身大のラブストーリー。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ 慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。    その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは 仕事上でしか接点のない上司だった。 思っていることを口にするのが苦手 地味で大人しい司書 木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)      × 真面目で優しい千紗子の上司 知的で容姿端麗な課長 雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29) 胸を締め付ける切ない想いを 抱えているのはいったいどちらなのか——— 「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」 「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」 「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」 真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。 ********** ►Attention ※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです) ※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。 ※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ダブル・ミッション 【女は秘密の香りで獣になる2

深冬 芽以
恋愛
 T&Nグループ改革から一年。  T&N観光の副社長である咲《さく》の第二秘書として働く伊織《いおり》は、自身の兄で咲の先輩でもある蓮《れん》が社長を務めるデザイン事務所『SIINA《しいな》』に潜入する。  潜入初日、伊織は幼馴染で初恋の相手・圭《けい》と四年振りに再会する。  圭もまたT&N開発の専務で咲の夫・蒼《そう》の指示でSIINAに潜入していた。  伊織は仕事《ミッション》の妨げにならないようにと圭を突き放すが、圭は執拗に伊織を求める。  「俺が欲しいのはお前だけだよ」  「もう身体だけじゃ満足できない--。今度こそお前の心を手に入れる」  互いの身分と目的を知らない二人は、近づけば近づくほどに互いを疑い、すれ違う。  極秘情報売買を調査する伊織。  横領事件を調査する圭。  互いの計画と、伊織と圭の関係を知った咲と蒼は、もう一つのミッションを仕掛ける――――。  咲と蒼、伊織と圭、それぞれのミッションの行方は……?

Home, Sweet Home

茜色
恋愛
OL生活7年目の庄野鞠子(しょうのまりこ)は、5つ年上の上司、藤堂達矢(とうどうたつや)に密かにあこがれている。あるアクシデントのせいで自宅マンションに戻れなくなった藤堂のために、鞠子は自分が暮らす一軒家に藤堂を泊まらせ、そのまま期間限定で同居することを提案する。 亡き祖母から受け継いだ古い家での共同生活は、かつて封印したはずの恋心を密かに蘇らせることになり・・・。 ☆ 全19話です。オフィスラブと謳っていますが、オフィスのシーンは少なめです 。「ムーンライトノベルズ」様に投稿済のものを一部改稿しております。

処理中です...