SECRET 後編

文字の大きさ
78 / 226
流れ着く者

2

しおりを挟む

講堂に到着し、私は直ぐに健二と拓海に引き渡された。
涼たちは一番前の並びに向かった。

私を真ん中にして、両側に健二と拓海が座って・・・・拓海の横には隆太が来た。

「違反を起こしたスタッフさん・・・北海道移動みたいですねー・・・」
健二は正面を見ながらそう言った。

北海道・・・・・。
それって、左遷ってことなのかな。

「・・・・そうなんだ・・・」
「女性は・・・42歳・・・大手企業の社長夫人だったんだけど今回のこと・・旦那にもバレて離婚」
拓海も眼鏡を直しながらそう言って、・・・・更にため息をつきながら・・・・。

「・・・・でも・・クラブで働く方を選ぶなんて・・・・」
そう言った。

レベル7とか・・・。
クラブで働くとか・・・・。
一体どういう感じなのかな。

まだ私には状況が読めない。

すると、
「今回の違反項目は・・・結構ヤバくて、左遷になったスタッフがー・・・同じフロアのスタッフの個人情報を違反者会員さんに流して金貰ってたらしいんですよ・・・」

えっ・・・・・。
何それ・・・・。

「しかも、そのスタッフは途中から脅されて・・・・外でも会うようになって、その行動がエスカレートしてー・・・同棲してたらしいですよ?」

ど・・・・同棲????

「てか、・・・違反者さんって・・・OHで働くのが罰なの??」
私が二人に聞くと、二人は顔を見合わせ・・・・・。

「・・・中々いないですよ・・・。違反レベルにもよりますが、一番軽いレベル1・・・連絡先を交換した。とかだと会員様は1ヵ月入店禁止、2は3か月。3は他店舗への変更。4は半年以上の休会と他店舗への移動。」

そういう・・・レベル違いの罰があるのか。

健二は隣に座る隆太に、
「レベル5からはグッと上がって・・・何になるか隆太覚えてる?」

そう聞くと、隆太は少し考え・・・・。

「確か・・・、5は・・・退会(入会金返金なし)か、スタッフの講習商材になる。(キス迄)・・・でしたよね?」

退会か・・・商材っ???
どっちかなのっ?!

「じゃ、レベル7って・・・・・」
私が言うと、拓海は・・・・・。

「退会、今後再度入会は不可。もしくは・・・スタッフの講習商材(制限なし)に参加する」

え・・・・・。
制限なしッ?!

「ヤバいですよー・・・・8は、強制退会+商材で、9は最大レベルで、強制退会+都内のクラブの講習商材5年間ですよ??」

5っ・・・・・。

それはヤバい。
それって何するとそんな事になるんだ???

「9とかは今まで見たことないですけどー、スタッフとの個人的付き合い、金銭の授受、情報の拡散漏洩、OHに不利益を齎す行為。とかですかね・・・そういうのは役員会で決定するから、何がとは言い切れないですけどね・・・・。」

拓海がわかりやすく説明をしてくれた。
そうなんだ・・・・。

てか、私も・・・涼との事・・・あの時処罰されてたら・・・・そういうのになっていたのかな。

すると、
「でもー・・・商材になる人って中々いないですよ。5とか以前いたけど、大体皆退会するし・・・スッゴイ珍しいと思いますよー・・・・」
健二がそう言った。

そりゃそうだよね。



すると、

「今回ー・・・・そのー・・・違反会員様・・・・結構ヤバいらしいですよ」
健二が私の耳元でコソッと言った。
ヤバい???

「何が???」
私がそう言うと、
健二は、ニカッと笑って・・・・・。

「見た目ー・・・・・」

えっ?!
あー・・・・・。
見た目ねー・・・、それは・・・仕方ないよね。

「でもほら、・・・・そんなの言ってらんないでしょ?会員さんって色んな人がいるんだろうし・・・・」
私がそう言うと、拓海は苦笑いして・・・・・。
「まぁ、・・・贅沢は言えないですけどねー・・・でも僕ら若手にはかなり重要な問題です」

そ・・・・そうなのっ???
て・・・てかさー・・・。
商材っていっても・・・流石にHしたりしないでしょ???

流石にねぇ・・・・・。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

隣人はクールな同期でした。

氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。 30歳を前にして 未婚で恋人もいないけれど。 マンションの隣に住む同期の男と 酒を酌み交わす日々。 心許すアイツとは ”同期以上、恋人未満―――” 1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され 恋敵の幼馴染には刃を向けられる。 広報部所属 ●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳) 編集部所属 副編集長 ●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳) 本当に好きな人は…誰? 己の気持ちに向き合う最後の恋。 “ただの恋愛物語”ってだけじゃない 命と、人との 向き合うという事。 現実に、なさそうな だけどちょっとあり得るかもしれない 複雑に絡み合う人間模様を描いた 等身大のラブストーリー。

甘過ぎるオフィスで塩過ぎる彼と・・・

希花 紀歩
恋愛
24時間二人きりで甘~い💕お仕事!? 『膝の上に座って。』『悪いけど仕事の為だから。』 小さな翻訳会社でアシスタント兼翻訳チェッカーとして働く風永 唯仁子(かざなが ゆにこ)(26)は頼まれると断れない性格。 ある日社長から、急ぎの翻訳案件の為に翻訳者と同じ家に缶詰になり作業を進めるように命令される。気が進まないものの、この案件を無事仕上げることが出来れば憧れていた翻訳コーディネーターになれると言われ、頑張ろうと心を決める。 しかし翻訳者・若泉 透葵(わかいずみ とき)(28)は美青年で優秀な翻訳者であるが何を考えているのかわからない。 彼のベッドが置かれた部屋で二人きりで甘い恋愛シミュレーションゲームの翻訳を進めるが、透葵は翻訳の参考にする為と言って、唯仁子にあれやこれやのスキンシップをしてきて・・・!? 過去の恋愛のトラウマから仕事関係の人と恋愛関係になりたくない唯仁子と、恋愛はくだらないものだと思っている透葵だったが・・・。 *導入部分は説明部分が多く退屈かもしれませんが、この物語に必要な部分なので、こらえて読み進めて頂けると有り難いです。 <表紙イラスト> 男女:わかめサロンパス様 背景:アート宇都宮様

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

灰かぶりの姉

吉野 那生
恋愛
父の死後、母が連れてきたのは優しそうな男性と可愛い女の子だった。 「今日からあなたのお父さんと妹だよ」 そう言われたあの日から…。 * * * 『ソツのない彼氏とスキのない彼女』のスピンオフ。 国枝 那月×野口 航平の過去編です。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...