21 / 64
第一章
20
しおりを挟む
俺が自室に戻るとアースたちドラゴン衆が集まっていた。
「ただいま」
『お帰りなさいませ』
「クラウドが来てるが自力で起きるまで寝かしてやってくれ。かなり徹夜をしたみたいなんだ」
『了解しました』
「それで、何で集まっていたんだ?」
『なぜ、我らを喚ばなかったのですか?』
「ん?」
『喚んでくだされば、すぐにでも駆けつけ、敵を殲滅しましたのに』
『そうでなくても、スレイプニルたちが居たのです。彼らに命ぜれば……』
「無理だな」
どうやらアースたちは代表のようだ。
今回の一件で疑問があるのだろう。
無理もないな。
多分だが、クラウドもジャスティンお父様もアメリアお母様も疑問を持っているがあえて聞かなかった。
強力なペットたちでもどうにもならない事もある。
「まず、俺が戦えば良かったと言う意見もあるだろう。だが、俺が死んだ場合スレイプニルたちは弟妹と使用人たちを守ってくれるか?ずっとだ」
『『『『……………』』』』
「そう、その沈黙が答えだ。誰も助けはしない。むしろ、すぐに以前の住み処か新しい住み処を探しに行くだろう」
『…………ですね』
そう、俺と言う従魔術を使う主人がいなくなれば契約は解消される。
先にスレイプニルたちでみんなを逃がしても俺が死んでは意味がない。
あとは置き去りにされ、途方にくれるだろう。
そんな時、幼い弟妹をいつまでも主人のいなくなった使用人たちが無条件で命をはってまで守るかと言えばほぼないだろう。
そんな忠義のあつい者は我が家にはいない。
だから、俺は一緒に逃げるしかなかった。
「次にスレイプニルたちをけしかけるって話だが、これも無理だ」
『なぜだ?』
「あの子たちはほとんどが家族だ。メスと子どもを除いてみろ各種族数しかいない。あと、彼らをけしかけて俺たちの逃げるための足はどうなる?うちはあの子たちを迎えるために普通の馬を迎え入れない事が条件になっている」
『『『『あ!』』』』
「たく」
そうなのだ。
スレイプニルたちを我が家で飼うにはそれなりの条件を飲まなくてはいけなかったのだ。
その一つが普通の馬を迎え入れない事だ。
それが今回仇になった。
それ以外にもあるがここでは重要ではないので話はなしで。
「お前たちを喚ぶってことも不可能だ」
『そんなことは!』
「ある」
『『『『っ!』』』』
「距離の問題だ。俺の喚ぶ術内にいるのは魔の森の子たちだ。だが、魔の森の子たちは結界で出れない。唯一開けてある場所は俺の屋敷の数十mも上空、魔の森の子たちは飛べない子ばかりだから」
『『『『…………』』』』
何とも言えないよな。
確かに従魔を喚び寄せる術はある。
だけど、それは範囲が決まっている。
俺の従魔を喚び寄せる術の範囲は魔の森までだ。
だいたい、従魔は連れ立つのが一般的で遠くに棲んでいることは滅多にないのでそんな術はない。
あとは魔力量や魔力コントロール等の技量に左右されるが、ドラゴン衆など一匹でも現れたら災害級だと云われるのを早々近くにおくことを他の貴族が許すわけない。
まぁ、危険視するのはいつだって他の貴族だけなんだよな。
ジャスティンお父様やアメリアお母様は笑いながら容認してくれる。
いや、一国の王としてそれは大丈夫なのかとも思う。
だけど、さすがジャスティンお父様とアメリアお母様だ。
俺が周りの言うようにするわけないと分かっているし、ペットを増やすのをやめられないのもバレてる。
むしろ、ちゃんと管理しろよで終わらせるのだ。
器が大きいとか胆がすわっているとかのレベルではない。
本気で尊敬する。
「ただいま」
『お帰りなさいませ』
「クラウドが来てるが自力で起きるまで寝かしてやってくれ。かなり徹夜をしたみたいなんだ」
『了解しました』
「それで、何で集まっていたんだ?」
『なぜ、我らを喚ばなかったのですか?』
「ん?」
『喚んでくだされば、すぐにでも駆けつけ、敵を殲滅しましたのに』
『そうでなくても、スレイプニルたちが居たのです。彼らに命ぜれば……』
「無理だな」
どうやらアースたちは代表のようだ。
今回の一件で疑問があるのだろう。
無理もないな。
多分だが、クラウドもジャスティンお父様もアメリアお母様も疑問を持っているがあえて聞かなかった。
