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第一章
37、披露宴前の嵐②
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アリシアが眠っているのを確認した面々は侵入者のローブをはいだ。
そこに現れたのは十歳ほどの少女だった。
その姿は大きめのコバルトブルーの瞳に軽くウェーブのかかったライトブラウンの髪をしている。見ようによってはアリシアに似てなくもない容姿をしている。
「あなたは誰です?何故アリシア様の部屋に」
「私が誰だっていいのよ!お姉さまよりあいつが幸せになるなんて許せない!!」
「その言い方ですと、アリシア様の実家の関係者のようですね」
「何事だ?」
部屋の中の騒ぎに気付き、ジャックスとアルシードは中に入った。そこには魔法で捕らわれた不法侵入者とアリシア付きの面々がいた。
アルシードもジャックスも警戒していたのに不法侵入者がいることに驚いた。
「おい!こいつどこから入った?」
「とりあえず、マリアはシリウス陛下とルーク宰相、ルドワード竜王様たちにご連絡を」
「わ、分かった!」
リリアはルドワードたちに連絡をするように頼んだ。
しばらくするとマリアに続いてルドワードたちが入ってきた。ルドワードについてきた近衛隊員に扉の番を任せてジャックスとアルシードは室内に入った。
もし何かあっても守れるようにだ。
「何事だ?」
「誰だこいつは?」
「ん?お前は?」
「確か、アリシア嬢のいとこにあたるラティア・ハリス伯爵令嬢」
ルークとシリウスには不法侵入者に見覚えがあった。
それもそのはず、年頃は幼くてもその者は貴族の端くれなのだ。年間に何十回とあるパーティーに出席しているのだ。見覚えもあるというものだ。アリシアのように幽閉でもしていなければ大体の年齢になれば出席するようになる。
リリアたちは自分の考えが正しかったことを理解した。
「やはり、アリシア様の実家の関係者ですか?」
「ああ。だが、おかしい。アリシア嬢の実家に関わる者は誰一人呼んでいないのだが?」
ルドワードとスカルディアはアリシアに近づいた。いまだアリシアが眠っているのを確認してホッとするのと同時にその寝顔が微笑ましいと思っている。
ルドワードはアリシアのすぐ隣に腰を掛けた。スカルディアはルドワードの隣に立ってる。
ルイは捕らえた者たちとして説明した。
「急に魔方陣が出たと思ったらこいつが現れたんだ」
「アリシア様に何か飲ませようとしていたから」
「確認してみます。診断」
エレナは診断を使ってアリシアの異常がないかを調べた。この診断は医療魔法の一つだが初心者でもできるほどの簡単なものだ。状態異常やかけられた魔法が分かる程度のものだ。
エレナは調べてみて驚いた。アリシアはどうやら飲んでいなかったようで状態異常はなかったが他のものが見えたのだ。
「あれ?」
「どうかしたのか?」
「薬物等の反応はなかったのですが、探索の印がつけられています。しかも隠蔽されています」
「念入りだなぁ。よほどアリシア嬢を世間に知られたくなかったようだ」
「そのように感じます」
「どう言うことだ?」
ユーザリア側にはかけられた魔法の種類から想像がついたが魔法のことが分からないドラグーン側は首を傾げた。
これを説明をしたのはルークだ。
「探索とは印を付けた相手がいなくなった時に探し出すことができますし、場合によっては自分の方や決めた魔方陣に強制的に連れ戻すことが可能な魔法なのです」
「なるほど、だから世間に見つかる前に連れ戻すことができるってことか」
「はい。本来、このようなものはほとんど使いません。迷子になりやすい子供に対して一時的に使うことはあっても」
リリアは優しくアリシアを見ながらアリシアが説明したより状況はひどいように感じ、悲しくなった。
愛くるしく無邪気なアリシアは誰にでも愛される存在だ。
ましてやユーザリアでも希少なほど魔力が高い、本当に大事にされるべき存在なのに生まれた場所でこのような扱いを受けるとは誰にも想像もつかないのだ。
アリシアを疎ましく思っていたウィザルド伯爵家の親族は呼ばれていないことを幸いに来ないと思っていたし、この探索を使って呼ばれてもいないのに来るという礼儀知らずなことをしている、それがシリウスには疑問だ。
「余計に疑問だ。呼ばれてもいないのになぜここに来た?それもこれは劇薬だ、アリシア嬢を殺すつもりだったのか?」
「ふん!」
「貴様、子供だからと言って容赦しないぞ」
ラティアの言動にルドワードは腹を立てて力を使いそうになっている。
それに気づいたスカルディアが慌てて止めた。
「あ、兄貴!落ち着けよ、シア姉が起きちまう」
「う、うむ」
スカルディアの言う通り眠っているアリシアを起こすわけにもいかないのでルドワードはアリシアの寝顔を見て落ち着いた。
その姿にスカルディアはホッとするのと同時に呆れた。
「あなたも貴族の端くれなら陛下に対してその態度はいかがなものかと思いますが?子供でも不敬罪は当てはまるんですよ」
「その女が、お姉さまより良くなるなんて許せないだけよ!」
ルークの指摘にラティアは怒鳴って話した。
