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第二章
20、初期は大変
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アリシアはしばらく体調のすぐれない日が続いた。
いわゆるつわりと言うものに悩まれている。
妊娠初期に起きるもので、多くの人が大なり小なりそれに苦しむときがあるが、アリシアは少々重い方だった。
多くの食べ物の臭いに気持ち悪さを覚え、ゼリーなどぐらいしか食べれない状態になった。
このままではよろしくないとの事で、栄養剤を入れる事になった。
この状況にルドワードとスカルディアは慌てふためき、仕事にも身が入らないようだ。
何もできない男衆が右往左往していても仕方ないのだが、そうなってしまうのはどこでも一緒のようだ。
「ルド様」
「シア、大丈夫か?」
「はい、栄養を入れて貰っていますので」
「そうか」
「それより、お仕事はどうされましたか?」
「うっ!」
「竜王様!また、竜王妃様の所に!!」
「ディスタ」
声を荒げて入ってきたのはディスタだった。
アリシアとも面識があり、ルドワードに物申せるのはディスタぐらいなのだ。だから仕方ない。
アリシアは苦笑しながらルドワードの背中を押した。
「ルド様、お迎えが来ましたよ」
「だが」
「ルド様の両肩にはこの国やお腹の子のことがかかっていますのよ」
「そうだが」
「お父様の素晴らしいところを見せてあげてください」
「……分かった」
ルドワードはアリシアに諭され、しぶしぶ執務室に戻った。
それをため息をついて見届けた。
「申し訳ありません、アリシア様」
「いいえ、お勤めご苦労様です、ディスタ」
「労わりのお言葉ありがとうございます。時に体調の方はいかに?」
「今は栄養を入れていただいてますので順調です」
「それはようございました。あなたにもしものことがあったら大変です」
「そうでしょうか?」
アリシアはディスタの言葉が少々大げさな気がした。
アリシアの様子からアリシア自身が理解してないとディスタは把握した。
そう、アリシアはすでにドラグーン国民に親しまれる竜王妃となったのだ。何かあれば国民が悲しむ。ましてや城にいる時からアリシアを知っている面々は特にだ。
いまやユーザリア大国の王族の親戚筋であると分かり、ユーザリアにはアリシアを溺愛している親戚もいるのだ。
何かあれば、それこそドラグーン大国やユーザリア大国を動かしかねない存在であるのだ。
だが、身重のアリシアにそんなことをこんこんと言っても仕方ない。
なので、ディスタは軽くたしなめる程度に話した。
もちろん、信じないであろうことを理解した上でだ。
「もちろんです。竜王様やスカルディア様だけでなく、臣下や国民、ユーザリアの方にも」
「まぁあ」
「何か異変がありましたらすぐに医者をお呼びください」
「はい」
「それでは失礼します」
ディスタが出て行こうとするとアリシアが呼び止めた。
ディスタは何かあるだろうかと疑問に思いながら振り返った。
「あ、ディスタ」
「はい?」
「ルド様のこと、しっかり支えてください」
「はい」
ディスタは一礼し、今度こそ出て行った。
そして、ルドワードとアリシアの仲の良さに微笑ましく思っていた。
いわゆるつわりと言うものに悩まれている。
妊娠初期に起きるもので、多くの人が大なり小なりそれに苦しむときがあるが、アリシアは少々重い方だった。
多くの食べ物の臭いに気持ち悪さを覚え、ゼリーなどぐらいしか食べれない状態になった。
このままではよろしくないとの事で、栄養剤を入れる事になった。
この状況にルドワードとスカルディアは慌てふためき、仕事にも身が入らないようだ。
何もできない男衆が右往左往していても仕方ないのだが、そうなってしまうのはどこでも一緒のようだ。
「ルド様」
「シア、大丈夫か?」
「はい、栄養を入れて貰っていますので」
「そうか」
「それより、お仕事はどうされましたか?」
「うっ!」
「竜王様!また、竜王妃様の所に!!」
「ディスタ」
声を荒げて入ってきたのはディスタだった。
アリシアとも面識があり、ルドワードに物申せるのはディスタぐらいなのだ。だから仕方ない。
アリシアは苦笑しながらルドワードの背中を押した。
「ルド様、お迎えが来ましたよ」
「だが」
「ルド様の両肩にはこの国やお腹の子のことがかかっていますのよ」
「そうだが」
「お父様の素晴らしいところを見せてあげてください」
「……分かった」
ルドワードはアリシアに諭され、しぶしぶ執務室に戻った。
それをため息をついて見届けた。
「申し訳ありません、アリシア様」
「いいえ、お勤めご苦労様です、ディスタ」
「労わりのお言葉ありがとうございます。時に体調の方はいかに?」
「今は栄養を入れていただいてますので順調です」
「それはようございました。あなたにもしものことがあったら大変です」
「そうでしょうか?」
アリシアはディスタの言葉が少々大げさな気がした。
アリシアの様子からアリシア自身が理解してないとディスタは把握した。
そう、アリシアはすでにドラグーン国民に親しまれる竜王妃となったのだ。何かあれば国民が悲しむ。ましてや城にいる時からアリシアを知っている面々は特にだ。
いまやユーザリア大国の王族の親戚筋であると分かり、ユーザリアにはアリシアを溺愛している親戚もいるのだ。
何かあれば、それこそドラグーン大国やユーザリア大国を動かしかねない存在であるのだ。
だが、身重のアリシアにそんなことをこんこんと言っても仕方ない。
なので、ディスタは軽くたしなめる程度に話した。
もちろん、信じないであろうことを理解した上でだ。
「もちろんです。竜王様やスカルディア様だけでなく、臣下や国民、ユーザリアの方にも」
「まぁあ」
「何か異変がありましたらすぐに医者をお呼びください」
「はい」
「それでは失礼します」
ディスタが出て行こうとするとアリシアが呼び止めた。
ディスタは何かあるだろうかと疑問に思いながら振り返った。
「あ、ディスタ」
「はい?」
「ルド様のこと、しっかり支えてください」
「はい」
ディスタは一礼し、今度こそ出て行った。
そして、ルドワードとアリシアの仲の良さに微笑ましく思っていた。
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