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第二章
2、ルドワードの悩み②
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ディスタはジャックスを見てある人物を思い出した。ジャックスの姉であるカルディナだ。カルディナはアリシアに裁判のことで恩を感じており、害するはずがない。ましてや当主時代からルドワードに誠心誠意仕えてきた実績もある。
カルディナはアリシアの発案でこのドラグーン大国全土を夫であるエンデリックとまわることになっているがまだ出発の時ではない。ゆえに現在はクレメント領に滞在している。
夫人としてそういう経験もあり、口も堅く、先に話したように恩義を感じているので害するはずもない。
そういう点からも適切な相手である。
ルドワードもそれには賛成した。義理のおばであり、クレメント領主としてしっかりと仕えてきた誠実なカルディナであればアリシアのそういうことの教育に適している。
「成程な、それなら大丈夫だろう。どうだ、ジャックス」
「はい、姉ももう一度礼をしたいと言っていましたのでお会いしてもらえたら嬉しいです」
「では、教え役は夫人ということで」
「分かりました。姉には俺から話しておきます」
「ああ、頼む」
こうしてルドワードの悩みは解決する兆しが見えた。
***
二日後、アリシアのもとにカルディナがジャックスと共にやってきた。
さすがにエンデリックは竜王城に入ることはできないのでクレメント領にて留守番となった。
「お久しぶりです、アリシア様」
「カルディナさん!いらっしゃいませ」
アリシアは今朝ルドワードから聞いてカルディナが来るのを楽しみにしていた。
アリシアはカルディナに席を勧め、カルディナも会釈をしてアリシアが座るのを見届けてから座った。
「お変わりありませんか?」
「はい、アリシア様のおかげで夫は憑き物が落ちたようで昔の姿が見えています。ただ、張り切りすぎると空回りする傾向があるので」
「ふふ、そこはカルディナさんの腕の見せ所ですね」
「はい。今度こそ夫に自信を付けてあげたいので、しっかりと成果が夫の力で出るように頑張ります」
「はい。楽しみにしています」
二人は楽しそうに話をしている。
リリアはそれを微笑ましく見ていた。だが、リリアたちはカルディナが何のためにアリシアに会いに来たのかルドワードから聞いている。
今後に必要なことなのでリリアは見届けることにした。
カルディナはしばらく近辺の話をしていたが改まってアリシアに話をもちかけた。
「時にアリシア様」
「はい?」
「竜王様とは今後の話をしていますか?」
「今後の話ですか?」
アリシアは急なカルディナの質問に首をかしげた。カルディナが何を言いたいのか分からないからだ。
カルディナは言葉を選びながら慎重に話を進めた。
「はい、私たちはこの地を離れます。ですがアリシア様と竜王様との間の御子が気になりまして」
「御子……赤ちゃん!?」
「はい、多分多くの方が楽しみにされているはずです」
「……カルディナさん」
「はい?」
アリシアは辺りをキョロキョロと見渡しながら意を決したように質問をした。アリシア自身もルドワードとの子供は欲しい、でもやり方に関しては分からないのだ。ましてやそういうことを誰に聞いていいのかもわからず、今まできたのだ。
だからこれはアリシアにとってもよかったのだ。カルディナが聞いてきたことでアリシアは相談しやすくなった。
「赤ちゃんって、どうやって産まれてくるんですか?」
「……やはり、知らないんですね」
「はい」
「分かりました。このカルディナ、アリシア様にその辺のことをお教えいたします」
「はい、ありがとうございます!」
アリシアは嬉しかった。これでやっとルドワードとの子供が望める。
そんな嬉しそうな顔にリリアとカルディナは微笑ましかった。だが、ルドワードからアリシアの生い立ちを聞いたカルディナは少々気にはなった。
その行為におびえるのではないかと。
「これは結婚している誰しもがしていることなので怖がらないでくださいね」
「怖いことなのですか?」
「いいえ、愛する方との大事なことです」
カルディナはそう前置きを付けて知識として教えれるだけのことはアリシアに教えた。
カルディナはアリシアの発案でこのドラグーン大国全土を夫であるエンデリックとまわることになっているがまだ出発の時ではない。ゆえに現在はクレメント領に滞在している。
夫人としてそういう経験もあり、口も堅く、先に話したように恩義を感じているので害するはずもない。
そういう点からも適切な相手である。
ルドワードもそれには賛成した。義理のおばであり、クレメント領主としてしっかりと仕えてきた誠実なカルディナであればアリシアのそういうことの教育に適している。
「成程な、それなら大丈夫だろう。どうだ、ジャックス」
「はい、姉ももう一度礼をしたいと言っていましたのでお会いしてもらえたら嬉しいです」
「では、教え役は夫人ということで」
「分かりました。姉には俺から話しておきます」
「ああ、頼む」
こうしてルドワードの悩みは解決する兆しが見えた。
***
二日後、アリシアのもとにカルディナがジャックスと共にやってきた。
さすがにエンデリックは竜王城に入ることはできないのでクレメント領にて留守番となった。
「お久しぶりです、アリシア様」
「カルディナさん!いらっしゃいませ」
アリシアは今朝ルドワードから聞いてカルディナが来るのを楽しみにしていた。
アリシアはカルディナに席を勧め、カルディナも会釈をしてアリシアが座るのを見届けてから座った。
「お変わりありませんか?」
「はい、アリシア様のおかげで夫は憑き物が落ちたようで昔の姿が見えています。ただ、張り切りすぎると空回りする傾向があるので」
「ふふ、そこはカルディナさんの腕の見せ所ですね」
「はい。今度こそ夫に自信を付けてあげたいので、しっかりと成果が夫の力で出るように頑張ります」
「はい。楽しみにしています」
二人は楽しそうに話をしている。
リリアはそれを微笑ましく見ていた。だが、リリアたちはカルディナが何のためにアリシアに会いに来たのかルドワードから聞いている。
今後に必要なことなのでリリアは見届けることにした。
カルディナはしばらく近辺の話をしていたが改まってアリシアに話をもちかけた。
「時にアリシア様」
「はい?」
「竜王様とは今後の話をしていますか?」
「今後の話ですか?」
アリシアは急なカルディナの質問に首をかしげた。カルディナが何を言いたいのか分からないからだ。
カルディナは言葉を選びながら慎重に話を進めた。
「はい、私たちはこの地を離れます。ですがアリシア様と竜王様との間の御子が気になりまして」
「御子……赤ちゃん!?」
「はい、多分多くの方が楽しみにされているはずです」
「……カルディナさん」
「はい?」
アリシアは辺りをキョロキョロと見渡しながら意を決したように質問をした。アリシア自身もルドワードとの子供は欲しい、でもやり方に関しては分からないのだ。ましてやそういうことを誰に聞いていいのかもわからず、今まできたのだ。
だからこれはアリシアにとってもよかったのだ。カルディナが聞いてきたことでアリシアは相談しやすくなった。
「赤ちゃんって、どうやって産まれてくるんですか?」
「……やはり、知らないんですね」
「はい」
「分かりました。このカルディナ、アリシア様にその辺のことをお教えいたします」
「はい、ありがとうございます!」
アリシアは嬉しかった。これでやっとルドワードとの子供が望める。
そんな嬉しそうな顔にリリアとカルディナは微笑ましかった。だが、ルドワードからアリシアの生い立ちを聞いたカルディナは少々気にはなった。
その行為におびえるのではないかと。
「これは結婚している誰しもがしていることなので怖がらないでくださいね」
「怖いことなのですか?」
「いいえ、愛する方との大事なことです」
カルディナはそう前置きを付けて知識として教えれるだけのことはアリシアに教えた。
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