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第一章
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思わぬところで我が領の事業が1つ増えた。
俺的には難しくないのでいいが。
完全昆虫系は初めて『従魔』にするなぁ。
あ、アラクネも蜘蛛系の魔物だから昆虫系と言えるんだけど、上半身は人型だから半人昆虫系に分類されるんだよなぁ、この世界では。
これはこっちに来て驚いた事の1つだ。
だから、アラクネに『昆虫系』と言うと怒られる。
ちなみに完全昆虫系はフルインセクトと呼ばれている。
「他には?」
「え?」
「他に俺に頼みたいことはなんだよ?どうせ、手に終えない仕事を回されたんだろ、表の冒険者ギルドに」
「バレました?そうなんですよ。いくらこっちの方が手段が多いと言っても限界があるんですから!本当に……カイトさんの手を借りないといけないような案件なんて本当は国に任せる管轄だろうに」
「だろうな。表の冒険者ギルドは冒険者の質をもっとしっかりと把握しないといけないよなぁ。パルマの頼みでないなら、俺は自国の国王様からの命令しか受けないけどな」
「でしょうね。拒否れるだけの力を持ってますからね、カイトさんは。本来なら他の貴族との約定だって結ぶ必要はないのですから。誤解されてる人たちが多いようですが」
「まぁ、今回の事で慢心していたのを痛感したよ。これからは妥協しないつもりだ、守るべき者たちがいるからな」
「ですね。では、これらをお願いします」
「分かった。報酬はいつも通りにな」
「はい」
俺はパルマから書類たちを受け取った。
それは正式な依頼書だ。
確認してみるとこんな感じだった。
・急増したビックビーの討伐
・減少したアラクネの保護
・町中に巣を作ったハニービーの保護
・急増したカラフルシープの保護
・村の近くに巣を作ったコカトリスの討伐
・凶暴化したレッサードラゴンの討伐
・怪我をしたユニコーンの保護
面倒なヤツばかりだな。
だけど、コカトリスもレッサードラゴンも普通の冒険者では相手にできないぞ?
なんで国に任せなかったんだ?
上位冒険者を複数集めても難しいだろう。
コカトリスには石化効果があるのに。
凶暴化したレッサードラゴンってことはどこかで飼われていたのだな。
これは体の良い破棄か?
本当に凶暴化したのなら原因がある筈だ。
場合によっては国に報告する必要のある案件だぞ。
レッサードラゴンなんて許可なくして飼えないのに。
どこ所属だ?
あ、ここは国に報告してない所だ。
やっぱり隠し飼っていたか、飼いきれなくなって破棄しようとしているな。
疑いはあったんだよなぁ。
「パルマ、このレッサードラゴンの件は国に報告義務がある」
「でしょうね。極秘に討伐してくれと言われたんだけど、こんな危ない案件早々任せられませんよ。やはり、カイトさんを頼って正解ですね」
「ああ、魔獣管理は俺の管轄だ。国王様から委託されてるからな」
「はい。では、この一件は完全に任せます。委託管轄官様」
「ああ、こんなのがあるから裏の情報屋は必要だよな」
「今後ともご贔屓に」
「分かっている。これだけでなく、すべて受けるよ」
「ありがとうございます」
欲しい情報を得るだけでなく、表の仕事まで得てしまうとは面倒臭いなぁ。
だけど、任された以上はやらないといけない。
俺たちはそのままバッカス商会を出た。
パルマをはじめとして全員が頭を下げてお見送りしてくれた。
本当に表の商会と言われても納得しそうだ。
俺たちはこのアンダーグランドで最後に向かう商会に向かった。
今度の場所はアースたちにはあまり気持ちのよくない所だろうなぁ。
だから、いつも置いてくるのだが今回はしょうがないよなぁ。
俺的には難しくないのでいいが。
完全昆虫系は初めて『従魔』にするなぁ。
あ、アラクネも蜘蛛系の魔物だから昆虫系と言えるんだけど、上半身は人型だから半人昆虫系に分類されるんだよなぁ、この世界では。
これはこっちに来て驚いた事の1つだ。
だから、アラクネに『昆虫系』と言うと怒られる。
ちなみに完全昆虫系はフルインセクトと呼ばれている。
「他には?」
「え?」
「他に俺に頼みたいことはなんだよ?どうせ、手に終えない仕事を回されたんだろ、表の冒険者ギルドに」
「バレました?そうなんですよ。いくらこっちの方が手段が多いと言っても限界があるんですから!本当に……カイトさんの手を借りないといけないような案件なんて本当は国に任せる管轄だろうに」
「だろうな。表の冒険者ギルドは冒険者の質をもっとしっかりと把握しないといけないよなぁ。パルマの頼みでないなら、俺は自国の国王様からの命令しか受けないけどな」
「でしょうね。拒否れるだけの力を持ってますからね、カイトさんは。本来なら他の貴族との約定だって結ぶ必要はないのですから。誤解されてる人たちが多いようですが」
「まぁ、今回の事で慢心していたのを痛感したよ。これからは妥協しないつもりだ、守るべき者たちがいるからな」
「ですね。では、これらをお願いします」
「分かった。報酬はいつも通りにな」
「はい」
俺はパルマから書類たちを受け取った。
それは正式な依頼書だ。
確認してみるとこんな感じだった。
・急増したビックビーの討伐
・減少したアラクネの保護
・町中に巣を作ったハニービーの保護
・急増したカラフルシープの保護
・村の近くに巣を作ったコカトリスの討伐
・凶暴化したレッサードラゴンの討伐
・怪我をしたユニコーンの保護
面倒なヤツばかりだな。
だけど、コカトリスもレッサードラゴンも普通の冒険者では相手にできないぞ?
なんで国に任せなかったんだ?
上位冒険者を複数集めても難しいだろう。
コカトリスには石化効果があるのに。
凶暴化したレッサードラゴンってことはどこかで飼われていたのだな。
これは体の良い破棄か?
本当に凶暴化したのなら原因がある筈だ。
場合によっては国に報告する必要のある案件だぞ。
レッサードラゴンなんて許可なくして飼えないのに。
どこ所属だ?
あ、ここは国に報告してない所だ。
やっぱり隠し飼っていたか、飼いきれなくなって破棄しようとしているな。
疑いはあったんだよなぁ。
「パルマ、このレッサードラゴンの件は国に報告義務がある」
「でしょうね。極秘に討伐してくれと言われたんだけど、こんな危ない案件早々任せられませんよ。やはり、カイトさんを頼って正解ですね」
「ああ、魔獣管理は俺の管轄だ。国王様から委託されてるからな」
「はい。では、この一件は完全に任せます。委託管轄官様」
「ああ、こんなのがあるから裏の情報屋は必要だよな」
「今後ともご贔屓に」
「分かっている。これだけでなく、すべて受けるよ」
「ありがとうございます」
欲しい情報を得るだけでなく、表の仕事まで得てしまうとは面倒臭いなぁ。
だけど、任された以上はやらないといけない。
俺たちはそのままバッカス商会を出た。
パルマをはじめとして全員が頭を下げてお見送りしてくれた。
本当に表の商会と言われても納得しそうだ。
俺たちはこのアンダーグランドで最後に向かう商会に向かった。
今度の場所はアースたちにはあまり気持ちのよくない所だろうなぁ。
だから、いつも置いてくるのだが今回はしょうがないよなぁ。
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