転生貴族可愛い弟妹連れて開墾します!~弟妹は俺が育てる!~

桜月雪兎

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第一章

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翌日、俺は朝食後それぞれの役割を全うするために向かうのを見送るとアリーと一緒にサンディーの背に乗り、貰ったアラクネの棲みかの情報に向かった。

それは深い山奥だった。
それでもアラクネたちには安心できる場所ではないようだ。
あまりにも多くのアラクネたちが隠れながら警戒してこちらを見ている。

それは俺の側にサンディーがついているからだろう。
ファイヤードラゴンの長であるサンディーが居ては俺に何かするのは得策ではない。
それに同種のアリーも一緒にいる。

「アリー」
『分かっているわ、マスター🖤』

アリーに呼び掛けると何も言わずともアリーは了承してくれ、この森に集まっているアラクネたちを呼び寄せてくれた。
これでいい。

アラクネたちは俺たちに警戒をしているが、それだって逃げてきたこの場所まで追われるとなれば仕方ないことだろうが俺としてはこの子たちを連れて帰るつもりだしな。

『ねぇ、貴女たち』
『な、なに?』
『ここより安全な場所があると言ったら、一緒に来る?』
『『『『『『『え?』』』』』』』
『私の……いいえ、私たちのマスターが貴女たちを必要としているの。安全は確実よ。天敵もいないし、ご飯もしっかりと食べられるわ』
『『『『『『『………………』』』』』』』

アリーの説得と言うより勧誘が始まった。
現在、天敵の存在に脅えている子たちだからか、アリーの安全確実は魅力的みたいで物凄く悩んでいる。

まぁ、俺でも安全に生活できるなんて言われたら悩むよな、それまでが危険に晒されていたら。

ご飯も天敵の恐怖がある以上しっかりとは食べれてなかったんだろうな。
わりと痩せており、あばらが浮いている。
女性の姿をとり、その姿で相手を惑わし補食するものにしては魅力が半減してしまっている。
やせ形と痩せすぎでは人の印象は大分違うし、誘惑できないだろう。

『でも、何か条件があるのではないかしら?』
『あら?気付いた?でも、難しくはないわ』
「条件は三つ。一つ俺に連なるものを攻撃しない事、二つ他の従魔たちとも仲良くする事、三つ定期的に糸を生産してくれる事。この三つだけだな」
『え?そんな事?そんな事だけでいいの?』
『ええ、そうよ。マスターは私たちの糸が欲しいの🖤何でも人間たちの間では私たちの糸は高級品なんですって、それを同品質、一定量確保したいそうよ』
『そんな、簡単なことで……』
『安全な生活……』
『ご飯……』

どうやらかなり悩んでいるようだな。
まぁ、対価が釣り合わないと考えているんだろうな。
でもなぁ、糸はともかく他の二つは大変だと思うんだよなぁ。
だって、俺の従魔たちは多いし、アラクネより高位の魔物も低位の魔物もいるんだ、それらと仲良くするのは勿論、俺に連なる者と言うことは人間を襲うなってことだしな。
魔の森のアラクネたちが生活する場所に入れるのは俺の関係者だけだ。
あ、でも、ご飯はしっかりと確保はできるようにするつもりだ。
それは主人である俺の責務だからな。

『『『『『『…………………』』』』』』
『分かったわ、私も貴方についていきます』
『ええ、安全に生活ができるなら』
『条件も難しくなさそうだし』
『それにそこにドラゴン種がいるのだもの、本当に安全だと思うわ』
『そうね』
『ええ』
『ふふふ、良かったわ~🖤みんな来てくれるようで』
「そうだな」

アラクネたちは視線を交わし合い、小声で話し合いをしてやっと返事をくれた。
話し合いはあえて聞かないようにした。
そこは男として、主人になるものとして、必要なスルースキルだな。

何でも知っていたいなんてバカなことをすれば、たちまち嫌われるだけでなく、信頼関係も失いかねないだろうな。
あと、普通に女性の内緒話は時に男性にとってショッキングなことがある。
むやみに入り込まないのが、吉だろう。

と言うこともあり、俺はこの場にいる全てのアラクネたちと契約することになった。
特に問題することはない、従魔契約の魔法を使うだけだ。
契約するアラクネたちの足下に魔方陣が現れ、光り、それがアラクネたちに吸収されると事で契約完了となった。

あ、アラクネたちの天敵は俺の側にいるサンディーを畏れて、近寄ってこなかった。
ここまでも追ってきたのだな。
何と言う執念と言うか、食欲と言うか、蹴散らしたい気持ちにもなったが魔の森にまでやってこれないだろうし、来たら確実に補食されて終わるのでほっとくことにする。

そして、俺たちはサンディーに乗って魔の森に帰っていった。
新しく仲間になったアラクネたちはサンディーの背に乗るのは畏れ多いと言うので予め用意しておいた篭に乗って貰い、サンディーに運んで貰った。

篭と言えど、サンディーがドラゴンの姿になってやっと釣り合うぐらい大きいのだ。
まぁ、俺たちを運ぶための篭だしな、ちなみに用意していたとは言うが俺の【アイテムボックス】に入れておいただけだ。

魔の森に着くとすぐにアリーたちの棲みかに向かった。

「ここが君たちの新しい場所だ」
『ここが』
「そうだ。このアリー以外のアラクネもいるから仲良くしてくれ。あとはアラクネたちをまとめているアリーに任せるよ」
『はーい🖤それじゃあ、一緒に行きましょう。現在はここに私たちがより安全に生活できるように建物をマスターたちが建ててくれているだけよ。問題はないわ。他の子たちもいい子だから、大丈夫だと思うの。何かあれば私に言ってくれて良いからね🖤』

アリーは新しく来たアラクネたちを棲みかの奥の方に案内しながら説明をしていた。
あの奥には俺も滅多に近づかないアラクネたちの縄張りだ。
あの辺りでアリーたちは食事を確保している。

アリーたちアラクネは確かに人の姿をしているので、それに惑わされて襲われる人がいると報告されているが、大体が人のいない森に棲んでいるのでそんなのはおやつ感覚だろうな。
主食は基本、木の実とかだと前にアリーから教えられているが、あの辺りに自生しているのは危険な植物が多かったように記憶しているのだが、考えないようにしている。

人的被害がなければそれで良しだ。
考えすぎたら多くのペットは連れられないからな。
そこは割り切るか、目を瞑るのが得策だぞ、何事もな。













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