転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~

桜月雪兎

文字の大きさ
37 / 64
第一章

36

しおりを挟む
俺とパルマとのやり取りを聞いてアースたちは驚いているようだ。
無理もないか、表の商会でするようなやり取りをしているのだから。
意外だったのだろう。

「あと、ここのアラクネたちは移動しました。現在はこの地にいますね。ですが、穏やかに生活しているみたいなので」
「なるほど、手出し無用だな」
「はい。暫くは様子を見た方がよろしいかと」
「分かった」

アラクネたちの工場を作る上でアラクネたちの確保は必要だからな。
表では集めきれない情報もここなら揃う。
そういう意味でも良い関係を作れたのは幸いだ。

多分、今回の俺の家の騒動もある程度は情報としてここに集められているだろうがそれでも対応を変えないあたり、パルマとしては今後もしっかりと付き合ってくれるつもりなのだろう。

「カイトさん」
「なんだい?」
「これは個人的にと言うか、友人としてなんですが」
「うん」
「大変でしたね。貴方の予想通りだと思いますが、情報は来てます」
「だろうな」
「はい。ですが、僕はカイトさんが負けることはないと判断してます」
「うん」
「なので、何時でも頼ってください。僕たちに出来ることはしますので」
「ありがとう。本当にパルマはこのアンダーグランドで商売してるのか分からないほど良いヤツだな」
「そうですか?でも、僕だって普段は損得勘定してますよ」
「それを抜きにして俺と繋がっていてくれるのか?」
「ええ。先程も言いましたが、友人として信頼してますので」
「分かった。その信頼に答えれるように頑張るよ」
「はい」

パルマの無邪気な表情は癒される。
これが計算だったとしても俺には癒しの効果があるので許す。

パルマとは今後も友人関係を継続していきたい。
情報屋としても頼りになるし、普通に話をしていても楽しいのだ。

実際に俺とパルマの商談は魔獣や魔物などの保護と対処がメインで他はただの雑談だったりする。

パルマとは話が合うのだ。
魔獣や魔物などの話も、物造りの話も、お菓子の話も。
わりと二人で盛り上がるのでデイルに止められることが多い。
いや、時間が過ぎるのが早くて。

「ここからは情報屋としては出さない個人的な話をしましょう。アラクネたちを保護すると言うことは兼ねてから話していたスパイダーシルクの工場を興すのですね!」
「まぁな。表の冒険者ギルド何かとの兼ね合いもあるから多くは生産しないが、重要案件だろ」
「ですね!スパイダーシルクの滑らかで心地良い手触りに、軽くも丈夫な強度、あれは至高です!」
「ははは、本当にパルマはスパイダーシルクが好きだな」
「ええ。現在は品質が安定しないため、衣服にするのは困難ですが、ハンカチ程なら可能ですので」
「そのハンカチを持っているだけでかなりのステータスになるんだよな」
「はい。ですが、カイトさんが工場を建てられれば安定した品質で供給が出来るので衣服にするのも可能でしょう?そうなれば僕は頑張って買います!」
「ははは、努力するよ」
「はい!」

ここにファンが一人いた。
これは頑張らないとな。
といっても、この事業の難しいところはアラクネの確保なんだが俺に関しては問題にもならないので、そうハードルは高くない気がする。

「そうです、カイトさん」
「なんだい?」
「ハニービーの蜂蜜なんかはやりませんか?」
「ハニービー?」
「はい。こちらも中々手に入り難い魔物からの収集品なんですが、カイトさんなら安定供給できるのではないかと」
「ハニービーか。確かに、完全・・昆虫系には手を出してないんだよなぁ」
「ハニービーは蜂系の魔物にしては温厚な方ですので、交渉次第では可能ではないかと」
「なるほど」

ハニービー、リトルベアービーなどは温厚で蜂蜜が採れる魔物だ。
勿論、ビックビーやホーネットなども蜂蜜は採れるが好戦的なので安定供給を考えるなら難しいだろう。
しかし、ここでパルマが俺に勧めるのなら何か狙いがある筈だ。
ただの蜂蜜が欲しいと言う甘党発言ではない…………と判断したい。
パルマ、甘党だからなぁ。

「ハニービーと断定するなら何処かに保護して欲しいハニービーがいるのか?」
「はい。実は町中に出てしまって、表の冒険者が対処しようとしたのですが」
「反撃にあったと」
「はい」

居るんだよなぁ、勘違いしているヤツ。
ハニービーやリトルベアービーは温厚だが、弱いわけではない。
蜂系特有の毒針を持っているのだ。
弱いわけないだろう。

「分かった。後で場所を教えてくれ、向かってみるよ」
「はい。お願いします…………蜂蜜の安定供給も!」

うん、ぶれてなかった。
保護もして欲しいが蜂蜜も欲しいのだな。
分かりやすい。
嬉しそうに頬を朱に染めている。
好物を前にした子どもだな、これは。







しおりを挟む
感想 87

あなたにおすすめの小説

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

1つだけ何でも望んで良いと言われたので、即答で答えました

竹桜
ファンタジー
 誰にでもある憧れを抱いていた男は最後にただ見捨てられないというだけで人助けをした。  その結果、男は神らしき存在に何でも1つだけ望んでから異世界に転生することになったのだ。  男は即答で答え、異世界で竜騎兵となる。   自らの憧れを叶える為に。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく

竹桜
ファンタジー
 神社のお参り帰りに異世界召喚に巻き込まれた主人公。  巻き込まれただけなのに、狂った姿を見たい為に何も無い真っ白な空間で閉じ込められる。  千年間も。  それなのに主人公は鍛錬をする。  1つのことだけを。  やがて、真っ白な空間から異世界に戻るが、その時に至っていたのだ。  これは異世界で至った男が帰還した現実世界でファンタジーに巻き込まれていく物語だ。  そして、主人公は至った力を存分に振るう。

無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです

竹桜
ファンタジー
 無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。  だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。  その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

処理中です...