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誤解と和解 そして私の推しメン
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しおりを挟む講堂内はザワザワつき、他のスタッフたちも心配そうに私たちを見つめた。
涼は一旦考え込み・・・・皆を見つめた。
皆がふざけて言っているわけじゃないのは分かってる。
でも・・・・・。
「結城さんやっぱ嫌ですよね???」
一番前に居た健二はシュンっとしながら言った。
・・・どうしよう・・・涼が・・・困ってる・・・。
イヤとかじゃなくて・・・・。
そのー・・・・・。キス講習だって結構ドキドキするというか・・・・。
かなりの勇気というか。
でも、ここで拒否したら・・・疑われちゃうのかな。
私達・・・・・。
「・・・涼・・・」
私は拳を握って・・立ち上がった。
涼は少し驚いた顔で私を見た・・・。
私は涼の方に歩いて行って、
「涼・・・いいよもう・・私大丈夫だから・・・」
「イヤイヤ、・・・流石にこれはダメ・・・・」
涼は下を向いて教卓に手を付き言った。
「だって・・・疑われる・・・何かあったら私達・・・・」
・・・・今は会員じゃない・・・でも・・ここまで来たのに・・・
「・・・・んーーーーー・・・。」
「脱がないでしょ??・・・見えるとこだけでしょ??」
自分でも何言ってるんだって・・・そう思ったけど、涼が困っているのは見たくない・・・・・。
「涼・・・」
「・・・・・」
涼は私の目を見つめ、
「・・・よし・・・じゃぁ、・・・その講習は次回やる・・。但し、次回の順位でランクアップする意気込みがある者だけ参加で。自信がないなら受けさせられません」
皆は一瞬黙って・・・・。
でも、
「順位上がらなかったら・・・どうするんですか??」
健二がそう質問してきた。
「一週間毎日レポート提出。なんで、そこまでしたのに自分が上がらなかったか。それが無理な者は講習の申し込みはしない事。」
涼がそう言うと、
すると、
「口以外にキスするだけでしょ?脱げって言ってるわけじゃないんだからそこまでしなくてもいいんじゃないですか?」
一番端にた若い受講生が言った。
えっ・・・って思ったが、涼は直ぐにその子の方に歩いて行き、
「じゃぁ、お前できるか??」
「え??」
「立てよ」
涼がそう言うとそのスタッフは慌てて、
「あ・・・あの・・・そう言う意味じゃ・・」
「いいから立てよ!」
怒ってるっ・・・・。
わーーー!!
ダメダメ、怒らないでーーー
「涼っ!!」
私が涼を止めると、
「なぁ、体にキスするだけって言ったよな?してやるからスーツ脱げ?」
ひぃっ・・・・・
「・・・いやっ・・あの!!・・」
わわわわわわわわーーーーーーー/////////////
「ん?そう言う意味だろ?早く脱げよっ!!」
私は涼の腕をグイッと掴み・・・・。
「もういい・・涼・・止めてって・・」
「自分でできない事を、簡単みたいに言うなよ」
そう言ってその受講生の肩を押し、
戻った・・・・・・。
「えーっとー・・・、君等は・・・人前でそういう事をするのに抵抗はないの?・・・俺はある。・・・相手は結城なら尚更だ!・・・今までは、ロープレ講習なんてやってこなかった。君等の先輩達は実戦で頑張って覚え、今お客様たちに沢山の支持をもらってるんだ・・・・。」
確かに・・・・。
でも、昔はこうだったとか・・・皆嫌がるって聞くけど・・・・。
状況によっては必要だよね。
「だから、どうしてもロープレが見たいなら・・・見た成果を上げてほしい。それが出来る自信がないなら無駄に見に来ないでほしい!ただそれだけです。」
涼って・・・・・。
基本、真面目なんだよね・・・・。
「次回、それなりに俺も結城も・・・皆に良いものを見せれるよう努力をするのでその辺よろしくお願いします。・・・んじゃー・・・今日はこれで終わり!!」
少し早いけど、涼は荷物をまとめ・・・・。
「結城、・・・オフィスでコーヒー飲もう!」
そう言って私の腕を掴んだ。
講堂を出て二人でエレベーターへ向かった。
涼・・・・・・。
すると、
「涼さんっ!!」
後ろから声が聞こえ・・・一緒に振り返ると・・・さっき涼に言い返したスタッフが追いかけて走ってきた・・・・。
その子は私たちの前まで来ると、
「・・・あのっ・・さっき・・・すいませんでした!!」
そう言って、頭を下げた。
涼は呆れた顔をして、
「結城に謝れーーーっ!」
そう言った。
すると、そのスタッフは私の方を見て、
「結城さん・・・・本当にすいませんでした!!」
「あ・・あの、そんな・・」
「俺・・・最近指名全然もらえないし、以前予約してくれてた人も・・・新人に取られるし。どうしたらイイか分からなくって・・・」
えっ・・・・・・。
そんな子もいるのか・・・・・。
涼は講習参加者名簿を見ながら、
「お前はー・・・・次の講義・・出るの??」
「出たいけど・・・ランクアップは難しいかなって・・・・・」
「名前はー???何階の・・チーフ誰??」
すると、
「湊さんのチームです・・・。」
えっ?!
湊君?!
って事は・・・・新人に取られたって・・・その新人って大聖君????
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