家族と婚約者に冷遇された令嬢は……でした

桜月雪兎

文字の大きさ
25 / 29

24

しおりを挟む
国王陛下の許可も頂きましたので私は今までの事をお話ししました。

私が生まれてからのお話です。
私の記憶がない頃はクリスティーナがが説明しました。

私が生まれたのはお母様がアバント伯爵家に嫁いで一年後の事だったそうです。
つまり、嫁いですぐの初夜の時にできたという事らしいです。

お母様はそれで済んで喜んでいたそうです。
というのも、一人は子供が出来ないといけませんでしたし、お母様は商会のお仕事もありますから長引くのは嫌だったらしいのです。
クリスティーナたちにしてみれば、お母様が私を身籠って安定期に入った時にナディア様と婚姻をしたそうです。
その時にはサリフィア様がお生まれになっていたそうです。

それは少々問題が生じたそうですが、お母様が力技で押し切ったそうです。
もしかして、お母様は元アバント伯爵を受け入れる、もしくはアバント伯爵家にドラゴニス王国の血を入れる気
がなかったのかもしれません。
そう考えれば私以外の子供を儲けようとしなかったのも納得できます。

そして、私が物心ついた…というか、記憶がしっかりとあるのは三歳ぐらいですね。
その時のお母様は本当に忙しそうでした。

商会の仕事として多くの従業員とお話をされながら提携先の方々と駆け引きをされていました。
当時の私には難しい話ばかりでお側に居させて頂いてもおとなしくしている事しかできませんでした。
ですが、よく従業員の方々や提携先の方々が私にお土産としてお菓子や子供が気に入るような小物をくださいました。

よく頂いた小物としてはお母様とのお揃いの物が多かったと記憶しています。
たぶんですが、私がお母様とお揃いの物をとても喜んでいたのだと思います。
珍しいお菓子を頂いた時は王城に向かい、王妃陛下やアイザック様やフレデリック様と一緒にお茶会をして楽しんでいました。

元第一王子ですか?
あの方はお茶会に招待しましても来ませんでしたので知りません。

あの方との出会いもあまりよくはありませんでした。
それも三歳の頃でした。

お母様に連れられてきた王城の中庭でお会いしました。
元第一王子は王妃陛下、アイザック様とフレデリック様と一緒に来られました。
ご挨拶をして、王妃陛下から三人のご子息の自己紹介をしてくださいました。
今考えればおかしいですよね。
本来なら下の者から先に紹介を致しますので、それを考えてもお母様はやはりサルベージル王国より上のお国の方だったという事ですね。
しかも、婚姻をしてもその地位が確約されているという事でしょう。

「お久しぶりにございます、マリリン様」
「お久しぶりです、アマリリス様」
「こちらが我が息子たちで、右から長男である第一王子のバラモース、真ん中が次男で第二王子のアイザック、左が三男の第三王子のフレデリックですわ。婚約者は一応、第一王子のバラモースです」
「そうなんですね。この子が私の可愛い娘のエリアンティーヌですわ。今年で三歳になりますね」
「まぁ!でしたら、アイザックとフレデリックは同い年ですね。この子たちは双子なんです!バラモースは二つ上になりますね」
「そうなんですね。ふふふ、誰でも問題ない年齢ですね」
「そうですわね!場合によっては同じ年のアイザックやフレデリックでも良いですわね!!」

そんな風にお母様たちは楽しそうにされていたと記憶しています。

そんな中、元第一王子は私に近づき、とても偉そうに言われました。

「おまえがぼくのこんやくしゃか?」
「えっと、そうなるようですわね?」
「ふん!しろいろなんてへんなかみのいろをしているし、へいみんのははおやなんてほんとうならおうじのぼくのこんやくしゃにふさわしくないんだぞ!いいか、ぜったいにぼくにさからうなよ!おかあさまとおとうさまがいうからぼくはしかたなくおまえでがまんしてやるんだからな!ふん!!」
「…………」
「にいさま?!」
「なにいってるの?!!」
「えりあんてぃーぬさま!にいさまがごめんなさい!!」
「ごめんなさい!!」
「なんでおまえたちがでしゃばるんだ!こんなへいみんにあやまるひつようはない!!」
「あるに決まっているでしょう!!!」
「いたい!なんでなぐるのですか?!おかあさま」
「貴方が愚かで、無礼ですからよ!エリアンティーヌ嬢に謝りなさい!」
「いやだ!ぼくはわるくない!!」
「貴方が悪いに決まっているでしょう!!」

私はいきなりの暴言に呆然としていました。
アイザック様とフレデリック様はそんな元第一王子の言葉に驚きつつもすぐに私に謝って下さいました。
アイザック様とフレデリック様の様子からサルベージル王国側はこの段階で私とお母様の秘密をお話しされていたようですね。
そして、それを私の婚約者となった元第一王子だけが理解していなかったのですね。

実はこの段階から元第一王子の評価は下がっていったのでしょうね。
あ、元第一王子が私の婚約者から外れなかったのは私のせいです。

「ごめんなさいね、エリアンティーヌ嬢」
「いいえ、あいざっくさまとふれでりっくさまがあやまってくれましたので、だいじょうぶです」
「エリアンティーヌ嬢さえ良ければ婚約者はアイザックかフレデリックに変更してもいいのですよ?そうしますか?」
「まだ、あったばかりでわかりませんので……いっしょにいてだめだとおもったらそうしてもらってもいいですか?」
「え?え?……マリリン様ぁ~」
「まぁ、年頃の男の子には恥ずかしくてそうする場合もあるから、様子をみては?エリアンティーヌもそう言っているみたいですし…………あまり許したくはないですが、エリアンティーヌとアマリリス様に免じてね」
「ありがとうございます!!」