せっかく面々がアリシアが起きないように声を落としながら話していたのに。
アリシアもこの大声で目を覚ましてしまった。
そこに現れたのは十歳ほどの少女だった。
その姿は大きめのコバルトブルーの瞳に軽くウェーブのかかったライトブラウンの髪をしている。見ようによってはアリシアに似てなくもない容姿をしている。
「あなたは誰です?何故アリシア様の部屋に」
「私が誰だっていいのよ!お姉さまよりあいつが幸せになるなんて許せない!!」
「その言い方ですと、アリシア様の実家の関係者のようですね」
「何事だ?」
部屋の中の騒ぎに気付き、ジャックスとアルシードは中に入った。そこには魔法で捕らわれた不法侵入者とアリシア付きの面々がいた。
アルシードもジャックスも警戒していたのに不法侵入者がいることに驚いた。
「おい!こいつどこから入った?」
「とりあえず、マリアはシリウス陛下とルーク宰相、ルドワード竜王様たちにご連絡を」
「わ、分かった!」
リリアはルドワードたちに連絡をするように頼んだ。
しばらくするとマリアに続いてルドワードたちが入ってきた。ルドワードについてきた近衛隊員に扉の番を任せてジャックスとアルシードは室内に入った。
もし何かあっても守れるようにだ。
「何事だ?」
「誰だこいつは?」
「ん?お前は?」
「確か、アリシア嬢のいとこにあたるラティア・ハリス伯爵令嬢」
ルークとシリウスには不法侵入者に見覚えがあった。
それもそのはず、年頃は幼くてもその者は貴族の端くれなのだ。年間に何十回とあるパーティーに出席しているのだ。見覚えもあるというものだ。アリシアのように幽閉でもしていなければ大体の年齢になれば出席するようになる。
リリアたちは自分の考えが正しかったことを理解した。
「やはり、アリシア様の実家の関係者ですか?」
「ああ。だが、おかしい。アリシア嬢の実家に関わる者は誰一人呼んでいないのだが?」
ルドワードとスカルディアはアリシアに近づいた。いまだアリシアが眠っているのを確認してホッとするのと同時にその寝顔が微笑ましいと思っている。
ルドワードはアリシアのすぐ隣に腰を掛けた。スカルディアはルドワードの隣に立ってる。
ルイは捕らえた者たちとして説明した。
「急に魔方陣が出たと思ったらこいつが現れたんだ」
「アリシア様に何か飲ませようとしていたから」
「確認してみます。診断」
エレナは診断を使ってアリシアの異常がないかを調べた。この診断は医療魔法の一つだが初心者でもできるほどの簡単なものだ。状態異常やかけられた魔法が分かる程度のものだ。
エレナは調べてみて驚いた。アリシアはどうやら飲んでいなかったようで状態異常はなかったが他のものが見えたのだ。
「あれ?」
「どうかしたのか?」
「薬物等の反応はなかったのですが、探索の印がつけられています。しかも隠蔽されています」
「念入りだなぁ。よほどアリシア嬢を世間に知られたくなかったようだ」
「そのように感じます」
「どう言うことだ?」
ユーザリア側にはかけられた魔法の種類から想像がついたが魔法のことが分からないドラグーン側は首を傾げた。
これを説明をしたのはルークだ。
「探索とは印を付けた相手がいなくなった時に探し出すことができますし、場合によっては自分の方や決めた魔方陣に強制的に連れ戻すことが可能な魔法なのです」
「なるほど、だから世間に見つかる前に連れ戻すことができるってことか」
「はい。本来、このようなものはほとんど使いません。迷子になりやすい子供に対して一時的に使うことはあっても」
リリアは優しくアリシアを見ながらアリシアが説明したより状況はひどいように感じ、悲しくなった。
愛くるしく無邪気なアリシアは誰にでも愛される存在だ。
ましてやユーザリアでも希少なほど魔力が高い、本当に大事にされるべき存在なのに生まれた場所でこのような扱いを受けるとは誰にも想像もつかないのだ。
アリシアを疎ましく思っていたウィザルド伯爵家の親族は呼ばれていないことを幸いに来ないと思っていたし、この探索を使って呼ばれてもいないのに来るという礼儀知らずなことをしている、それがシリウスには疑問だ。
「余計に疑問だ。呼ばれてもいないのになぜここに来た?それもこれは劇薬だ、アリシア嬢を殺すつもりだったのか?」
「ふん!」
「貴様、子供だからと言って容赦しないぞ」
ラティアの言動にルドワードは腹を立てて力を使いそうになっている。
それに気づいたスカルディアが慌てて止めた。
「あ、兄貴!落ち着けよ、シア姉が起きちまう」
「う、うむ」
スカルディアの言う通り眠っているアリシアを起こすわけにもいかないのでルドワードはアリシアの寝顔を見て落ち着いた。
その姿にスカルディアはホッとするのと同時に呆れた。
「あなたも貴族の端くれなら陛下に対してその態度はいかがなものかと思いますが?子供でも不敬罪は当てはまるんですよ」
「その女が、お姉さまより良くなるなんて許せないだけよ!」
ルークの指摘にラティアは怒鳴って話した。
せっかく面々がアリシアが起きないように声を落としながら話していたのに。
アリシアもこの大声で目を覚ましてしまった。
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