SECRET 後編

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流れ着く者

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・・・・・・・・・。

「結城?」
ッッッ?!

私は持っていた資料を落とし振り返った。

そう、・・・もう全体朝礼も終わり、私はオフィスに戻っていた。
私を呼ぶのは、涼・・・・・・。

「大丈夫か?」
涼が心配そうに言って私が落とした資料を拾った。


「・・・・うん・・・・・。」
涼は私に資料を渡し・・・・頭をポンっと撫でた。
「フロアー朝礼する、あまり・・・考えこまないで・・・・な??」
・・・・・・・。

「うん・・・・・」
私は頷きデスクに資料を置いた。




ん????
正面を見ると、
斜め前に居る健二がデスクに置かれた紙を見ながら固まっていた。

「健二???・・・どうしたの???」
私が歩み寄り言うと、
健二は涙目で私の方を見て来て・・・。

ガシッ!!!!
と、私の両腕を掴み・・・・

ッッッ?!

「結城さん!!!一生のお願い!!」
「ぇえっ?!・・・なにっ?!」

そう言うと、健二の隣の席の拓海が参った顔をして・・・・・。

「はぁぁ・・・。今日の講習がー・・・・実技に変更されてるー・・・最悪だぁー・・・・」
そう言ってデスクに顔を伏せた。

えっ・・・
実技???
どういう事????

「結城さん!!俺、100万・・・イヤ、200払うから・・・今日の実技結城さんが相手役になってくださいーーーーーーっ!!」
健二は真赤な顔をしてそう言った・・・・・・。

「ぇええっ?!」
すると、
パッコーーン!!!!!
と、健二の頭に何かが飛んで来てスッゴイ勢いでぶつかった・・・・・。


「健二!!結城はそういうバイトじゃねーんだよ!!」
そう言ったのは淳だった。

「だってー・・・・。」
健二は、自分の頭に直撃してきた雑誌を拾いながら泣き泣きデスクに伏せてしまった。

てか・・・。
実技って・・・なにすんの?


そんな思い雰囲気の中、フロアーの朝礼が始まった。
「はいーーーっ!!・・・んじゃ、今日の伝達事項をお伝えしますねー・・・」
和也さんが手を上げて話をし出した。
「今日から違反者会員様がこのフロアーで働くことになっています。」

遂に、来るのか・・・・・・。


「名前は村田沙苗さん、40代・・・。彼女は今後11時から来てもらいます。違反者さんなので自己紹介や歓迎会・・そういったものは致しません」

「でー・・・今夜の社長のパーティーは18時半からいつものホテルにて開催します。村田さんにはそういったイベントの話や会社内の話などはしないでください。」

完全に、講習の商材って事か・・・・。

「皆さん、今日は残業などしないで直ぐにホテルに向かい準備にかかってください!!」
朝礼はいつも通り・・・元気な挨拶で終わった。


その後直ぐに涼は講習の準備を始めた。

「結城、・・・俺、講習準備が他にもあるから先に淳と講習会場行っててくれる?」

涼は紙袋に資料を纏めて入れ・・・言った。
淳???

「え・・・今日・・・淳も参加するの???」
私がそう言うと・・・涼は笑って・・・。

「今日実技に変更になったから、淳がお客さんキャンセルになったから助っ人頼んだんだよ。・・・昼飯食った後ドレス見に行こうな???」

・・・・・・///////

「あのっ・・涼・・・////実技って・・・・」

実技って・・・・何するの???
涼は私の方をチラッと見て・・・・

「・・・こっちおいで・・・」

・・・・・・。
なんか・・・そんな風に言ってくれるの・・・久々。
私はまるで尻尾を振る犬みたいに涼の横に行った・・・。

「結城が心配することは何もないから・・・。もしも、見ているのが辛かったら・・・同じフロアに応接室があるからそこで休んでて・・・無理しないでな・・・」

そう言って頭を撫でてくれた・・・。

「・・・うん・・・/////」
「ドレスどんなのが良いとか考えてて??」
・・・・・・//////
「うんっ!!//////」


少しずつ・・・・。
少しずつだけど、また・・・
涼との距離が近づいた気がずる。




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