強力なペットたちでもどうにもならない事もある。
「まず、俺が戦えば良かったと言う意見もあるだろう。だが、俺が死んだ場合スレイプニルたちは弟妹と使用人たちを守ってくれるか?ずっとだ」
『『『『……………』』』』
「そう、その沈黙が答えだ。誰も助けはしない。むしろ、すぐに以前の住み処か新しい住み処を探しに行くだろう」
『…………ですね』
そう、俺と言う従魔術を使う主人がいなくなれば契約は解消される。
先にスレイプニルたちでみんなを逃がしても俺が死んでは意味がない。
あとは置き去りにされ、途方にくれるだろう。
そんな時、幼い弟妹をいつまでも主人のいなくなった使用人たちが無条件で命をはってまで守るかと言えばほぼないだろう。
そんな忠義のあつい者は我が家にはいない。
だから、俺は一緒に逃げるしかなかった。
「次にスレイプニルたちをけしかけるって話だが、これも無理だ」
『なぜだ?』
「あの子たちはほとんどが家族だ。メスと子どもを除いてみろ各種族数しかいない。あと、彼らをけしかけて俺たちの逃げるための足はどうなる?うちはあの子たちを迎えるために普通の馬を迎え入れない事が条件になっている」
『『『『あ!』』』』
「たく」
そうなのだ。
スレイプニルたちを我が家で飼うにはそれなりの条件を飲まなくてはいけなかったのだ。
その一つが普通の馬を迎え入れない事だ。
それが今回仇になった。
それ以外にもあるがここでは重要ではないので話はなしで。
「お前たちを喚ぶってことも不可能だ」
『そんなことは!』
「ある」
『『『『っ!』』』』
「距離の問題だ。俺の喚ぶ術内にいるのは魔の森の子たちだ。だが、魔の森の子たちは結界で出れない。唯一開けてある場所は俺の屋敷の数十mも上空、魔の森の子たちは飛べない子ばかりだから」
『『『『…………』』』』
何とも言えないよな。
確かに従魔を喚び寄せる術はある。
だけど、それは範囲が決まっている。
俺の従魔を喚び寄せる術の範囲は魔の森までだ。
だいたい、従魔は連れ立つのが一般的で遠くに棲んでいることは滅多にないのでそんな術はない。
あとは魔力量や魔力コントロール等の技量に左右されるが、ドラゴン衆など一匹でも現れたら災害級だと云われるのを早々近くにおくことを他の貴族が許すわけない。
まぁ、危険視するのはいつだって他の貴族だけなんだよな。
ジャスティンお父様やアメリアお母様は笑いながら容認してくれる。
いや、一国の王としてそれは大丈夫なのかとも思う。
だけど、さすがジャスティンお父様とアメリアお母様だ。
俺が周りの言うようにするわけないと分かっているし、ペットを増やすのをやめられないのもバレてる。
むしろ、ちゃんと管理しろよで終わらせるのだ。
器が大きいとか胆がすわっているとかのレベルではない。
本気で尊敬する。
101
あなたにおすすめの小説
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました
竹桜
ファンタジー
誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。
その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。
男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。
自らの憧れを叶える為に。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく
竹桜
ファンタジー
神社のお参り帰りに異世界召喚に巻き込まれた主人公。
巻き込まれただけなのに、狂った姿を見たい為に何も無い真っ白な空間で閉じ込められる。
千年間も。
それなのに主人公は鍛錬をする。
1つのことだけを。
やがて、真っ白な空間から異世界に戻るが、その時に至っていたのだ。
これは異世界で至った男が帰還した現実世界でファンタジーに巻き込まれていく物語だ。
そして、主人公は至った力を存分に振るう。
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる