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流れ着く者
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しおりを挟む事件は突然やってくる。
今日は社長の誕生日パーティー。
いつものように涼達と出勤し、今日は全員残業禁止で夕方から都内のホテルでパーティーが開催される。
ドレスは、この前と同じだとまずいと言われて・・・今日また涼と一緒に購入しに行く予定だ。
「お前仕事で忙しいなら俺が買い物付き合って行ってもいいんだぞ??」
会社のエレベーター内で淳が涼にそう言って笑った。
涼は淳の方をチラッと見て、
「うるせーなー・・・・・お前暇なのか?」
朝からこんなやり合いが・・・最近はしょっちゅうだ。
そして、
「あー・・・もう、お前ら煩い!!」
と、一樹さんが間に入る。
ゴチャゴチャ言ってると、あっという間に10階に到着。
フロアに着くと・・・祐ちゃんが和也さんと一緒にカウンターで神妙な面持ちでPCを見ていた。
「おはようございますー・・・・・」
私が挨拶をすると・・・・、祐ちゃんと和也さんは同時に顔を上げて・・・・。
「あ、・・・おはようございます・・・結城ちゃん、・・ちょっと・・・皆も今いいですか????」
祐ちゃんは和也さんと目配せをしながらそう言った。
何か・・・あったのかな。
私何かした????
「・・・どうした??」
涼がカウンターに入り、祐ちゃんが見ていたPCの画面を見た。
すると、一瞬・・涼の動きが止まる。
「なんだよ・・・どうした??」
淳がそう言って、一樹さんもカウンターに近寄った。
すると、
「・・・・今日から・・・このフロアーに出入りする人が一人増えます・・・・・」
祐ちゃんが重い口を開いた。
ん????
新しい・・・スタッフ??
私が首をかしげていると、一樹さんが・・・・・。
「・・・・まさか・・・」
え???
何々???
すると、祐ちゃんは黙って頷く。
え・・・??何この空気・・・・。
そして、淳が・・・・。
「違反者?」
えっ?!
私はビックリして淳を見た。
すると、祐ちゃんは・・・・・。
「他フロアスタッフで不祥事がありました」
・・・・嘘っ・・・
違反者さんって・・・ことは、女性???
「でも、うちのフロアーは結城がいるからダメだろ?」
淳が言った。
「今は、講師が涼だから・・・・このフロアーで世話をすることになったんだ。和也の方で見てもらうから、結城ちゃんには接触しないように注意してみてくれ・・・・。」
え・・・・・・・。
和也さんの方を見ると、和也さんはニッコリ笑って・・・・。
「結城ちゃんは普段通りやってくれて大丈夫だからね、俺らが見てるから安心してね」
和也さんーー・・・・//////////
「オフィス内に女性がいることは、今日説明をします。今回は違反レベル7なので、違反者会員様には厳重注意と、社内の事を口外せぬよう念書にもサインを頂きますのでご安心を・・・・。」
レベル7???
って何ッ?????
「よって、本日は全体朝礼があります。違反者会員様は朝礼には出席は致しません。10時45分から出社します・・。朝礼では不祥事の報告が行われます・・・。」
本当にこんな事あるんだ。
私達は皆でエレベーターに乗り、講堂に向かった。
「俺は淳と一樹は前に行かないといけないから、結城は健二と拓海と一緒にいな??あいつ等もう行ってるからさ・・・・。」
涼は祐ちゃんに渡された資料を見ながら言った。
「あ・・うん・・・。」
なんか、凄い・・・緊張感。
すると、
「結城ちゃんは、違反した会員さんがここに来た意味とかは・・・・知ってる?」
一樹さんが言った。
ここに来た・・・意味。
ゴクっとつばを飲み込む。
チラッと噂で聞いた程度・・・・。
違反者の行く末・・・・。
「コイツには詳しくは話してない、・・・後で話すよ」
涼はそう言って私の頭を撫でる・・。
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