SECRET 後編

OH社長の誕生日パーティー

6

「あー・・・真也さん・・・えっと・・一樹さんを探してて・・・」
「一樹さん？？一樹さんは忙しいんじゃないかなー？？ねね、このホテルのBARフルーツカクテル凄く美味しいんだよ？ちょっと抜け出して飲みにいかない？」

し・・・・真也ワールド・・・・。

「あっ！！・・・大丈夫です。ビンゴやらないといけないし・・・・」
すると・・ギュッと腕をつかみ、
「涼さんと淳さんに・・・俺と関わらないようにとでも言われたの？」

何だろう、この人ー・・・。
この自信満々な感じ。
「・・・・あーー・・・私が・・・健二と話があって・・・・」
「少しここにいてよ・・俺は結城ちゃんと会えるの楽しみにしてたんだよ？？」
・・・・・・・・・。
はぁ・・・・。

「・・・・あ・・・はぁ・・・じゃぁ・・少しだけ・・・」

真也はニコッと笑って、
「結城ちゃんマンションの何階？？」
「あ・・・それはぁ・・皆に言ってないので・・・・」

「そうなの？？俺は最上階・・・涼さんの2つ隣の部屋・・・・」

うわ・・・。
涼とこの人、部屋近いんだ・・・・・。
行くことがあるかは分からないけどちょっと残念。


「・・・明日は何してるの？？全体定休は毎年社長の誕生日の翌日と年末年始だけだから貴重だよね・・・・。」

確かに、中々皆で一緒に休みって・・・難しいというか無理か・・・・。
「明日は・・・予定があって・・・・出かける予定です」
確か涼が予定空けておいてって・・・・言ってた。

すると、
「次の休みはいつ？？」
結構ーーー・・・グイグイ来るな・・・、この人・・・・。
「あー・・・暫く忙しくて・・・・」
私が笑ってそう言うと、
「そうなんだ・・・でもさ、来月から俺銀座だし・・・帰る時とか車で送ってあげるよ！」
そっか・・・この人銀座に来るんだっけ？？？
ちょっと面倒くさいかも。

「ごめんなさい、いつも・・10階の人たちの車しか乗らないから・・・・なるべく他のフロアーの人とは個人的な付き合いはしないようにしてるんです」
私がそう言うと、真也の顔から笑顔が消え・・・・。

「・・すごい徹底ぶりだね・・他と接触しないの？？」
「・・・んー・・・そうですね・・」
これで諦めてくれると嬉しいんだけど・・・・・。

「じゃー・・・・、やっぱり今少し抜けようよ？本当、少しで良いから話したいんだ」
「あっ・・・本当に・・マジでビンゴやりたいし・・・」
どんだけビンゴ好きなのよ！アンタって・・思われるくらい必死でビンゴカードを真也に見せた。

「じゃぁーー・・・・わかった、ビンゴが終わったら少し外出よう？すぐ終わるから」
真也は私の肩に手をまわしてそう言って笑った。

すぐ終わる？？
「なにが？？・・・・」
「楽しいこと・・・」

何だこの人。

「・・・・・はぁ・・・あのぉ・・・私・・そんなに軽くないんですけど・・・」
「そういう意味じゃない、ただ・・・・涼さんと淳さんだけにこだわる必要ないんじゃない？？」

は？？？？

真也は最高に格好つけた感じで・・・・。
「俺の・・・事も、試してみない？」

き・・・・・っもーーーーーーー！！！！！
もう、この人どう処理したらいいのか分からないわ。
この人の人気ってマジで薬とか使ってるんじゃないの？

正直そう思った。


すると、
「結城さーん、ここに居たの？？？」

？？？？？？？
この声っ！！！！

ビックリして振り返ると、
「一緒にあっち行こ？ケーキあるよ？」

そう言ってすっと私の手を引いて、真也の横をすり抜ける・・・。
湊君。

「湊さん」
すれ違いざまに、真也は直ぐに声をかけてきて・・・・。
ビクッ・・・としながら私が足を止めると、湊君も足を止め・・・・。
ゆっくり真也の方を見た。

「お前・・・・・しつこいよ」

み・・・湊君っ？？？
今、湊君が言った？？？？
真也は湊君の顔をじっと見て、
「湊さんも結城さんにのめり込んでるんですか？銀座大丈夫？」

・・・・・・・・・・・。

すると、湊君は・・・・・・。

真也の胸をグイッと押し・・・・・・。

「お前が銀座に来た時・・・兄貴たちは直ぐに辞めていなくなるけど、俺はずっと居るんだぜ？・・・・・それ覚えとけよ」

湊君湊君湊君？？？？？？

すると、真也は黙り込み・・・・・。
湊君は私の手を引っ張って・・・真也からかなり遠い会場の端っこへ。