私はその時に初めてお母様の黒い笑顔を見ました。
すごく怖かったです。

それからもお茶会やパーティーで一緒にいても元第一王子は変わりませんでしたが、あの時のお母様が頭に浮かんでしまってお母様には何も言えませんでした。
それにその頃には仕事をしない元アバント伯爵の怠慢で王都でできる事と領地視察はお母様が、領地自体の経営をお祖父様が行うようになりましてとても忙しく、私は心配を掛けたくありませんで内緒にしていました。
それに悪いことばかりではありませんでした。
王妃陛下も気にしてくださり、元第一王子をお叱りくださっていましたし、国王陛下に知られた時は問答無用でサルベージル王国騎士団に放り込まれ、しごかれていましたね。
代わりに私の相手をアイザック様とフレデリック様が率先してしてくださっていましたので、お母様に話す内容には困りませんでした。
私が王城に参上する際はアイザック様とフレデリック様がすぐに来てくれたのです。
その時に一応、形式として元第一王子もいましたが、すぐに消えて私はアイザック様とフレデリック様と過ごすのです。
こうなると誰が婚約者か分からなくなりそうでした。

その頃はまだアバント伯爵家には元第一王子は来たことがありませんでした。
元第一王子がアバント伯爵家に来るようになったのはお母様が亡くなってからです。
というのも、お母様が生きている時に来てあのような対応をもう一度した時にはお母様が第一王子を殺してしまうのではないかと私が危惧していたからのと、お母様を失い、落ち込んで屋敷というか自室より出ていかなくなったのが原因です。

国王陛下と王妃陛下が心配して王家代表として婚約者という大義名分のある元第一王子をお使いに出したのでしょうが、ものの見事に失敗しましたね。
その時にサリフィア様と出会い、生粋の貴族(本当は私もあったのですが)だと分かり、元第一王子はすぐにそちらに傾倒しました。
お使いは一緒に来られていた従者の方が果たしていました。

私も少しずつ元気を出して、王城に再び参上できるようになりました。
勿論ですが、元第一王子とはすれ違いです。
代わりに私は王妃陛下から王子妃ひいては王妃教育をして頂き、勉強会としてアイザック様とフレデリック様と交流をしていました。
本当に誰が婚約者なのか分からなくなりますよね。













しおりを挟む
感想 65

あなたにおすすめの小説

私ではありませんから

三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」 はじめて書いた婚約破棄もの。 カクヨムでも公開しています。

田舎娘をバカにした令嬢の末路

冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。 それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。 ――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。 田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。

地味令嬢を見下した元婚約者へ──あなたの国、今日滅びますわよ

タマ マコト
ファンタジー
王都の片隅にある古びた礼拝堂で、静かに祈りと針仕事を続ける地味な令嬢イザベラ・レーン。 灰色の瞳、色褪せたドレス、目立たない声――誰もが彼女を“無害な聖女気取り”と笑った。 だが彼女の指先は、ただ布を縫っていたのではない。祈りの糸に、前世の記憶と古代詠唱を縫い込んでいた。 ある夜、王都の大広間で開かれた舞踏会。 婚約者アルトゥールは、人々の前で冷たく告げる――「君には何の価値もない」。 嘲笑の中で、イザベラはただ微笑んでいた。 その瞳の奥で、何かが静かに目覚めたことを、誰も気づかないまま。 翌朝、追放の命が下る。 砂埃舞う道を進みながら、彼女は古びた巻物の一節を指でなぞる。 ――“真実を映す者、偽りを滅ぼす” 彼女は祈る。けれど、その祈りはもう神へのものではなかった。 地味令嬢と呼ばれた女が、国そのものに裁きを下す最初の一歩を踏み出す。

【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。

ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」 実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて…… 「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」 信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。 微ざまぁあり。

婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~

ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。 そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。 自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。 マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――   ※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。    ※第二章まで完結してます。現在、最終章をゆっくり更新中です。書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m    ※小説家になろう様にも投稿しています。

悪役令嬢ですか?……フフフ♪わたくし、そんなモノではございませんわ(笑)

ラララキヲ
ファンタジー
 学園の卒業パーティーで王太子は男爵令嬢と側近たちを引き連れて自分の婚約者を睨みつける。 「悪役令嬢 ルカリファス・ゴルデゥーサ。  私は貴様との婚約破棄をここに宣言する!」 「……フフフ」  王太子たちが愛するヒロインに対峙するのは悪役令嬢に決まっている!  しかし、相手は本当に『悪役』令嬢なんですか……?  ルカリファスは楽しそうに笑う。 ◇テンプレ婚約破棄モノ。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

婚約者の母親に虐げられていましたが敢えて捨てられることで縁を切ることができました。~彼女らは勝手に破滅していったようです~

四季
恋愛
婚約者の母親に虐げられていましたが敢えて捨てられることで縁を切ることができました。

婚約破棄ですか? 無理ですよ?

星宮歌
恋愛
「ユミル・マーシャル! お前の悪行にはほとほと愛想が尽きた! ゆえに、お前との婚約を破棄するっ!!」 そう、告げた第二王子へと、ユミルは返す。 「はい? 婚約破棄ですか? 無理ですわね」 それはそれは、美しい笑顔で。 この作品は、『前編、中編、後編』にプラスして『裏前編、裏後編、ユミル・マーシャルというご令嬢』の六話で構成しております。 そして……多分、最終話『ユミル・マーシャルというご令嬢』まで読んだら、ガッツリざまぁ状態として認識できるはずっ(割と怖いですけど(笑))。 そして、続編を書きました! タイトルは何の捻りもなく『婚約破棄? 無理ですよ?2』です! もしよかったら読んでみてください。 それでは、どうぞ!

処理中です...