転生して竜の親になりました~でも、スライムなんですけど?!~

桜月雪兎

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竜親、町興し編

一話 転送完了

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 私はちゃんと転生できたらしい。
 なぜかというと真っ暗だけどお腹(?)が地面についているのが分かった。視界が見えないのは痛いなぁ。
 どっちに行くべきか?それとも動かない方がいいのかなぁ?
 それよりどうやって動けばいいの?
 さっきのアステリアさんみたいに誰か教えてくれないかなぁ。自分の姿も見たいし……スライムだけど。
 というより見れるのかな?
 あわわわっ!最初っから前途多難だよ!
≪大丈夫ですよ。スライムの身体は魔素によって動かすことが出来ます≫
 え?アステリアさんの声?何で?
 ……って、私しゃべれないし。何で?!
≪しばらくは戸惑うと思いますのでお手伝いします。あと、スライムには発声器官がないのでしゃべれません≫
 あ、ですよね。
 でも、ありがとうございます!
 それで動くにはどうしたら良いんですか?
≪そうですね。魔力感知スキルを習得すれば可能です。また現在地は暗闇なので魔力感知スキルによって周囲を確認することができます。ちなみに目はあるので明るい場所ならちゃんと見えますからね≫
 了解!
 だけど、どうやって魔力感知スキルを習得するの?
 この体を流れているように感じるモノは風?
 音も聞こえないけど。
≪いいえ、現在体感したモノが魔素となります。よって魔力感知を確認……取得しました。ちなみに耳はないですが、音は聞こえますよ≫
 マジ?
 ん?……おお!すぐに『魔力感知』習得できた。
 あ、頭の中で『魔力感知』を展開するかって項目が出た。
 もちろんしますよ!
 そう念じると私の周りがよく見えるようになった。
 どうやらちゃんと展開したらしい。
 これで一番最初に知ったのはここが洞窟の中だったことだね。
 状況確認ができると言われたように本来なら暗いはずのその場所は明るく周りがよく分かった。魔力感知スキルのおかげだ。ありがたい、ありがたい。
 見渡す限りは岩場に草と鉱石があるばかりの場所だった。生まれたばかりで他の生物に襲われるということはなかったので一安心だ。
 どうもこの新しい身体は魔素を利用して動けるらしい。魔力感知を展開してからは普通に動けた。
 聞こえなかった音なんだけど、音も聞こえるし、においも感じる。
 これで五感のうち触覚・嗅覚・聴覚・視覚の四つは活動中だ。最後の味覚だが……うん、ここに自生している草で試してみよう。
 どうやって食べるの?
≪スライムの身体は食物摂取の必要はありませんよ。物を取り込む際は対象物を身体で包み込む必要があります≫
 まさかの食事の必要がなかった。ということは必然的に味覚はないのだろう。
 まぁ、いいや、食べることに困らないのだし。だって食べる必要がないのだから。
 でも、取り込むってこの体のどこに?
≪はい、スキル『知識者』に『異次元収納:袋』がありますので、そこに収納されます≫
 うん、すごいね。異次元収納だって、でも名前は袋……もっと入りそうな名前でもよかった気がする。
 まぁ、それは置いておいて収納出来るならしておこう。
 でも、何を入れておけばいいのだろう?
≪そうですね、『ヒュール草』や『魔鉱石』を収集するのが良いと思いますよ。『ヒュール草』は回復薬の原料ですし、『魔鉱石』は武器や防具等を制作する原材料になりますから≫
 なるほど、回復薬はいくらあっても困らないしね。大事、大事。今はスライムだけど、いずれは人型になりたいから武器はともかく防具は必要だよね。
 だって、平和の国である日本にいた私に武器をどう扱えっていうのか。それもこれも後回しだけどね。
 今は人型にもなれないのだから。
 まぁ、それはそうと『魔鉱石』だ。防具を作ってもらうとして材料持ち込みなら安くしてもらえるかもしれないし、最悪売ってお金にする方法もあるよね。これも大事、大事。
 ということで私は『ヒュール草』と『魔鉱石』を集めることにした。幸い、この二つはここに溢れているので収集に困らなかった。進めばいくらでもある。
 私は一番近い所にあった草を体で覆った。
[植物を確認しました、『知識者』にて解析しますか?]
 そうだね。解析しないと何かわからないもんね。
 お願いします。
[解析します……解析完了。解析結果――――

ヒュール草…回復薬の原材料。一定量以上の魔素がある洞窟等にて自生・繁殖する。草の汁を魔素と融合させるによって回復薬となる。

『袋』に収納しますか?]
 はいはい、収納します。続いて鉱石を覆った。これも解析してもらう。

魔鉱石…武器・防具の原材料。鉄鉱石が多くの魔素を吸収してできた。一定以上の魔素濃度がなければ出来ない。普通の鉄鉱石より高値で取引される。

 うん、高値で取引されるなら本当に必要だよね。この世界の取引価格は分からないけど、必要だから高値なんだし、しっかりと確保しておかないと。
 私が少し動くだけの範囲でもかなり大量に溜め込んだ。それでも『袋』の1%未満しか使っていない。異次元ってどれだけ大きいの。普通に驚くわ!
 あまり獲り過ぎてなくなっても困るので様子を見ながら確保しなければ。鉄鉱石であふれているこの場所でも魔鉱石になるのにどれくらい時間がかかるのか分からなければ乱獲になってしまう。せっかくの収集場所だ、大事にしないと。
 ヒュール草もそうだ。ここは岩場、いくらでもあるからって獲り過ぎると今度は生えてこなくなってしまう。自重は大事だよね。
 とりあえずこの場所から動いてみようかな。いつまでもここにいても何も変わらなそうだし。こうして私は転生した場所を離れた。



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ステータス

名前…該当なし【前世:桜坂雫】
個体名…スライム
個体固有スキル…自己再生、吸収、分離、分解
能力スキル
 上位スキル『知識者』…思考加速、演算加速、収集『袋』(使用済スペース:1%未満)、解析、隔離、擬態
 魔力感知、水操作、火炎操作、炎化、性別変換
攻撃スキル…水砲(Lv,1)、火炎弾(Lv,1)
魔法スキル
 元素魔法(火)Lv,1…火球、火壁
 元素魔法(水)Lv,1…水球、水鉄砲
耐性…痛覚無効、物理攻撃無効、熱変動耐性、毒耐性、麻痺耐性、急降下・急上昇恐怖耐性


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