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カロクがローレンスの存在に気がついたのは、物心ついてからしばらくして。
深夜に7つの光と戯れていた時だ。
カロクは、気がつけばその瞳に7つの不思議な光を映していた。
夜。それも決まって皆が寝静まった遅くに現れる不思議な光。カロクが辛い時、寂しい時には必ず現れて、そのそばに寄り添ってくれていた。
しかしその光は、乳母には見えないようだった。
ある日1度だけ、太陽が出ている時に現れてくれた事もあった。しかし強い陽の光に焼かれ、その存在は酷く希薄になっている。今にも消えてしまいそうな光達にカロクは優しく笑いかける。
「無理、しなくていいよ。」
そういうと、1度だけ瞬いたその光達はふわりと解けるように消えていった。
まるでカロクの言葉が分かっているかのように。
カロクはそれを絵本に出てくる妖精か何かのように感じていた。絵本など読んだことはなかったけれど。
その日も乳母に食事を抜かれ、理不尽な罵詈雑言を浴びせられた日だった。
シーツに包まり、空腹を紛らわせる。そうしているといつものように7つの光が現れ、カロクを取り巻いた。
実体がある訳ではないけれど、触れると様々な温度を感じる。
赤色の光は暖かな温度が。水色はヒヤリと冷たく。緑色の光は爽やかな風のようで、紫色の光は触れると少し痺れた。
残りの黄と白と黒は特に何も感じなかったけれど、白は光の中でも特に明るい輝きを放っているように感じた。
「今日はね、庭に小鳥が遊びに来たんだよ。」
カロクは声を潜めて話す。その言葉に呼応するように、光たちは瞬いた。
そうして戯れていると、静かに部屋の扉が開くのを感じた。
「‥っ」
カロクはヒュッと息を飲み込む。
ただでさえ訪問者の居ない離れの屋敷。そんな屋敷にこんな時間に忍び込むのは後暗い事情のあるものだけだ。
カロクは学んだ事もないのに、その事を理解していた。
寝たフリをしていれば、見逃してくれるだろうか?
光達は幸いカロクにしか見えてはいない。
怯えるカロクを励ますかのように、光達はカロクに身を寄せた。
「‥‥」
その時、シーツ越しにふわりと何かが触れた。思わずビクリと身を縮こませると、その何かはカロクをあやす様に頭の辺りを緩く撫でた。
カロクは恐る恐る顔を出す。
するとそこには、穏やかな表情で微笑む、執事姿の男性がたっていた。
年齢は初老に差し掛かったくらいだらうか。シルバーグレイの髪を後ろに撫で付け、高い鼻筋に片方だけかかる丸いメガネをかけている。
「こんばんは、カロク様。」
そう言って微笑むローレンス。
カロクはその時初めて、自分自身の名前を知った。
深夜に7つの光と戯れていた時だ。
カロクは、気がつけばその瞳に7つの不思議な光を映していた。
夜。それも決まって皆が寝静まった遅くに現れる不思議な光。カロクが辛い時、寂しい時には必ず現れて、そのそばに寄り添ってくれていた。
しかしその光は、乳母には見えないようだった。
ある日1度だけ、太陽が出ている時に現れてくれた事もあった。しかし強い陽の光に焼かれ、その存在は酷く希薄になっている。今にも消えてしまいそうな光達にカロクは優しく笑いかける。
「無理、しなくていいよ。」
そういうと、1度だけ瞬いたその光達はふわりと解けるように消えていった。
まるでカロクの言葉が分かっているかのように。
カロクはそれを絵本に出てくる妖精か何かのように感じていた。絵本など読んだことはなかったけれど。
その日も乳母に食事を抜かれ、理不尽な罵詈雑言を浴びせられた日だった。
シーツに包まり、空腹を紛らわせる。そうしているといつものように7つの光が現れ、カロクを取り巻いた。
実体がある訳ではないけれど、触れると様々な温度を感じる。
赤色の光は暖かな温度が。水色はヒヤリと冷たく。緑色の光は爽やかな風のようで、紫色の光は触れると少し痺れた。
残りの黄と白と黒は特に何も感じなかったけれど、白は光の中でも特に明るい輝きを放っているように感じた。
「今日はね、庭に小鳥が遊びに来たんだよ。」
カロクは声を潜めて話す。その言葉に呼応するように、光たちは瞬いた。
そうして戯れていると、静かに部屋の扉が開くのを感じた。
「‥っ」
カロクはヒュッと息を飲み込む。
ただでさえ訪問者の居ない離れの屋敷。そんな屋敷にこんな時間に忍び込むのは後暗い事情のあるものだけだ。
カロクは学んだ事もないのに、その事を理解していた。
寝たフリをしていれば、見逃してくれるだろうか?
光達は幸いカロクにしか見えてはいない。
怯えるカロクを励ますかのように、光達はカロクに身を寄せた。
「‥‥」
その時、シーツ越しにふわりと何かが触れた。思わずビクリと身を縮こませると、その何かはカロクをあやす様に頭の辺りを緩く撫でた。
カロクは恐る恐る顔を出す。
するとそこには、穏やかな表情で微笑む、執事姿の男性がたっていた。
年齢は初老に差し掛かったくらいだらうか。シルバーグレイの髪を後ろに撫で付け、高い鼻筋に片方だけかかる丸いメガネをかけている。
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そう言って微笑むローレンス。
カロクはその時初めて、自分自身の名前を知った。
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