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第一章
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俺はサンディーと共に屋敷に戻った。
屋敷に必要なものを取りに来たのだ。
この後はパルマに頼まれた依頼を片付ける予定だ。
まずは街に巣を作ったというハニービーの保護や怪我をしたユニコーンの保護に増えすぎたカラフルシープの保護とコカトリスとビックビーの討伐からしよう。
個人的というか、表の仕事的にレッサードラゴンの討伐も早目にしなくてはいけないんだけど。
こっちは準備に時間がかかるんだよな。
というのもコカトリスやビックビーの討伐はドラゴン種を連れていけば解決するが、レッサードラゴンは討伐より後ろにいる組織の捕縛がメインになる。
この国では国への申請もなく飼ってはいけない魔獣が定められている。
飼いきれなくなったり、問題がおきたりしたら飼い主が責任を取らなくてはいけないのは何を飼うにしても当たり前のことだが、あまりにも上位の魔獣なんかだと対処できる人材が限られているのだ。
それ故に飼育に届出がいるし、対処できる俺のような人材が委託魔獣管轄官とされてるんだ。
だから、今回の仕事に関してはレッサードラゴンを討伐するのではなく、保護して後ろにいる組織を摘発・捕縛した後に法で裁かなくてはいけない。
その上で他に申請されていない違法飼育生物がいないかを確認し、組織が飼育していた生物たちも保護しなくてはいけない。
この忙しい時に嫌になるが、表の仕事をすれば俺自身の生存証明にもなるんだよな、これが。
まぁ、それは後でいい。
まずはハニービーとユニコーンとカラフルシープの保護にコカトリスとビックビーの討伐からだ。
ハニービーは温厚な魔獣だから話し合いでどうにかなるはずだ。
話し合いというのは従魔術にある『意思伝達』を使って会話するのだ。
これがあるから言葉が話せない魔獣や魔物とのやり取りが出来るのだ。
まぁ、これも万能ではないから相手の知能によって伝わらなこともある。
今回のハニービーは女王蜂やその側近ぐらいになるとかなり知能が高いので話し合いが可能なんだ。
ユニコーンに関しては知能が高いので話自体は出来るだろうが、怪我を負っているということだからかなり警戒心が高くなっているだろうから同族がいれば警戒心も少しは解けるだろうと見込んでうちの愛馬を一匹連れて行こう。
そうだな、人選ならぬ馬選としてはうちのユニコーンたちの長であり、ユニコーン一家の父親であるユートが無難だろうな。
ついでに怪我をしたユニコーンを勧誘してしまおう。
カラフルシープは間引き目的の保護だな。
カラフルシープはその名のとおりにカラフルな毛を持つ羊の魔獣だ。
羊毛は光の当たり方の加減で色々な色に見え、雲のように柔らかく、とても軽いのだ。
カラフルシープの性格は温厚だが弱いわけではないので侮ると痛い目にあう。
あと増えすぎると草原が丸裸になるほど食欲が旺盛なのだ。
普通の羊なら肉にすることも出来るだろうけど、カラフルシープは魔獣であり、弱くないので難しいというのもあるが、多分パルマが俺用に『保護』にしてくれたんだろうな。
いや、可愛いんだよ、カラフルシープ。
カラフルシープの見た目がリアルの羊ではなく、ヌイグルミのそれなんだよ。
つぶらな瞳にモフモフな羊毛は愛くるしい。
前々からカラフルシープを従魔にしたかったんだよ。
パルマにはそういう依頼があれば『保護』として俺に回してくれって頼んでいたんだよな。
ラッキー!
新しい事業もできるから儲けもんだな。
コカトリスはサンディーに任せれば問題ない。
コカトリスの面倒なところは周囲の村々や森林にも影響が出てしまうことだ。
コカトリスの好む植物しか自生しない荒れた土地になってしまうから基本的にコカトリスの元々の生息域から出ないように各国が見張っているのだ。
どうやら今回はだいぶ生息域から下りてきて巣を作ってしまったようだ。
こうなると討伐しかない。
既にその地での巣から卵が確認されていると資料にはある。
卵が孵る前に卵も含めて対処しなくては。
…………流石にコカトリスを飼うのは環境の影響的に無理だ。
托卵できるかな?
