転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~

桜月雪兎

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第一章

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『では、あの時は対処不可能だったと』
「そうなるな。腹立たしい事に」
『『『『っっっ!!』』』』

思い出したら怒りで俺の魔力が揺らいだ。

この怒りは『両親を見殺しにするしかなかった未熟で怠慢な俺自身』に対してだ。

自惚れてたんだ。
いざとなればこの子たちがいると。

だが、実際に喚ぼうとして愕然とした。
誰一人呼び寄せられないことに。

普通ならスレイプニルたちで事足りるが、逃げることを考えるとそれではいけなかったのだ。
もっと、考えるべきだった。

喚び寄せられる範囲内に魔の森以外にも棲める場所を用意すれば良かった。
魔の森にグリフィンだけでも棲んでもらえば良かった。
常に我が家に誰かを2~4人は棲まわせておけば良かった。
最速で飛べるソニックバードを常に連れていれば良かった。

もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと…………あった筈なんだ。

父上と母上を助ける方法が。

財産や土地に様々な権利等を守るのも大切だったかも知れないが、逃げるための食料なんかを持ち出すのも大切だったかも知れないが、それ以上に大切だった筈なんだ。

それなのに、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、俺は、両親を…。

『主様!』
「…………ウォルト」
『もういい、もういいよ。主様』

いつの間にか俺は俯き、魔力を不安定にさせていたみたいだ。
ウォルトことウォータードラゴンの一匹に抱き締められて気付いた。

ウォルトの声は震えていた。
泣いているのだろう。
俺の右肩の辺りの服が濡れてきた。

『もういいよ。ごめんね、責めるようなことを言って』
『ああ、本当は主殿の方が誰よりも辛く、悔しく、悲しいのでした』
『我らは失念していました。我らと居るために貴方が多くの制約を課されているのを』
『すまん。緊急時に喚んで貰えなかったと拗ねてしまった』
「みんな」
『間近でご両親の死を見届けた貴方が敵を打ちたくない筈がないのに。愚かですね、私たちは』
『いつだって主様は自身のことは二の次で誰かのために行動するよね。今回だって弟君や妹君のために、ご両親の気持ちのために、ついてくる使用人たちのために』
『ああ、この魔の森まで逃げ、安全を確認しても、俺たちを喚んで守らせ、実家やご両親の事を王族に知らせに行き、幼馴染み殿の事を気遣い』
『いつだって、ご自身のことは考えないのですから』
『我らはそれが心配だ』
『主様、ここには僕たちしかいないんだから、泣いて良いんだよ』
「っっっ!!」

ああ、みんなが優しい。
ウォルトが率先して俺の代わりに泣いてくれ、いまだに抱き締めてくれている。
アースが心配そうな顔をして背中を撫でてくれる。
ウィンドドラゴンことシルフィーが寂しそうな、困ったような顔をして俺の右手を優しく掴み、撫でている。
ファイアドラゴンことサンディーが泣きそうな顔をして俺の頭を撫でてくれる。

みんなの優しさが、温もりが俺の固く氷固めていた心を溶かしてくれる。
誰もが不安になるからと我慢していたのに。
みんなを守らなければと我慢していたのに。

俺は声を出さないようにしながら泣いた。
そんな俺をドラゴン衆はいつまでも優しく包んでくれた。








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