いつも様子を見にいく群れを頼ってみるか。
さて、そうなるとサンディーとユニコーン一家の父であるユートを連れてくいのは絶対だが、数が必要なんだよな。
カラフルシープの運搬用に……。
「よし!サンディー」
「どうした?」
「お前の眷属を数名連れてビックビーおよびコカトリスの討伐とカラフルシープの保護に向かう」
「わかった、すぐに声をかける」
「それと、ユートをつれて怪我したユニコーンの保護をする」
「ああ」
「ハニービーの保護は俺が女王蜂かその側近と『意思伝達』をしてみる」
「わかった。呼びかけたら近くいた者たちがすでに集合した」
「え?こんな早くに?」
「どうやらこっちに向かっていたようだ」
「そうなんだ。なら、そのまま向かおう。ユート」
『ん?主、どうしたのだ?』
「うん。実は依頼で怪我をしたユニコーンの保護を頼まれたんだ」
『なるほど。それで私か』
「そう」
『主の頼みなら聞こう。幸い、この魔の森は主のテリトリーであり、多くの強き者たちが集まっている。わが家族も安全だし』
「そうだね。それじゃあ、行こうか」
「ああ」
『了解した』
俺はサンディーとその眷属数名にユートをつれて依頼を達成させるために向かった。
場所の距離的にビックビーとコカトリスの討伐だな。
屋敷に必要なものを取りに来たのだ。
この後はパルマに頼まれた依頼を片付ける予定だ。
まずは街に巣を作ったというハニービーの保護や怪我をしたユニコーンの保護に増えすぎたカラフルシープの保護とコカトリスとビックビーの討伐からしよう。
個人的というか、表の仕事的にレッサードラゴンの討伐も早目にしなくてはいけないんだけど。
こっちは準備に時間がかかるんだよな。
というのもコカトリスやビックビーの討伐はドラゴン種を連れていけば解決するが、レッサードラゴンは討伐より後ろにいる組織の捕縛がメインになる。
この国では国への申請もなく飼ってはいけない魔獣が定められている。
飼いきれなくなったり、問題がおきたりしたら飼い主が責任を取らなくてはいけないのは何を飼うにしても当たり前のことだが、あまりにも上位の魔獣なんかだと対処できる人材が限られているのだ。
それ故に飼育に届出がいるし、対処できる俺のような人材が委託魔獣管轄官とされてるんだ。
だから、今回の仕事に関してはレッサードラゴンを討伐するのではなく、保護して後ろにいる組織を摘発・捕縛した後に法で裁かなくてはいけない。
その上で他に申請されていない違法飼育生物がいないかを確認し、組織が飼育していた生物たちも保護しなくてはいけない。
この忙しい時に嫌になるが、表の仕事をすれば俺自身の生存証明にもなるんだよな、これが。
まぁ、それは後でいい。
まずはハニービーとユニコーンとカラフルシープの保護にコカトリスとビックビーの討伐からだ。
ハニービーは温厚な魔獣だから話し合いでどうにかなるはずだ。
話し合いというのは従魔術にある『意思伝達』を使って会話するのだ。
これがあるから言葉が話せない魔獣や魔物とのやり取りが出来るのだ。
まぁ、これも万能ではないから相手の知能によって伝わらなこともある。
今回のハニービーは女王蜂やその側近ぐらいになるとかなり知能が高いので話し合いが可能なんだ。
ユニコーンに関しては知能が高いので話自体は出来るだろうが、怪我を負っているということだからかなり警戒心が高くなっているだろうから同族がいれば警戒心も少しは解けるだろうと見込んでうちの愛馬を一匹連れて行こう。
そうだな、人選ならぬ馬選としてはうちのユニコーンたちの長であり、ユニコーン一家の父親であるユートが無難だろうな。
ついでに怪我をしたユニコーンを勧誘してしまおう。
カラフルシープは間引き目的の保護だな。
カラフルシープはその名のとおりにカラフルな毛を持つ羊の魔獣だ。
羊毛は光の当たり方の加減で色々な色に見え、雲のように柔らかく、とても軽いのだ。
カラフルシープの性格は温厚だが弱いわけではないので侮ると痛い目にあう。
あと増えすぎると草原が丸裸になるほど食欲が旺盛なのだ。
普通の羊なら肉にすることも出来るだろうけど、カラフルシープは魔獣であり、弱くないので難しいというのもあるが、多分パルマが俺用に『保護』にしてくれたんだろうな。
いや、可愛いんだよ、カラフルシープ。
カラフルシープの見た目がリアルの羊ではなく、ヌイグルミのそれなんだよ。
つぶらな瞳にモフモフな羊毛は愛くるしい。
前々からカラフルシープを従魔にしたかったんだよ。
パルマにはそういう依頼があれば『保護』として俺に回してくれって頼んでいたんだよな。
ラッキー!
新しい事業もできるから儲けもんだな。
コカトリスはサンディーに任せれば問題ない。
コカトリスの面倒なところは周囲の村々や森林にも影響が出てしまうことだ。
コカトリスの好む植物しか自生しない荒れた土地になってしまうから基本的にコカトリスの元々の生息域から出ないように各国が見張っているのだ。
どうやら今回はだいぶ生息域から下りてきて巣を作ってしまったようだ。
こうなると討伐しかない。
既にその地での巣から卵が確認されていると資料にはある。
卵が孵る前に卵も含めて対処しなくては。
…………流石にコカトリスを飼うのは環境の影響的に無理だ。
托卵できるかな?
いつも様子を見にいく群れを頼ってみるか。
さて、そうなるとサンディーとユニコーン一家の父であるユートを連れてくいのは絶対だが、数が必要なんだよな。
カラフルシープの運搬用に……。
「よし!サンディー」
「どうした?」
「お前の眷属を数名連れてビックビーおよびコカトリスの討伐とカラフルシープの保護に向かう」
「わかった、すぐに声をかける」
「それと、ユートをつれて怪我したユニコーンの保護をする」
「ああ」
「ハニービーの保護は俺が女王蜂かその側近と『意思伝達』をしてみる」
「わかった。呼びかけたら近くいた者たちがすでに集合した」
「え?こんな早くに?」
「どうやらこっちに向かっていたようだ」
「そうなんだ。なら、そのまま向かおう。ユート」
『ん?主、どうしたのだ?』
「うん。実は依頼で怪我をしたユニコーンの保護を頼まれたんだ」
『なるほど。それで私か』
「そう」
『主の頼みなら聞こう。幸い、この魔の森は主のテリトリーであり、多くの強き者たちが集まっている。わが家族も安全だし』
「そうだね。それじゃあ、行こうか」
「ああ」
『了解した』
俺はサンディーとその眷属数名にユートをつれて依頼を達成させるために向かった。
場所の距離的にビックビーとコカトリスの討伐だな。
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